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夏休み③

「◯◯なんか死んじゃえ...」

 そんな声が聞こえた気がする...。

 俺が目覚めると母さんが優樹に人工呼吸をしている真っ最中だった。

「優樹ちゃん! 起きて!!」

 そう叫びながら何度も頬を叩く母さんの必死そうな表情に俺は自分が何をしたのか思い出して気が滅入った。

「俺の...せいか?」

 そう呟く俺に◯◯が優しく背中から抱きしめてきた。

「カズ君のせいじゃないよ? これはただの事故。 もしも優樹ちゃんが死んじゃったとしてもカズ君は悪くない。私がカズ君の全てを全肯定するから安心して」

 彼女に甘言を耳元で囁かれても何も嬉しくなどない。

「そう言う訳にはいかないだろ! ああもうっ! 俺は何であんな深いとこまで泳ぎにいったんだ! 俺の馬鹿っ! アホっ! マヌケ!」

 自分を否定する言葉を何度も投げかけるが全く心は晴れない。

 そうだ、自分で自分を責めたって自責の念を晴らせる訳がないでのだ。

 これを晴らすには...。

(優樹自身に思いっきり振ってもらうしかない!)

「おいっ! 優樹! 起きろ! お前はそんなもんでくたばる奴じゃないだろ!」

 彼女の耳元で必死に叫ぶ俺。

「生きろ! 優樹! お前はまだこんな所で死ぬ奴じゃない!!!」

 たとえ自分のせいで彼女が死にかけているとは言え、応援しない訳にはいかないだろう。

 俺の声が届いたのか優樹の口元から海水がこぼれた。

「うっ...! 和希...?」

「優樹!!!」

 俺は彼女が目を覚ました時に思わず涙を流すほど喜んだ。

 そのまま思わず母さんの前だと言うのに彼女を抱きしめてしまった。

「良かった...。俺のせいで優樹は死ぬかと思った...」

 彼女の声の音を聞いた俺は安心して彼女の体温を確かめる...。

「ちょっ...! 和希! 恥ずかしいからやめて!」

 そう言われた俺はようやく我に帰る。

「あ...ああ! 悪かった」

 赤面している彼女を見ていた俺は思わず自分まで赤面してしまったが、この後母さんにこっぴどく叱られたのは言うまでもないだろう。

 しかし、なぜかこの時◯◯の表情は少々暗く感じたのは俺だけだろうか?

 いや、まあ俺の精神状況もだいぶおかしかったから見間違えるのも仕方ないか...。

 そんなこんなでその後はちゃんとBBQをして苦い思い出とセットではあるが、楽しく帰る事に成功したのでした。
感想 58

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