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凍神龍

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「私たち蛙人族は昔からこの地に生息している人種でね。婆ちゃよりも更にずっと昔の時代はここら辺も春になれば温かい風が辺りを灯す自然豊かな大地だったんだけど、奴が...凍神龍がきて全部変えられてしまったんだ」

「へぇ、その凍神龍ってのが厄介者なのか?」

 ミルティの言葉にコクリと頷くスノウ。

「ああ、奴が来てからと言うものこの大地に死の氷で閉ざされ始めた。徐々に徐々に浸食されていき、生き残ったのは環境に適応し進化した生物だけらしいんだよ」

「それがスノウ、氷の中でも生きれるように進化したあなたってわけだね」

「うん、やっぱとミルティとは話しやすいや。見た目は違うけど元が同種族だからかな?」

「まあ、そうなると思うよ」

 この2人の違いを俺たち人類で例えるならアメリカ人とロシア人みたいなものだろうか? そう思うと少し話づらそうだとは思うが、本人達は平然と話あっている。

「ところで、スノウの尻尾の先端は丸く固くなってるけど、それはどう言う進化を辿ったんだ?」

 確かに、それは俺も気になる。

 おたまじゃくしの尻尾の先が丸く固くなっている意味とは一体...?

 俺も不思議がりながら彼女の話しを聞くとなるほどと思った。

「ああ、私の尻尾の事? これはね、水中から地上に上がる時に水面が凍っているでしょ? それを叩き割ったり、上からまた水面に戻ったりする時に使うんだよ」

 そう良いなが良い腰の振りで壁に穴を開けた。

「ねっ? 大した威力でしょ?」

「そうだな。手で殴ったり足で蹴ったりするよりも威力はありそうだ」

「今度は私が聞いても言い?」

「どうぞ」

「なんでミルティは赤いの? 最初とっても熱かったから本当にびっくりしたんだよこれ! ほのおって言うんだよね?」

「ああ、私は貴方みたいに生活の過程で進化したんじゃなく、ただ単に突然変異で生まれた希少種的な感じだよ」

 そう言いながら俺の方を見てくるミルティ。

「原種である私の妹を見せてやるよ」

 そう言いながら俺のカードを奪い去り勝手にケロナを召喚するのだった。
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