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火の大陸編
食後
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「あー、美味しかった~」
お腹をポンポンと叩きながら店から出るマオ。
それを煩わしそうに見るピコラ。
「まさか、あんたのお金が足りてないなんてね...、後でちゃんと請求するからね!」
マオの所持ゴールドはわずか300程度であった為食事をするのには少々足りなかった。
仕方がないのでピコラが払っていたのだが、それがイラつきの原因なのだろう、さっきからマオを鬱陶しいそうに見ている。
「ありがとう!ピコラ!」
「お礼は後で、ちゃんと払うもん払ってからね」
私は片目を瞑りマオをじ~っと見る。
「わかったてば~」
手を振りながら相槌を打つ、マオの笑顔がだんだんと腹がたってきた頃に、私は気がついた。
「そういえばあんたの名前なんていうの?」
「マオだよ!」
即答で切り返す彼女の姿に少し笑う。
(やっぱこの子面白い)
私は彼女の目の前でパチンと手を叩いて音を立てる。
彼女がびっくりしたように目を開く。
その姿にまた笑う。
「こんな子供騙しに引っかかる5000歳だなんてみっともないと思わない?」
「むぅ~...、ピコラの意地悪!!」
そう言いながら彼女は怒ったかのような口調で話すが、内心まではわからない。
正直彼女の考えはさっぱり読めないので逆に面白い。
しばらくすると。
「次どこ行く?」
と彼女が言ってきたので、「どこでもいいわよ、あんたの行きたい場所で」と答える。
彼女はう~んとばかりに頭を抱えて考えているが、特に行きたい場所もないようだ。
ふと思い出したかのようにこんなことを口ずさんだ。
「そういえば今日の朝、ユウリとレスカがめっちゃ疲れた顔して帰ってきたんだ、それで余が遊びに行こうと提案したら、もう疲れたって寝ちゃった...、全く勇者のくせにだらしないよな~」
ユウリのことをバカにしたように笑うマオに対して、私はうん?と首をかしげる。
「今ユウリって言ったわよね?、そして勇者?」
「そうだよ」
「まさか...、いやでもあのユウリは女性で...」
なにやらブツブツ呟いている。
一人で盛り上がるピコラが羨ましいので、マオは疑問に思ったことを聞いて見る。
「なあ、ピコラはあの時何してたんだ?、ほら始まりの大陸で余たちがタコと戦っていた時にピコラはいなかったよな?」
「そりゃそうよ、私はここでナツキとパーティ契約したんだから」
「へ~、そうなんだ~」
疑問が解けたことにスッキリするマオだったが、突然「あ!」と叫んで慌て始めた。
「大丈夫!?、すごい汗よ」
「だだだ....大丈夫...」
明らかに大丈夫ではないマオの震え具合に私はポケットからハンカチを取り出して顔を拭ってあげた。
依然として震えているマオが急に走り出すと、私に手をふって別れを告げる。
「ごめんペコラ!、そういえば余はレスカに迷惑かけないって約束したんだった、勝手に離れたらダメだったんだ!」
「保護者同伴の5000歳なんかい!」
つい一人でツッコミをかますペコラだったが、清々しいほどの彼女の顔に無駄な時間を過ごしたとは思えなかった。
「さーて、邪魔者もいなくなったし、私もナツキのところに戻ろうかしらね....!」
この時に私は気がついた。
「あのガキ...、結局昼食代の大部分出したの私じゃな~い!」
ピコラの叫びが潮風に乗って町中に響き渡った。
お腹をポンポンと叩きながら店から出るマオ。
それを煩わしそうに見るピコラ。
「まさか、あんたのお金が足りてないなんてね...、後でちゃんと請求するからね!」
マオの所持ゴールドはわずか300程度であった為食事をするのには少々足りなかった。
仕方がないのでピコラが払っていたのだが、それがイラつきの原因なのだろう、さっきからマオを鬱陶しいそうに見ている。
「ありがとう!ピコラ!」
「お礼は後で、ちゃんと払うもん払ってからね」
私は片目を瞑りマオをじ~っと見る。
「わかったてば~」
手を振りながら相槌を打つ、マオの笑顔がだんだんと腹がたってきた頃に、私は気がついた。
「そういえばあんたの名前なんていうの?」
「マオだよ!」
即答で切り返す彼女の姿に少し笑う。
(やっぱこの子面白い)
私は彼女の目の前でパチンと手を叩いて音を立てる。
彼女がびっくりしたように目を開く。
その姿にまた笑う。
「こんな子供騙しに引っかかる5000歳だなんてみっともないと思わない?」
「むぅ~...、ピコラの意地悪!!」
そう言いながら彼女は怒ったかのような口調で話すが、内心まではわからない。
正直彼女の考えはさっぱり読めないので逆に面白い。
しばらくすると。
「次どこ行く?」
と彼女が言ってきたので、「どこでもいいわよ、あんたの行きたい場所で」と答える。
彼女はう~んとばかりに頭を抱えて考えているが、特に行きたい場所もないようだ。
ふと思い出したかのようにこんなことを口ずさんだ。
「そういえば今日の朝、ユウリとレスカがめっちゃ疲れた顔して帰ってきたんだ、それで余が遊びに行こうと提案したら、もう疲れたって寝ちゃった...、全く勇者のくせにだらしないよな~」
ユウリのことをバカにしたように笑うマオに対して、私はうん?と首をかしげる。
「今ユウリって言ったわよね?、そして勇者?」
「そうだよ」
「まさか...、いやでもあのユウリは女性で...」
なにやらブツブツ呟いている。
一人で盛り上がるピコラが羨ましいので、マオは疑問に思ったことを聞いて見る。
「なあ、ピコラはあの時何してたんだ?、ほら始まりの大陸で余たちがタコと戦っていた時にピコラはいなかったよな?」
「そりゃそうよ、私はここでナツキとパーティ契約したんだから」
「へ~、そうなんだ~」
疑問が解けたことにスッキリするマオだったが、突然「あ!」と叫んで慌て始めた。
「大丈夫!?、すごい汗よ」
「だだだ....大丈夫...」
明らかに大丈夫ではないマオの震え具合に私はポケットからハンカチを取り出して顔を拭ってあげた。
依然として震えているマオが急に走り出すと、私に手をふって別れを告げる。
「ごめんペコラ!、そういえば余はレスカに迷惑かけないって約束したんだった、勝手に離れたらダメだったんだ!」
「保護者同伴の5000歳なんかい!」
つい一人でツッコミをかますペコラだったが、清々しいほどの彼女の顔に無駄な時間を過ごしたとは思えなかった。
「さーて、邪魔者もいなくなったし、私もナツキのところに戻ろうかしらね....!」
この時に私は気がついた。
「あのガキ...、結局昼食代の大部分出したの私じゃな~い!」
ピコラの叫びが潮風に乗って町中に響き渡った。
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