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友情②
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「はぁ...、お主はこんな立派な王国の王なのじゃぞ?、その王が他国の王であるわしの前で泣いてもいいと本気で思うておるのか?」
「...」
ため息を吐きながら俺にそう言ってくる彼女に答えが出せない。
でも...、俺は言わなくちゃいけない。
「俺はシスティは絶対に死なないと思ってたんだ、【冥帝】っていう称号を持ってるだけで勝手にそう判断していたんだよ...、情けないよな...、先日【悪魔王】の称号を持つロムパですら死んでしまったって言うのに...」
俺の乾いた笑いが彼女の怒りを買ったのは言うまでもない。
「誰じゃお主は!」
ぐいっ!と首根っこを掴み俺の体を空中に浮かす。
しかもそこは下に足場がない場所で、もしも彼女が手を離せば俺は真っ逆さまに堕ちて死ぬだろう。
「お主の様な弱虫はわしの友人の中にはおらん!、【5王連合軍】を結成した時のお主はどこに行ったのじゃ!!」
「システィ...、痛い...から離して...」
感情的になった彼女にそう呟いても話してはくれない。
(よく考えたら今離された場合確実に死にますね...)
俺のどうでもいい内心など毛ほども興味がないのだろう。
彼女は大声で俺を叱責してきた。
「いいや!離さん!、何がそんなにお主を泣かせておるのかわしに言うてみい!」
凛とした表情の彼女に俺は答える。
「俺は...、システィが自殺する所を見たくない...」
俺の答えに彼女は唖然としていた。
「はっ?、何を言うておるのじゃ?、誰が自殺するって?」
「システィが...」
彼女は一瞬フリーズしたのだが、すぐさま後ろに俺を投げ飛ばしアホらしいと笑って言いました。
「ハッハッハッ!、わしが自殺すつるじゃと!?、心配するな!わしはそんなたまではないは!」
そうだ...、この明るさだ...。
彼女は前世で自殺した俺の友人である人物と重なっている...。
前世でシスティに似た人物もこんな感じの人だった。
皆に明るく、人に好かれ誰からも愛されているような人物...。
だからこそ、彼女が自殺した時には皆が驚いていたのを今でも覚えている。
そんな彼女とシスティが重なってしまい、俺の中で自分に対する嫌悪感が大爆発した。
「なんでそんなに優しくするんだよ...、俺の前でくらい素を出してくれよ!、ああわかってるよ!俺が弱くって情けなくって頼りないからそうやって自分の方が強いと思わせてくれてるんだろう!?、有難いけど迷惑なんだよ!」
息を切らしながら最低な言葉を連発してしまう俺を見て、彼女は絶句したような表情を浮かべるのみなのでした。
「...」
ため息を吐きながら俺にそう言ってくる彼女に答えが出せない。
でも...、俺は言わなくちゃいけない。
「俺はシスティは絶対に死なないと思ってたんだ、【冥帝】っていう称号を持ってるだけで勝手にそう判断していたんだよ...、情けないよな...、先日【悪魔王】の称号を持つロムパですら死んでしまったって言うのに...」
俺の乾いた笑いが彼女の怒りを買ったのは言うまでもない。
「誰じゃお主は!」
ぐいっ!と首根っこを掴み俺の体を空中に浮かす。
しかもそこは下に足場がない場所で、もしも彼女が手を離せば俺は真っ逆さまに堕ちて死ぬだろう。
「お主の様な弱虫はわしの友人の中にはおらん!、【5王連合軍】を結成した時のお主はどこに行ったのじゃ!!」
「システィ...、痛い...から離して...」
感情的になった彼女にそう呟いても話してはくれない。
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俺のどうでもいい内心など毛ほども興味がないのだろう。
彼女は大声で俺を叱責してきた。
「いいや!離さん!、何がそんなにお主を泣かせておるのかわしに言うてみい!」
凛とした表情の彼女に俺は答える。
「俺は...、システィが自殺する所を見たくない...」
俺の答えに彼女は唖然としていた。
「はっ?、何を言うておるのじゃ?、誰が自殺するって?」
「システィが...」
彼女は一瞬フリーズしたのだが、すぐさま後ろに俺を投げ飛ばしアホらしいと笑って言いました。
「ハッハッハッ!、わしが自殺すつるじゃと!?、心配するな!わしはそんなたまではないは!」
そうだ...、この明るさだ...。
彼女は前世で自殺した俺の友人である人物と重なっている...。
前世でシスティに似た人物もこんな感じの人だった。
皆に明るく、人に好かれ誰からも愛されているような人物...。
だからこそ、彼女が自殺した時には皆が驚いていたのを今でも覚えている。
そんな彼女とシスティが重なってしまい、俺の中で自分に対する嫌悪感が大爆発した。
「なんでそんなに優しくするんだよ...、俺の前でくらい素を出してくれよ!、ああわかってるよ!俺が弱くって情けなくって頼りないからそうやって自分の方が強いと思わせてくれてるんだろう!?、有難いけど迷惑なんだよ!」
息を切らしながら最低な言葉を連発してしまう俺を見て、彼女は絶句したような表情を浮かべるのみなのでした。
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