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飛翔!空へ!!
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~クティル城中庭~
「さあ!今日から二日間、私達は王様とパニラ様の警護につきまーす!」
朝からテンションが高い母さんを見ていると少し落ち着きます。
「エルカ...、いつも思うがそのテンションはどうにかならないか?、今から重要な仕事に取り掛かる者の姿とは思えないのだが...」
「もうっ!貴方ったら、こう言う仕事だからこそ肩の力を抜いて取り掛かった方がいいのよ!」
「...、そう言う物か?」
「そう言う物よ!」
母さんのサバサバした態度は嫌いではありませんが、大事な事は真剣に取り組みたい派の私にとってはちょっと力を抜きすぎだと思えます。
「母さんはいつも通りだな!、カリンは俺の横にいればいいから安心していいぜ」
「お兄ちゃん...、ありがとう!」
一応お礼は言っておきますが、私の仕事はパニラ様の相手なので多分護衛とは形ばかりになるでしょう。
そう思うと気が楽なのですが、あくまで“護衛”であると言う事は頭の片隅に入れておきます。
そう考えていると、母さんが辺りをキョロキョロ見回していたので気になり聞いて見ました。
「母さん、さっきから辺りを見回してどうしたの?」
「カリンちゃん...、実は姉さんがまだ来てないのよ、姉さんが遅刻するなんてないと思ってはいるんだけどね」
少し心配そうな表情をしてましたが、突然辺りに粉雪が吹き荒れ、その中心地にプラム先生が立っていました。
「エルカ...、私が遅刻するなんて冗談でも言わないでよ」
「姉さん!、だってぇ~心配したんですもん!」
母さんの余りにも子どっぽい口調を聞いたプラム先生は、はあっとため息を吐いてこう呟きました。
「あんたそういうガキっぽい口癖治した方がいいわよ、もう子供じゃないんだから」
「ガキっぽいって...、私はもう大人です!、ねぇ~カリンちゃ~ん」
「え...、ああ...うん...」
質問の返答に困る。
私自身、母さんは子供っぽいな~っと思っている為、一概にプラム先生の意見を否定しきれないのです。
何とかその事を誤魔化しているうちに、王様とパニラ様が私達の前に現れました。
「カリンちゃん!久しぶり!」
(...、久しぶり?最近あったような...、ああ...建前上そう言ってるだけかな?)
そう思い込み彼女に話を合わせます。
「久しぶり!パニラちゃん!」
「ほっほっほっ...、仲が良いようで結構結構、ところでレインの奴はまだ来とらんのかのう?」
今度は王様の方が辺りを見回し始めた瞬間。
「おう!遅れたが今来たぞ!」
体格のいい黒髪の男が私たちの前に現れました。
「おおっ!、これで全員揃ったな!、ではいざ行かん!、皆の衆!あの馬車に乗り込むのじゃ!」
王様が指差した方向にはとんでもない物が設置されていました。
(えっ!?、あれ馬車って言う!?)
いや、たしかに馬車といっても差し支えないと思えますけど、あり得ないのはその大きさです。
まるで私達の家くらいの大きさはあり、どうやって動かすのか見当がつきませんでした。
「さあさあ入ってくだされ」
王様や皆はさも当然のように入っていきますが、私は空いた口が塞がらないくらいには驚きで心が満ちています。
そんな私の手を握ってパニラは言いました。
「どうしたのカリンちゃん、早く行こっ!」
何処と無く嬉しそうな表情を見せる彼女に連れられて馬車(?)の中に入ると、やはり私の家とそこまで大きさが変わりません。
(こんな物をどうやって動かすのだろうか?)
私はそちらの方に興味が行ってしまい、窓から外を見ていると、いつぞやの天馬に乗った兵士達が瞳に移った時に何となく察しました。
(これってもしかして...)
