なぜか異世界に幼女で転生してしまった私は、優秀な親の子供だったのですが!!

ルシェ(Twitter名はカイトGT)

文字の大きさ
87 / 361

雑用

しおりを挟む
「おいトウマ!洗濯が終わってねぇぞ!」

「すみません!、すぐにやります!」

 トウマが弟子になって数日、あいつは毎日真面目にきて雑用をこなしている。
 正直2日もすれば諦めると思っていたので思ってたよりはいい。
 どんなに怒ってもそれを受け止めて成長するこいつはどことなく俺に似ている気がする。

「トウマ!何やってんだ!そういう折り方じゃねぇんだよ!」

「すみません!手本をお願いします」

「ったく見てろよ...」

 俺は洗濯物の畳み方を彼に教える。
 その様子をじっと見て真似をするが失敗する彼を見て俺は笑う。

「そうじゃね~って!」

「すみません」

 もう何度このすみませんという単語を聞いただろうか、トウマにいろんな事をやらせて見たが殆どできることがない。
 掃除に洗濯、家事全般できていない。
 きっと家では親に全部やってもらっているのだろうが、ここではそんな事は許さない。
 自分のことは自分でやる、当たり前の事からまず教え込む。
 修行云々はその後だ。
 そう思っていると一週間ほどで大体の事は出来るようになった。
 家事を今までやらなかっただけで成長力は高かったのだ。
 紙が水を吸うように早く成長し家事全般をマスターした。

「よくやったトウマ!たった一週間で家事能力を身につけたな!これでもう怖いものはない、親に喜ばれるようこれからも精進しなさい」

「はいローシュさん!」

 そう言いながら彼が散歩ほど前に歩いて勢いよくこっちに振り向いてこう叫んだ。

「ってちがーう!!!」

「何は違うんだ?」

 彼は必死に抗議してくる。

「いや、俺は家事能力を身につけたかったわけじゃねぇんだよ!確かにこれから先役立つ能力だけどもそうじゃない!そうじゃないんだ!」

 俺はあえて分からないふりをする。
 さっさと帰って欲しいからだ。

「毎日学校が終わってから洗濯物を取り入れるの面倒だったろ?もうしなくていいだぜ、早く帰りな」

「いやだから...ああもうっ!」

 彼は一旦俺から離れて部屋を出た。

(今度こそ諦めたか...?)

 そう思うと胸がすっとする。
 そんな俺の部屋にドアを開く音が鳴り響いた。
 またあいつか?と思っていると妹が入って来たので態度を全力で変える。

「どうしたんだいカリン、に~にと遊びたいのか?」

「...」

 彼女は黙ったままこちらを凝視してくる。
 まるで何かを言いたそうな目だ。
 ようやく口を開いてくれた彼女の言葉はこうだった。

「に~に...なんでトウマに意地悪するの?」

「別に意地悪なんかしてないよ、俺はただあいつに訓練の一環としてだな...」

「嘘、に~には嘘を吐いてる、嘘をつくに~には嫌い」

 妹の軽蔑の目は俺の精神力をゴリゴリ剥ってくる。

「わかった...、ちゃんと教えるからそんな目で俺をみないでくれ...」

「だったら早く行く!」

 妹にこう言われてはどうしようもない。
 俺は渋々トウマの向いそうな場所を考える。

「もうちょっと基本の生活を教えてから錬成のことを教えるつもりだったんだけどな...まあいいか...」

 俺は静かにそう思いながら靴を履いてあの場所に向かった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

追放された荷物持ちですが、実は滅んだ竜族の末裔でした~のんびり暮らしたいのに、なぜかそうならない~

ソラリアル
ファンタジー
目が覚めたら、俺は孤児だった。 家族も、家も、居場所もない。 そんな俺を拾ってくれたのは、優しいSランク冒険者のパーティだった。 「荷物持ちでもいい、仲間になれ」 その言葉を信じて、俺は必死についていった。 だけど、自分には何もできないと思っていた。 それでも少しでも役に立ちたくて、夜な夜な一人で力を磨いた。 だけどある日、彼らは言った。 『ここからは危険だ。荷物持ちは、もう必要ない』 それは、俺の身を案じた「優しさ」からの判断だった。 俺も分かっていた。 だから、黙ってそれを受け入れ、静かにパーティを離れた。 「もう誰にも必要とされなくてもいい。一人で、穏やかに生きていこう」 そう思っていた。そのはずだった。 ――だけど。 ダンジョンの地下で出会った古代竜の魂と、 “様々な縁”が重なり、騒がしくなった。 「最強を目指すべくして生まれた存在」 「君と一緒に行かせてくれ。」 「……オリオンを辞めさせた、本当の理由を知っている」 穏やかなスローライフ生活を望んだはずなのに、 世界はまた、勝手に動き出してしまったらしい―― ◇小説家になろう・カクヨムでも同時連載中です◇

小さな貴族は色々最強!?

