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本当の最終決戦③

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 俺は奴の攻撃を難なく躱し続ける。

「ぐっ!?」

「どうした? 俺はお前にデバフもかけていないぞ?」

「...そんなことは分かっている!」

 奴は優樹の得意技を何度も繰り返してくるが、それらは俺が更に前世や前世で何度も見続けてきた技達なのだ。

(大きい踏み込みからの正拳突き、フェイントからの回し蹴り、でたでた...よく優樹がやっていた威力抜群の裏拳)

 確かに優樹の身体能力は高い。

 それは認めよう。

 しかし、それらの技は俺にとっては見慣れた技の数々なのだ。

「どうした? 調停者? 来なよ」

「...なぜ私の行動が読める? お前の方が圧倒的にレベルも低いと言うのに...!」

 その言葉に俺はこう返す。

「まあな、確かにお前の方が俺よりも強いよ。だけどお前よりも優樹のことに関しては詳しいだけだな」

「...馬鹿な。私の方が優樹の体について詳しいはずだ! お前よりも長い期間この体を使い続けたんだぞ!?」

「...そう言うんじゃないんだよ。まあ言ってもお前には分からないだろうがな」

「...なに?」

 奴はなぜ俺に攻撃が当たらないのかを全く理解できていないようで困惑している。

 1人で戦い続けてきた奴では俺がなぜ優樹の攻撃を躱せるのか理解できないだろう。

 ただまあ、こちらからの攻撃もほとんどダメージにならないし、奴の回復魔力が高すぎてダメージを与えても瞬時に回復されるから勝負になっていないのは事実だ。

(...これどうすっかな)

 そう思っていると!

「和希...、準備OKだ」

 と前世のケロナが声を上げるのだった。
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