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【弱体の魔王】⑧

「優樹! 大丈夫か!?」

「和希...?」

「無理はするな! そこで休んでろ!」

 そう言いながら彼女が愛川を見ると歯をガチガチと鳴らして顔を絶望色に変える。

(こんなに暗い優樹の顔は初めて見た!)

 産まれてこの方、優樹がここまで絶望した顔を見たことがなかった俺は驚いた。

 それと同時に俺が彼女を守らなくてはならないと言う気持ちが膨れ上がる。

 そう思った俺は怖いのを我慢しながら彼女に笑いかけた。

「優樹、怖いか?」

「和希?」

「俺も怖い。正直言って愛川の強さは想像の10倍以上強い。だけどな」

 俺は優樹を背にしてこう叫んだ。

「お前のそんな顔を見てると逃げる訳には行かないだろ? だから...さ。お前にそんな顔をさせるような奴は俺がぶっ倒してやる!!!」

 そんな俺の心に呼応したのかメニュー画面が開いた。

『EXスキル【勇者の心】を再習得しました』

(【勇者の心】? それに再習得って...)

 俺は鼻で笑う。

(こんな土壇場で習得したスキルが【勇者の心】とはな)

 俺に最も似つかわしくないEXスキルを取得した事に笑いが込み上げてくるのだ。

 俺は狂ったように笑いながら魔力回復薬を飲みほしながら奴にデバフをかけ続ける!!!

 何度も何度も....。

 MPが0になる度に俺は魔力を回復させる。

 自身の魔力の器が膨張している事に気が付かずに、俺は優樹の為に無茶な魔法の扱い方を実践しているのでした...。
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