上 下
93 / 912

昇格

しおりを挟む
 そんなこんなで確実に稼いでいたある日。

 ついに俺のレベルが30台に乗ったので【昇格クラスアップの儀】を行う事になった。

 ちなみに結美と真菜、それに蜜香は俺よりも早くそれを終えている。

 なぜか1番弱い職業のはずなのに俺の成長が1番遅いのだ。

 仲間に成長率で負けるだけならまだ良いが、使役モンスターよりも経験値の溜まりが悪いのは最早バグだろ...。

 まあ、何はともあれ俺もようやく皆と同じ土俵に立てるのだ。

 これほど嬉しことはないだろう。

 蜜香が俺の周りに札を振り撒き、俺に新たな道を指し示す。

「我、黒木家の巫なり。一つの道を熟練せしこの者に新たな道を指し示せ! 【昇格クラスアップ】』

「おおっ!!!」

 俺の目の前に新たな可能性が広がっていく!!!

 ...。

 ...あれっ? 光がだんだんと収縮し、やがて一つの可能性を絞り出した。

「これが高坂さんの可能性...。昇格の結果です!」

 そう言われるとメニュー画面が開く。

『おめでとうございます。あなたは【弱体術師】から【弱体の悪魔】に昇格クラスアップしました』

「...はっ?? 【弱体の悪魔】????」

 思わず目が点になってしまう。

 当たり前だ。

 誰が【弱体術師】の上が【弱体の悪魔】なんて不吉な職業になるなんて思うだろうか?

 俺は思わずゲンナリしていたのだが、クラスアップした報酬を見ていくと少し元気を出すのだった。
しおりを挟む

処理中です...