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脱出不可能なラビリンス

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(ここも...ここもダメか...)

 大体の出口はしらみ潰しに当たって見たが、やはりどこにも障壁が貼ってあり脱出は不可能だった。
 相変わらず一定のスピードでピタリとついてくる彼女がだんだんと恐ろしくなってきた。

「くそっ...ついてくるな!」

 わざとに小さい隙間に入り込み彼女を誘う。

「あらあら...そんな所に隠れて...、狙い打ちにされたい様ですね」

 彼女はそういうと魔法弾を何発か私の隠れている壁に向かって放ってくる。

(まずいな...、このままじゃ確実にやられる...)

 ここまで届くのも時間の問題だ...。
 そう思った時、隙間の奥がどこかに繋がっていることに気がついた私はそっちへ向かって見る。
 数分間に渡る彼女の攻撃により、私の隠れていた場所は綺麗サッパリ無くなっていた。
 それにより隙間奥に新たな通路がある事に気がついた彼女がそこに近づいて確認し始めた。

「これは...、まさか例の場所に繋がっている!?」

 そこの隙間から見えるのは水路らしき場所だった。
 どうやらさらに奥地がある様だ。

 ~隠し水路~

 激しい濁流に飲まれながらさらに地下へと落ちていく私。
 余計に出口から離れてしまったが生き延びる為なので仕方がない。
 ようやく水路の終わりにたどり着き陸に上がる。
 息も絶え絶えの中私はバッタリと倒れて身を休めていた。
 その時、右手に木の破片の様なものが刺さっているのが見えたので異物を引っこ抜くと、血がドクドクと溢れ出してきた。

(くそっ...、ちょっと右手に怪我しちまった...、回復魔法が使えりゃどうとでもなるけど、今は魔力を温存しないとな...)

 私はアイテム欄からキズ薬を取り出して怪我をした部分に塗りたくる。
 キズ口が染みるのでとても痛いが我慢するしかない。
 包帯を巻いて応急処置を施したが、右手に力が入らないところを見るにしばらく休養が必要だろう。
 利き手をやられたのは痛いが、怪我をした部分が足でなくて本当に良かった。
 足を遣られていた場合即ゲームオーバー、ここでの垂れ死にするのを待つしかなかっただろう。
 こんな状況になると思い出すのは仲間のいる強みだ。

「皆元気にしてるかな...、なんて!今は考えてる場合じゃないよね!」

 顔をパンっと叩いてやる気をだす。

「さてと!、ここでじっとしてたらいつあいつが来るか分からないし、とりあえず奥に行ってみようかな、もしかしたら秘密の出入り口とかあるかもしれないしね」

 とりあえず+思考で物事を考えるのは私の基本である。
 +に考えていると本当にそういう風な風向きが現れる様な気分になるのでオススメだ。

(大丈夫、あいつに会わずにここから出られる方法が絶対にあるはずだから...)
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