TS系最弱な美幼女魔王ちゃんとなった俺は、何故か自分が生み出した使い魔達と無敵のダンジョンを作ることになったんだが！！

意外

「う～ん...」

「あっ...、起きましたか？」

　私はようやく目覚めた彼女に焼けたばかりの焼き豚を渡しました。

「道中でいい感じの魔物をいくつか狩っておいて良かったです、この山で生活していたら食料には困りませんね」

　私が笑顔でそう答えると、彼女は少し意外そうな顔をしていた。

「へぇ...、アンタって意外とそういう事出来るんだ...」

「意外ってなんですか！？」

「いやいや、だってアンタって奴隷として遊ばれてたでしょ？、だからそういう経験しか得てない物だと思っていてね...」

　そう言われると少し腹が立つ。

「私だって捕まるまでは野生の魔物として生活していたんですからこれくらい当然です！、それに今ではアリカ☆の加護も得ていますからね！」

　自信満々にそう答える私だったのだが...。

「アリカ☆の加護？、なにそれ...」

　その言葉を聞いた瞬間、私の方が困惑してしまいました。

「いやいやいや！！！、アリカ☆になった時に得るステータス上昇の事ですよ！！、ケロナさんだって得ているんですよね！？」

　私の必死に言葉に対し、彼女の出した答えは...。

「知らん！、というかアリカの奴に加護なんて力はない！」

「はい？」

　だったら私のこの姿と能力の向上をどう説明するのか解いて見せてと彼女にせがんで見ると、答えてくれた。

「いいか？、アリカが使える魔法は魔物を生成する事と改造する事だ、それは加護なんて物じゃない、更に上の...、私に言わせてしまえば神様みたいな力だ...」

「神様みたいな力...？」

　彼女の言っている事の意味が理解できない...。

　確かに私の体を一瞬にしてここまで成長させた上に、能力値を全て向上させた手腕には恐れ入るが、神様は言い過ぎなのではないかと思う。

　実際この世の中には伝説となっている精霊や魔神達の伝承があるが、流石にそれと比べてしまえばアリカのやっている事はまだ普通の領域を抜け出していないような気もする...。

　私が思い悩んでいると、彼女は静かに付け足す。

「...アリカ城は見ているよな？」

「はい...、でもそれがアリカと何の関係が...」

「アレはアリカが一人で一瞬にして作った物だ」

「はい...？」

　余計理解不能に思えてきた。

「一人で...？一瞬で...？」

(なにを言っているんだこの人は...)

　思わずジト目で彼女を見てしまう。

(そんなことできるわけがないじゃん！)

　何となく笑って流そうとする私と、真剣な表情でそう伝えてくる彼女。

　...。

　ぐぅ～...。

「あっ...//」

　静寂の中、いきなり彼女のお腹の音が鳴ったので思わず笑う私。

　さっきまでの緊迫した状況から解放された感じがして一気に気分が軽くなる。

「ケロナさんもお腹すいているみたいなのでご飯にしましょう、ほらもう焼けているので食べてみてください」

「むぅ...//」

　そう呟きながら少し頬を赤らめる彼女は可愛い♡。

(ふふっ♡、これだけで私のお腹は一杯になっちゃいます♡)

　私は彼女に焼き豚を手渡し、2人で夜空を見上げながらアリカについて語り合うのでした。