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ネットの世界

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 ...。

 俺は数日間誰もいない家にこもっていた。

 もうこの家には真菜も母さんもいない...。

 妙に静かな空間に俺1人だけがいるみたいに感じる。

「俺の家ってこんなに静かで大きかったんだな...」

 五月蝿い使い魔達を今はドレイク城に待機させているのでこちらの世界にはやってこられない。

 時々スマホでネットの情報を見てみるのだが、そこには人間の黒い部分がたくさん映し出されていた。

『っていうか『ボードゲーマーズ』弱すぎ! 最強のチームだかなんだか知らないけど異世界からの侵攻全然止められてないじゃん!』

『それな! 日本最強のチームなんだったら無害で押しとどめろって感じ!!!』

『所詮最強ってもその程度って事だよな。今回の進行であの都市の機能停止寸前らしいぜ』

『マジかよ! 全く神様から貰った【覚醒者】としての力なんだから俺たち一般人の安全を保証して欲しいよな!』

「そうだよ! なんで無能力者の俺たちが毎日働いてやってるんだって話だよな! 【覚醒者】おあいつらがいい思いする為に底辺職があるんだから非常事態くらい命をかけて守れよな!』

「...はっ? お前らを守る為に真菜は...俺の妹は命を音したんだぞ...? 何様だこいつら。自分達は戦いもせずにネットで散々言いたい放題言いやがって...!」

 俺はこんな奴らの為に今まで【覚醒者】として戦っていたのかと思うと馬鹿らしくなってくるのだった。
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