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白い追憶 野乃花のケース
特別だった今日という日
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久々の登校で思いっきり恥を晒した私は、傷心もそのままに授業を受けた。
これまた久々の授業に私は全然ついていけ……ない事もなかった。入院中に自分で勉強し終えていた内容だったので、実際あまり苦にはならなかったのだった。
一方幸世の方は…早々に理解するのを諦めてすやすやと眠っていた。もったいないなぁ。学校で勉強出来るのは貴重な事なのに。幸世にとってはそれが当たり前なんだから、しょうがないか。
授業の合間の休み時間にはクラスメイト達の質問攻めに会い、ほとんど休まる時はなかったけれど、それでも構わなかった。皆と同じ時間を、同じ場所で過ごせる。ただそれだけの事が、私にとっては大切だった。
◇
そして、放課後。
「でもね、その子全然喋ってくれなくて」
「 へぇ~。その子、名前はなんていうの?」
「それも教えてくれなかったから、勝手にシロちゃんって呼んでるの」
「シロちゃん! 可愛い~!」
私は、皆と他愛もない会話をして過ごしていた。クラスメイト達とは、まるで今までもずっと一緒にいたかのような距離感で話が出来ている気がする。このまま、このまま時間が止まればいいのに。そしたら、皆とずっと一緒にいられるのに。
そんな事を考えていると、隣にいた幸世がある提案を持ちかけてきた。
「ねぇ野乃花! これからあそこに行こうよ!」
「あそこ?」
「ほら、この前話した、新しくできた喫茶店!」
幸世の提案に、クラスメイトの皆も次々に乗ってきた。
「おお~いいじゃん! 行こうよ野乃花!」
「あそこ、ケーキが美味しいよ!」
「私のおすすめ、教えてあげるね」
わいわいと盛り上がる皆を見ると、私もついつい浮かれてしまう。これこそ、私が思い焦がれていた日々だ。病院で一人閉じこもっている時とは違う。やっぱり、学校っていいなぁ。
「よし! それじゃあ行こう!」
「「「おーー!」」」
幸世を先頭に、皆が教室を出る準備をする。勿論、私もその流れに乗って片付けを進める。机の中に入ってる教科書を鞄にしまって………あ、あれ?
ドサドサドサドサ!!
私の手から教科書が滑り落ち、床に散らばった。クラスメイト達が不思議そうな顔をしてこちらを見ている。おかしい。今、一瞬視界が歪んだような...。
「野乃花、大丈夫? 拾ってあげるね」
「意外とそそっかしいな、野乃花は」
皆が教科書を拾い上げて私に手渡してくれる。それを受け取る時には、特に異常は感じられなかった。気のせい? うん、きっとそうだ。間違いない。自分にそう言い聞かせる。
一足先に準備を済ませた皆は、教室の入口で私を待ってくれている。みんなを待たせてる。急がなきゃ。少しでも長く、この夢のような時間を過ごせるように。せっせせっせと片付けを済ませると、勢いよく立ち上がってみんなの元へと走った。
そうして、私の刺激的な一日は閃光のように過ぎ去っていった。本当に、本当に楽しかった。今までの人生でも一、二を争うくらいだったと思う。母に連絡するのをすっかり忘れてて、後でこっぴどく叱られたけれど、それでも良かった。
皆にとってはいつもと変わらない日常。けど私にとっては特別だった今日という日の事を、大切に大切に胸の中にしまいこんだ。
これまた久々の授業に私は全然ついていけ……ない事もなかった。入院中に自分で勉強し終えていた内容だったので、実際あまり苦にはならなかったのだった。
一方幸世の方は…早々に理解するのを諦めてすやすやと眠っていた。もったいないなぁ。学校で勉強出来るのは貴重な事なのに。幸世にとってはそれが当たり前なんだから、しょうがないか。
授業の合間の休み時間にはクラスメイト達の質問攻めに会い、ほとんど休まる時はなかったけれど、それでも構わなかった。皆と同じ時間を、同じ場所で過ごせる。ただそれだけの事が、私にとっては大切だった。
◇
そして、放課後。
「でもね、その子全然喋ってくれなくて」
「 へぇ~。その子、名前はなんていうの?」
「それも教えてくれなかったから、勝手にシロちゃんって呼んでるの」
「シロちゃん! 可愛い~!」
私は、皆と他愛もない会話をして過ごしていた。クラスメイト達とは、まるで今までもずっと一緒にいたかのような距離感で話が出来ている気がする。このまま、このまま時間が止まればいいのに。そしたら、皆とずっと一緒にいられるのに。
そんな事を考えていると、隣にいた幸世がある提案を持ちかけてきた。
「ねぇ野乃花! これからあそこに行こうよ!」
「あそこ?」
「ほら、この前話した、新しくできた喫茶店!」
幸世の提案に、クラスメイトの皆も次々に乗ってきた。
「おお~いいじゃん! 行こうよ野乃花!」
「あそこ、ケーキが美味しいよ!」
「私のおすすめ、教えてあげるね」
わいわいと盛り上がる皆を見ると、私もついつい浮かれてしまう。これこそ、私が思い焦がれていた日々だ。病院で一人閉じこもっている時とは違う。やっぱり、学校っていいなぁ。
「よし! それじゃあ行こう!」
「「「おーー!」」」
幸世を先頭に、皆が教室を出る準備をする。勿論、私もその流れに乗って片付けを進める。机の中に入ってる教科書を鞄にしまって………あ、あれ?
ドサドサドサドサ!!
私の手から教科書が滑り落ち、床に散らばった。クラスメイト達が不思議そうな顔をしてこちらを見ている。おかしい。今、一瞬視界が歪んだような...。
「野乃花、大丈夫? 拾ってあげるね」
「意外とそそっかしいな、野乃花は」
皆が教科書を拾い上げて私に手渡してくれる。それを受け取る時には、特に異常は感じられなかった。気のせい? うん、きっとそうだ。間違いない。自分にそう言い聞かせる。
一足先に準備を済ませた皆は、教室の入口で私を待ってくれている。みんなを待たせてる。急がなきゃ。少しでも長く、この夢のような時間を過ごせるように。せっせせっせと片付けを済ませると、勢いよく立ち上がってみんなの元へと走った。
そうして、私の刺激的な一日は閃光のように過ぎ去っていった。本当に、本当に楽しかった。今までの人生でも一、二を争うくらいだったと思う。母に連絡するのをすっかり忘れてて、後でこっぴどく叱られたけれど、それでも良かった。
皆にとってはいつもと変わらない日常。けど私にとっては特別だった今日という日の事を、大切に大切に胸の中にしまいこんだ。
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