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突撃!!

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 ~上空~

 我らは今空高く舞い上がっていた。

 肌寒い風が全身を突き刺さす勢いが増してくるに連れてそこに近づいているのだと自負できる。

 そう、【大帝城】に近づいているのだと...。

 我の作り出した【次元龍】の形を成した砂鉄の背中に乗り【大帝城】を目指す!

 そんな中勇者キィアがこう呟いた。

「凄いなケロナちゃんは、こんなでっかいドラゴンを使役してるなんて思ってなかったぞ」

「ケロナお姉様はやる事のスケールも大きいのですわ!」

「それにしてもこんな大きなドラゴンは普通人に懐かないぞ」

「だ~か~ら~、ケロナお姉様ならば不可能も可能になるのですわ!」

 キィアとエリーゼが言い合う中、レイナがこそっと我に声をかけてきた。

「ありがとうケロナ、私達の世界の為に戦ってくれて」

 昨日のうちにケロナがこの世界の住人ではない事をレイナには伝えておいた効果が早速出ている。

「問題ないさ、もう私もこの世界の事を全く関係のない世界だとは思っていないからね」

 とケロナの本心を伝えておこう。

 ケロナ自身もそう思っている事は間違いない。

 我とケロナは一心同体。

 つまり考えている事もある程度は分かってしまうのだ。

 ただし、我の方が基本的に力が強いのでケロナの意識を完全に消沈させてから一方的に情報を取り上げる事もできるのだが、流石にそんな事はしない。

 今も彼女には我の瞳からこの世界の景色を眺めさせている。

 フリーズ=ディスティアに氷漬けの薔薇にされた町や村をいくつもその目に焼き付けさせた。

「本当に世界の殆どが氷の中に閉じ込められてしまったのですね...」

 と悲しそうに呟くプラル。

「大丈夫だよ! ケロナお姉ちゃんが【大帝】なんかぶっ飛ばして世界を救ってくれるから!」

 そんな彼女を元気づけるサラ。

「ミルシュ、...いいな?」

「うん...、大丈夫」

 あちらの方でこそこそしているミカとミルシュにも一応気は配っておく。

「これが最後の戦い...、私の作った武具が皆さんの力になる事を祈っています」

 ポニーに最後の締めの言葉を並べさせたらついに【大帝城】が見えてきた。

「じゃあ行こうか! この世界を氷の中に閉じ込めた元凶をぶっ飛ばしにさ!」

 我はケロナの思っている言葉を叫びながら【大帝城】に殴り込むのでした。
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