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黒い感情

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 それからさらに何日かが経過したが、俺の心は黒いままだ。

 毎日ネットでの書き込みが増える度に俺の中に黒い感情が渦巻いてくる。

『あ~あ! 英雄高坂和希って奴ま~だ家に篭ってるってさ! 民衆の大半を守れなかった癖に何が英雄だよ!」

『本当にな~! さっさと降格させて他の代理人立てろよな!』

『それに他の【覚醒者】も弱すぎ。全然侵攻者からの侵攻を食い止められなかったんだろ?』

『と言うか4天龍の時と東京決戦の時のはまぐれだったんじゃないか? 今回の死傷者その二つを合わせて3倍にしたよりも多いんだぞ? だから高坂和希は今まで運が良かっただけでもてはやされた実力無し野郎で確定』

『もうそいつのポケットマネーで町を復興させろよ。それが力を持った者の責任ってもんだ』

『普段から相当稼いでるんだろう? 最強の【覚醒者】(笑)だもんな! そんくらい出せ!」

『本当にな~。ちゃんと俺たち弱者にも支援して欲しいよな』

『強者は弱者を守る物。異論は認めん!』

「...好き放題言いやがって」

 そう思った俺はそのスレにこう書きこんだ。

『他人に責任を押し付けるなよ。少しは自分で考えてスレを立てろ』

『...あっ? なんだこいつ』

『冷めるわ~! こういう奴がいると冷めるわ~!』

『そうだよな。っていうかこいつ絶対【覚醒者】だろ! 上級国民である【覚醒者】様がこんな底辺スレになんのようで?』

『【覚醒者】が6チャンネルなんかに書き込むか? こいつは正義感振ってるエセ【覚醒者】で確定!』

『違いない!』

 そう返された俺はムキになってこう返信を返す。

『...少しはあの災害を目の前で体験した人たちのことを考えろよ。【覚醒者】の人たちは異世界からの侵攻を食い止める為に戦ったんだぞ?』

 普段の俺ならば「あっそ」で返せるのに、今回の俺はそうできなかったのだった。
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