最弱の職業【弱体術師】となった俺は弱いと言う理由でクラスメイトに裏切られ大多数から笑われてしまったのでこの力を使いクラスメイトを見返します！

『ボードゲーマスターズ』④

「なぁ小日向」

「なんですか？　高坂先輩」

「最近の『ボードゲーマスターズ』の活動を見てどう思う？」

　俺の質問に彼女は愚問だというようにこう返してきた。

「それは勿論！　私達『ボードゲーマスターズ』の仕事は市民の皆さんの役に立ち、国家の力をあげる最高の職業だと考えていますよ！　私達の日本が息を吹き返したのも【覚醒者】誕生と同時期ですしね！」

　...。

　彼女のいうことは間違ってはいない。

　俺も死んだ日本を生きてきたからな。

　給料は上がらず、低賃金で労働し続ける母さんを見て幼いながらに心をすり減らしていた。

　それに結美以外はそんなに良い環境で育った者を知らないからな。

　底辺高校という事もあり、未来に絶望しか感じていなかった。

　しかし、今はまだ希望が増えてきたような気がする。

　ゲートから出てくる沢山のお宝は日本の経済力をかなり向上させた。

　元々貧弱な生産性しかなかった日本が巨大な元素材を手にした事により輸入に頼らなくても自立できた事が大きいだろう。

　最近ではゲートの中で生産職を営む者の噂も聞くしな。

　ゲート内の地価が無料なのもゲート内に工場を立てる事に拍車をかけているのだろう。

　土地に金がいらないのならその分を社員に還元できるからだ。

　最近になって一般労働者の給料も手取り20万を超え始めたらしく、このままいけば3年後には正社員全員が30万程度の稼ぎになるらしい。

　非正規でも20～25は貰えるようになるらしく、そこまでいけば流石に息を吹き返すと思えるようになってきたのである。

　俺たちの活躍が日本を救う。

　そう考えるとこのクソ辛い作業も頑張れなくはないのだった。