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不利対面

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「対戦よろしくお願いします」

「はいはい、さっさと始めようぜ」

 そう言いながら慣れた手つきでデッキをシャッフルする彼。

「...」

 私もデッキをシャッフルすると彼にデッキを渡した。

 これはお互いのデッキをカットアンドシャッフルすることによって不正を防ぐためのものです。

(豆知識※今はデッキを渡すのではなくシャッフルの後で4つの束に分けてから相手にどういう順番でデッキの上に置いていくのか選ばせる方法もあります。細菌対策の為ですね)

 お互いのデッキをシャッフルし終えた私はデッキを受け取りました。

 そしていつものスタート時の宣言の後ゲームが始まる。

 私のデッキは3ターンめまでがエネルギーチャージすることしかできません。

 その間に相手は使い魔を展開してきます。

「1コスト!魔法遊びの時間を使用、ガンバレマンを手札に! そして2ターンめ2コスト! ガンバレマン、3ターンめ3コスト! カネモチーン!」

 自身のお遊びモンスターのコストを1下げるガンバレマンに出た時に一枚ドローするカネモチーン。

 この2枚のおかげで相手のデッキがなんとなくわかりました。

(恐らく相手のデッキは無色お遊びモンスターデッキ)

 正直にいうと不利対面です。

「私のターン! 黒青緑のエネルギーを使い天災の勇者デトンを召喚! 効果でデッキノ上から3枚を見て一枚を手札に一枚を墓地に一枚をエネルギーゾーンに贈ります」

 私の行動を見た彼はニヤリと笑います。

「調子に乗りやがって...! その天災の勇者デトンはプロモカードのやつだろう? 1枚3万くらいするやつじゃねぇか! ...だが、エネルギーゾーンを見る限りお前のデッキは5色最終エンジュだろう? 残念だったな! 不利対面だ! カードのレアリティは腕には関係ねぇんだよ!」

 言われなくても分かっています。

 そして4ターンめやつが動きます。

「よし、お前のエネルギーゾーンに5色のカードが揃っているので自身効果で8コスト軽減!さらにガンバレマンの効果で1コスト軽減! それにより10コストの重量級ファイナルガンマスターを1コストで召喚!」

 きました! あのデッキの切り札! ファイナルガンマスター! 多色デッキ殺しの代表格です!

「こいつの効果は知ってるよな? 相手のエネルギーゾーンのカードの色の数だけコストを下げてでた時に相手プレイヤーに10点のダメージを与えるカード! 2枚あればここで終わったんだがな...、まあいい、20点を先に削った方の勝ちのゲームでこれは強力だぜ!」

 いきなり体力の半分を削られてしまいましたが、まあ良いでしょう。

(...それで勝ったと思わないでくださいね)

 私は不敵に笑いながら自分のターンにカードをプレイするのでした。

「エネルギーを置いて5コスト...【ドラゴン・サイン】超動」
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