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やるわね...、あれが剣聖...
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私はアジトにテレポートで逃げました。
「やるわね...、あれが現役剣聖の実力といった所かしら...」
亡者達の消耗具合を見る限りでは、やはりフォロスの破邪の剣は効果てきめんだったと言えるだろう。
だが...、剣聖の技があれで終わりだとは思えない。
あれくらいであれば恐らく魔神様には敵わないだろうからである。
史実に基づく魔神の力は偉大であり絶対だ。
それを剣聖フォロスは何分間も足止めしたとある。
私が上から目線で語るのもあれだが、剣聖がいくら奮闘したとしても魔神様に勝てる見込みなどないと言えよう。
「もう少し私に力があったのであれば、彼の奥の手を見れたというのにね」
そう思うと少しやる気が無くなってしまう。
彼への対策を考えているとゴウの奴に声をかけられた。
「ミライ...、帰って来ていたのか」
「ええ、ちょっと町まで様子を見にね」
「...、あまり派手に動くなよ、ここがバレたらやばいからな」
「分かってる、ちょっと剣聖の息子をからかっていただけよ」
彼はそれを聞くとハァっとため息を零した。
「お前はいつも無茶をする...、いくらお前の魔術の腕前が本物だと言っても賢聖には及ばないのだという事は肝に命じておけ」
「...わかってるわ」
悔しいけど彼の言っている事は本当である。
私がこれから先なん10年と修行を重ねたとしても彼女に追いつける事はないだろう。
私は彼女の対しある意味の憧れを抱いている。
魔術師としては彼女のことを認めているため、私は彼女のことをエルカ様と呼ぶのだ。
だが、輪廻教徒としてはそれは間違っているということもまた事実。
私はため息を吐きながら外を見上げる。
(もし彼女と同士であれたのであれば、私の師匠となっていたのは魔女様ではなくエルカ様でしょうね...)
そう思うと少し笑みが零れた。
「ミライ...、後悔しているのか?」
「何を今更...、いい?私たちは魔女様について行く道を選んだ、それに嘘偽りはない」
「だが、今の笑顔...、少し寂しそうだったぞ...」
「...、過ぎ去った過去は今更戻らない、ならば前に進むしかないでしょう?、全てを忘れて生きていく道もあったというのに、貴方もエリサも巻き混んでしまったのだから今更私が退くことはできないわ」
「ミライ...」
物悲しそうな表情を浮かべる彼の肩を叩いて私は微笑んだ。
「大丈夫、魔神様さえ復活すれば私達にも勝ち目はある、その前に魔女様が囚われているあの箱を一度見ておきたいわね」
「毎年クティル王国祭の最終日にのみ民衆に見せると言われている“悠久の箱”というやつのことか」
「ええ、私たちの主人はそこに閉じ込められてもう7年になるの、まだまだ私たちに実力がないとはいえできるだけ早く助けてあげないとね」
私は彼に笑顔を向けながら自身の目的を告げた。
彼は元々ただの傭兵だった。
元は金目的とは言え、我ら魔女教徒の為にその魔術を行使した同士である。
最終的に金を払いそびれてしまっているが、私がクティル王国をこの手に収めた時には彼に精一杯の褒賞を与えるつもりだ。
「いつもごめんなさいね...、いつか未払いのお金は払うから...」
私がそう呟くと彼は密かに呟く。
「金はいい...、ただお前の横で仕事をさせてくれさえすればな...」
私はその言葉を聞くとおかしくなって笑っていた。
「ふふっ...、出会った時から変わらないおかしい人...」
「フッ...君もな...」
彼はそれだけ言うと魔神様の警護に戻る。
その後ろ姿を見た私は、彼の背中がなぜか大きく見えるのだった。
「やるわね...、あれが現役剣聖の実力といった所かしら...」
亡者達の消耗具合を見る限りでは、やはりフォロスの破邪の剣は効果てきめんだったと言えるだろう。
だが...、剣聖の技があれで終わりだとは思えない。
あれくらいであれば恐らく魔神様には敵わないだろうからである。
史実に基づく魔神の力は偉大であり絶対だ。
それを剣聖フォロスは何分間も足止めしたとある。
私が上から目線で語るのもあれだが、剣聖がいくら奮闘したとしても魔神様に勝てる見込みなどないと言えよう。
「もう少し私に力があったのであれば、彼の奥の手を見れたというのにね」
そう思うと少しやる気が無くなってしまう。
彼への対策を考えているとゴウの奴に声をかけられた。
「ミライ...、帰って来ていたのか」
「ええ、ちょっと町まで様子を見にね」
「...、あまり派手に動くなよ、ここがバレたらやばいからな」
「分かってる、ちょっと剣聖の息子をからかっていただけよ」
彼はそれを聞くとハァっとため息を零した。
「お前はいつも無茶をする...、いくらお前の魔術の腕前が本物だと言っても賢聖には及ばないのだという事は肝に命じておけ」
「...わかってるわ」
悔しいけど彼の言っている事は本当である。
私がこれから先なん10年と修行を重ねたとしても彼女に追いつける事はないだろう。
私は彼女の対しある意味の憧れを抱いている。
魔術師としては彼女のことを認めているため、私は彼女のことをエルカ様と呼ぶのだ。
だが、輪廻教徒としてはそれは間違っているということもまた事実。
私はため息を吐きながら外を見上げる。
(もし彼女と同士であれたのであれば、私の師匠となっていたのは魔女様ではなくエルカ様でしょうね...)
そう思うと少し笑みが零れた。
「ミライ...、後悔しているのか?」
「何を今更...、いい?私たちは魔女様について行く道を選んだ、それに嘘偽りはない」
「だが、今の笑顔...、少し寂しそうだったぞ...」
「...、過ぎ去った過去は今更戻らない、ならば前に進むしかないでしょう?、全てを忘れて生きていく道もあったというのに、貴方もエリサも巻き混んでしまったのだから今更私が退くことはできないわ」
「ミライ...」
物悲しそうな表情を浮かべる彼の肩を叩いて私は微笑んだ。
「大丈夫、魔神様さえ復活すれば私達にも勝ち目はある、その前に魔女様が囚われているあの箱を一度見ておきたいわね」
「毎年クティル王国祭の最終日にのみ民衆に見せると言われている“悠久の箱”というやつのことか」
「ええ、私たちの主人はそこに閉じ込められてもう7年になるの、まだまだ私たちに実力がないとはいえできるだけ早く助けてあげないとね」
私は彼に笑顔を向けながら自身の目的を告げた。
彼は元々ただの傭兵だった。
元は金目的とは言え、我ら魔女教徒の為にその魔術を行使した同士である。
最終的に金を払いそびれてしまっているが、私がクティル王国をこの手に収めた時には彼に精一杯の褒賞を与えるつもりだ。
「いつもごめんなさいね...、いつか未払いのお金は払うから...」
私がそう呟くと彼は密かに呟く。
「金はいい...、ただお前の横で仕事をさせてくれさえすればな...」
私はその言葉を聞くとおかしくなって笑っていた。
「ふふっ...、出会った時から変わらないおかしい人...」
「フッ...君もな...」
彼はそれだけ言うと魔神様の警護に戻る。
その後ろ姿を見た私は、彼の背中がなぜか大きく見えるのだった。
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