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流れ着いた世界で...
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「うわぁぁぁ!!!」
俺は妹にリウを抱き抱えたまま異次元の渦の中で乱れ狂う。
頭の中と身体が同時にシェイクされているような感覚に陥りながらも妹だけは絶対に離さない。
「リウ! いるか!?」
「いるよ! ね~ね!!!」
ちゃんと受け答えもできている。
と言うことは俺が抱きしめているこれが妹で間違いない。
激しい渦の中に一筋の光を見出す。
「あれは!?」
俺の視線の先に凄まじい光が溢れ出した。
それは次元の渦の中にひび割れを起こさせ、俺たちはそこへと弾き飛ばす!
「「うわぁぁぁぁぁ~!!!」」
俺とリウは一緒にそのひび割れた世界の中へと放り出されてしまう。
「って!! 空中!!!」
いきなり空中に飛び出した俺はリウにこう叫んだ。
「リウ! 飛んでくれ!!」
「分かった!!」
妹が背中に魔力で形取られた桜色の翼を出現させ、滑空しながら地上へと降り立った。
「なんとかなったな...」
そう呟く俺はまず当たりを見回す。
そこは一面全てが砂の世界だった。
「暑い...」
自分の状況を察すると一気に身体が汗を放出し始めるのが分かる。
「ね~ね...お水...」
リウも俺もここに来るまでの戦闘で喉がカラカラだ。
「分かった、とりあえず水を出せるアリカ☆ を誕生させる」
そう言いながらいつも通り【キャラメイキング】の詠唱に入る。
【キャラメイキング】とは俺の頭の中で描いた魔物を創造できると言うチート能力だ。
容姿や姿、そして種族もある程度操作できるまさに夢のようなチート。
しかし、その分魔力を大幅に食うし、なんなら全ての要素を予定通りにキャラが創造できると言う訳ではない。
けれどもそれにかなり近いキャラクターを制作出来るという時点でチートである事に変わりはないだろう。
何を隠そう俺の近くに存在している妹も元は【キャラメイキング】で生み出したキャラクターだからだ。
そんな俺の瞳に文字が映る。
ピコン。
「なんだ?」
今まで見たことのない注意事項なる文章が俺の前に現れる。
『汝、この世界での【キャラメイキング】の使用を禁ずる』
「はっ? 【キャラメイキング】の使用禁止? 嘘だろ!?」
俺のアイデンティティで最強のチート魔法が使えないとなるとかなりまずい!
すかさず俺は他の魔法を扱い、仲間達を呼び出す事にしたのだが...。
「嘘だろ!? 登録していたはずのアリカ☆ がリウだけになってる!!」
「ね~ね...まだ...?」
暑さによってバテているリウの呼吸音が徐々に低くなってくのが分かる。
「リウ!! ちょっと待ってろ!」
俺はリウを担いで少しでも砂の大地を進む。
しかし、そこにあるのはやはり砂のみの世界。
数分も歩けば俺も意識が朦朧としてきた...。
(嘘だろ...こんな所で俺は死ぬのか?)
やはり神から与えられたチート能力が無ければ俺はたった1人の妹も守れないのだろう。
せめて死ぬ前に妹の影になろう。
俺は妹の前に立ち、日傘の代わりとなる。
勿論こんな物は一時凌ぎにしかならない。
「ごめんな...リウ」
俺はそう呟いて意識を失うのだった。
俺は妹にリウを抱き抱えたまま異次元の渦の中で乱れ狂う。
頭の中と身体が同時にシェイクされているような感覚に陥りながらも妹だけは絶対に離さない。
「リウ! いるか!?」
「いるよ! ね~ね!!!」
ちゃんと受け答えもできている。
と言うことは俺が抱きしめているこれが妹で間違いない。
激しい渦の中に一筋の光を見出す。
「あれは!?」
俺の視線の先に凄まじい光が溢れ出した。
それは次元の渦の中にひび割れを起こさせ、俺たちはそこへと弾き飛ばす!
「「うわぁぁぁぁぁ~!!!」」
俺とリウは一緒にそのひび割れた世界の中へと放り出されてしまう。
「って!! 空中!!!」
いきなり空中に飛び出した俺はリウにこう叫んだ。
「リウ! 飛んでくれ!!」
「分かった!!」
妹が背中に魔力で形取られた桜色の翼を出現させ、滑空しながら地上へと降り立った。
「なんとかなったな...」
そう呟く俺はまず当たりを見回す。
そこは一面全てが砂の世界だった。
「暑い...」
自分の状況を察すると一気に身体が汗を放出し始めるのが分かる。
「ね~ね...お水...」
リウも俺もここに来るまでの戦闘で喉がカラカラだ。
「分かった、とりあえず水を出せるアリカ☆ を誕生させる」
そう言いながらいつも通り【キャラメイキング】の詠唱に入る。
【キャラメイキング】とは俺の頭の中で描いた魔物を創造できると言うチート能力だ。
容姿や姿、そして種族もある程度操作できるまさに夢のようなチート。
しかし、その分魔力を大幅に食うし、なんなら全ての要素を予定通りにキャラが創造できると言う訳ではない。
けれどもそれにかなり近いキャラクターを制作出来るという時点でチートである事に変わりはないだろう。
何を隠そう俺の近くに存在している妹も元は【キャラメイキング】で生み出したキャラクターだからだ。
そんな俺の瞳に文字が映る。
ピコン。
「なんだ?」
今まで見たことのない注意事項なる文章が俺の前に現れる。
『汝、この世界での【キャラメイキング】の使用を禁ずる』
「はっ? 【キャラメイキング】の使用禁止? 嘘だろ!?」
俺のアイデンティティで最強のチート魔法が使えないとなるとかなりまずい!
すかさず俺は他の魔法を扱い、仲間達を呼び出す事にしたのだが...。
「嘘だろ!? 登録していたはずのアリカ☆ がリウだけになってる!!」
「ね~ね...まだ...?」
暑さによってバテているリウの呼吸音が徐々に低くなってくのが分かる。
「リウ!! ちょっと待ってろ!」
俺はリウを担いで少しでも砂の大地を進む。
しかし、そこにあるのはやはり砂のみの世界。
数分も歩けば俺も意識が朦朧としてきた...。
(嘘だろ...こんな所で俺は死ぬのか?)
やはり神から与えられたチート能力が無ければ俺はたった1人の妹も守れないのだろう。
せめて死ぬ前に妹の影になろう。
俺は妹の前に立ち、日傘の代わりとなる。
勿論こんな物は一時凌ぎにしかならない。
「ごめんな...リウ」
俺はそう呟いて意識を失うのだった。
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