「各員飛翔!!」
外から聞こえてくる兵士達の声がこちらまで聞こえ来た瞬間!、ふわりと浮かび上がるような浮遊感と共に家が空中に飛び立ったのです!。
「やっぱり!!、これは家を天馬で浮かして運ぶ馬車(?)なんだ!」
以前にも話したと思いますが、私は空を自由に飛ぶのがある種の夢なので、こう言う経験は何度でも味わっておきたいのです。
興奮したままバルコニーに出ると、もうクティル城が小さく見えるほど飛翔していました。
「...凄い!、地上の物がみんなちっちゃく見える!」
これだけ高く飛んでいれば当たり前のことですが、なんとも言えない感動を感じてしまう私は、ここからじっくりとしばらくの間地上を見下ろしていました。
「さあ!今日から二日間、私達は王様とパニラ様の警護につきまーす!」
朝からテンションが高い母さんを見ていると少し落ち着きます。
「エルカ...、いつも思うがそのテンションはどうにかならないか?、今から重要な仕事に取り掛かる者の姿とは思えないのだが...」
「もうっ!貴方ったら、こう言う仕事だからこそ肩の力を抜いて取り掛かった方がいいのよ!」
「...、そう言う物か?」
「そう言う物よ!」
母さんのサバサバした態度は嫌いではありませんが、大事な事は真剣に取り組みたい派の私にとってはちょっと力を抜きすぎだと思えます。
「母さんはいつも通りだな!、カリンは俺の横にいればいいから安心していいぜ」
「お兄ちゃん...、ありがとう!」
一応お礼は言っておきますが、私の仕事はパニラ様の相手なので多分護衛とは形ばかりになるでしょう。
そう思うと気が楽なのですが、あくまで“護衛”であると言う事は頭の片隅に入れておきます。
そう考えていると、母さんが辺りをキョロキョロ見回していたので気になり聞いて見ました。
「母さん、さっきから辺りを見回してどうしたの?」
「カリンちゃん...、実は姉さんがまだ来てないのよ、姉さんが遅刻するなんてないと思ってはいるんだけどね」
少し心配そうな表情をしてましたが、突然辺りに粉雪が吹き荒れ、その中心地にプラム先生が立っていました。
「エルカ...、私が遅刻するなんて冗談でも言わないでよ」
「姉さん!、だってぇ~心配したんですもん!」
母さんの余りにも子どっぽい口調を聞いたプラム先生は、はあっとため息を吐いてこう呟きました。
「あんたそういうガキっぽい口癖治した方がいいわよ、もう子供じゃないんだから」
「ガキっぽいって...、私はもう大人です!、ねぇ~カリンちゃ~ん」
「え...、ああ...うん...」
質問の返答に困る。
私自身、母さんは子供っぽいな~っと思っている為、一概にプラム先生の意見を否定しきれないのです。
何とかその事を誤魔化しているうちに、王様とパニラ様が私達の前に現れました。
「カリンちゃん!久しぶり!」
(...、久しぶり?最近あったような...、ああ...建前上そう言ってるだけかな?)
そう思い込み彼女に話を合わせます。
「久しぶり!パニラちゃん!」
「ほっほっほっ...、仲が良いようで結構結構、ところでレインの奴はまだ来とらんのかのう?」
今度は王様の方が辺りを見回し始めた瞬間。
「おう!遅れたが今来たぞ!」
体格のいい黒髪の男が私たちの前に現れました。
「おおっ!、これで全員揃ったな!、ではいざ行かん!、皆の衆!あの馬車に乗り込むのじゃ!」
王様が指差した方向にはとんでもない物が設置されていました。
(えっ!?、あれ馬車って言う!?)
いや、たしかに馬車といっても差し支えないと思えますけど、あり得ないのはその大きさです。
まるで私達の家くらいの大きさはあり、どうやって動かすのか見当がつきませんでした。
「さあさあ入ってくだされ」
王様や皆はさも当然のように入っていきますが、私は空いた口が塞がらないくらいには驚きで心が満ちています。
そんな私の手を握ってパニラは言いました。
「どうしたのカリンちゃん、早く行こっ!」
何処と無く嬉しそうな表情を見せる彼女に連れられて馬車(?)の中に入ると、やはり私の家とそこまで大きさが変わりません。
(こんな物をどうやって動かすのだろうか?)
私はそちらの方に興味が行ってしまい、窓から外を見ていると、いつぞやの天馬に乗った兵士達が瞳に移った時に何となく察しました。
(これってもしかして...)
「各員飛翔!!」
外から聞こえてくる兵士達の声がこちらまで聞こえ来た瞬間!、ふわりと浮かび上がるような浮遊感と共に家が空中に飛び立ったのです!。
「やっぱり!!、これは家を天馬で浮かして運ぶ馬車(?)なんだ!」
以前にも話したと思いますが、私は空を自由に飛ぶのがある種の夢なので、こう言う経験は何度でも味わっておきたいのです。
興奮したままバルコニーに出ると、もうクティル城が小さく見えるほど飛翔していました。
「...凄い!、地上の物がみんなちっちゃく見える!」
これだけ高く飛んでいれば当たり前のことですが、なんとも言えない感動を感じてしまう私は、ここからじっくりとしばらくの間地上を見下ろしていました。
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