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勇者会議④

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「では一度話を整理するぞ」

 石川の声に皆が反応する。

「最終目標は調停者から小鳥遊さんを引き剥がすこと。それにはまず戦力を整える事が必要だ。流石に僕達だけで今回のミッションを終えることは不可能だと言う事は頭に入れておいてくれ。そして小鳥遊さんの来訪には1番気をつけておく事。できれば用がない時は学校に皆でいた方がいい。どうしても動かないといけない時には僕に連絡を取ってから言ってくれ」

 簡単に言えば優樹を調停者から取り戻すのが1番の目標と言う事だな。

 その方がシンプルで分かりやすくていい。

 しかし、気になるところがある。

「石川」

「なんだ高坂?」

「お前はさっき調停者からの報酬としてその知識を得たと言ったな」

「ああ、それが何か問題か?」

「それ、本当に大丈夫か? 言うなれば敵から与えられた情報って事だろう? もしかしたら掌で踊らされているのはお前自身じゃないのか?」

 俺の言葉に佐藤が声を上げた。

「そうか!!! 危うく騙されるところだったぜ!」

(いや、佐藤よ。まだ石川が騙したと決まったわけじゃないんだが...)

 俺の返答に石川のやつは冷静に答える。

「それは大丈夫だ。僕は奴の報酬としてもう一つ、奴の干渉を受けないように言って置いたからな。僕は皆の為に自分の力を貸したいと願い、それを誰かに手伝ってもらう気は最初からないと彼女には言っておいた」

「...なるほど。つまりお前は調停者の報酬を貰いながら調停者の干渉を受けない人材として密かに動いていたと言いたいわけだな」

「ああ、今まで姿を見せなかったのもその為だ。まあ、流石にあの場面で高坂か愛川さんのどちらかにたおれられたらこっちも困るんでね。流石に助けたって訳だ」

(...一応話の筋は通っているな)

「分かった。石川。お前の作戦を信じよう」

「ありがとう。高坂」

俺が石川の案に乗ると佐藤も渋々乗ってくれた。

(調停者...か。このツケは必ず払わせてやるからな)
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