谷 優
ファンタジー
神様の手違いによって、別の世界の人間として生まれた清水 尊。 本来存在しない世界の異物を排除しようと見えざる者の手が働き、不運にも9歳という若さで息を引き取った。 神様はお詫びとして、記憶を持ったままの転生、そして加護を授けることを約束した。 その結果、異世界の貴族、侯爵家ウィリアム・ヴェスターとして生まれ変ることに。 転生先は優しい両親と、ちょっぴり愛の強い兄のいるとっても幸せな家庭であった。 魔法属性検査の日、ウィリアムは自分の属性に驚愕して__。 ウィリアムは、もふもふな友達と共に神様から貰った加護で皆を癒していく。

才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!

にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。 そう、ノエールは転生者だったのだ。 そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。

【完結】魔王様、今度も過保護すぎです!

綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢
ファンタジー
「お生まれになりました! お嬢様です!!」  長い紆余曲折を経て結ばれた魔王ルシファーは、魔王妃リリスが産んだ愛娘に夢中になっていく。子育ては二度目、余裕だと思ったのに予想外の事件ばかり起きて!?  シリアスなようでコメディな軽いドタバタ喜劇(?)です。  魔王夫妻のなれそめは【魔王様、溺愛しすぎです!】を頑張って読破してください(o´-ω-)o)ペコッ 【同時掲載】アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、小説家になろう ※2023/06/04  完結 ※2022/05/13  第10回ネット小説大賞、一次選考通過 ※2021/12/25  小説家になろう ハイファンタジー日間 56位 ※2021/12/24  エブリスタ トレンド1位 ※2021/12/24  アルファポリス HOT 71位 ※2021/12/24  連載開始

異世界でのんびり暮らしてみることにしました

松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。 https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/466596284/episode/5320962 https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/387029553/episode/10775138 https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/84576624/episode/5093144 https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/786307039/episode/2285646

捨てられ王女ですが、もふもふ達と力を合わせて最強の農業国家を作ってしまいました

夏見ナイ
ファンタジー
魔力ゼロの『雑草王女』アリシアは、聖女である妹に全てを奪われ、不毛の辺境へ追放された。しかし、彼女を慕う最強の騎士と、傷ついた伝説のもふもふとの出会いが運命を変える。 アリシアの力は魔力ではなく、生命を育む奇跡のスキル『万物育成』だった! もふもふ達の力を借り、不毛の大地は次々と奇跡の作物で溢れる緑豊かな楽園へと変わっていく。 やがて人々が集い、彼女を女王とする最強の農業国家が誕生。その頃、アリシアを捨てた祖国は自滅により深刻な食糧難に陥っていた――。 これは、優しき王女が愛する者たちと幸せを掴む、心温まる逆転建国ファンタジー。

貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ

ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます! 貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。 前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?

聖女様と間違って召喚された腐女子ですが、申し訳ないので仕事します!

碧桜
恋愛
私は花園美月。20歳。派遣期間が終わり無職となった日、馴染の古書店で顔面偏差値高スペックなイケメンに出会う。さらに、そこで美少女が穴に吸い込まれそうになっていたのを助けようとして、私は古書店のイケメンと共に穴に落ちてしまい、異世界へ―。実は、聖女様として召喚されようとしてた美少女の代わりに、地味でオタクな私が間違って来てしまった! 落ちたその先の世界で出会ったのは、私の推しキャラと見た目だけそっくりな王(仮)や美貌の側近、そして古書店から一緒に穴に落ちたイケメンの彼は、騎士様だった。3人ともすごい美形なのに、みな癖強すぎ難ありなイケメンばかり。 オタクで人見知りしてしまう私だけど、元の世界へ戻れるまで2週間、タダでお世話になるのは申し訳ないから、お城でメイドさんをすることにした。平和にお給料分の仕事をして、異世界観光して、2週間後自分の家へ帰るつもりだったのに、ドラゴンや悪い魔法使いとか出てきて、異能を使うイケメンの彼らとともに戦うはめに。聖女様の召喚の邪魔をしてしまったので、美少女ではありませんが、地味で腐女子ですが出来る限り、精一杯頑張ります。 ついでに無愛想で苦手と思っていた彼は、なかなかいい奴だったみたい。これは、恋など始まってしまう予感でしょうか!? *カクヨムにて先に連載しているものを加筆・修正をおこなって掲載しております

処理中です...