Ultima Dei

VARAK

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プロローグ

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 神々の大戦。
 あらゆる神が参戦し、空の上で繰り広げた大戦。
 その大戦は約二百年間続き、人間達は、その二百年間の間はあらゆる災害に次々と見舞われ、その間に死んだ人間は、約20億人と黙示には記されている。
 大戦ではまず最初に低級の神から犠牲になっていき、最初の百年で、神の約三分の二が死んだ。
 残った神――十二神達は、最早手加減などなしで戦い続けた。
 最初に死んだのは“デメテル”大地と豊穣の女神であった。デメテルを殺したのはゼウスの息子“アポロン”最初は、
ゼウスの息子として、皆恐れたが、その後すぐにポセイドンによって暗殺される。
 その後も、次々と神は死んでいく。
 海の神“ポセイドン”を最高神“ゼウス”が。
 狩猟の女神“アルテミス”を戦の神“アレス”が。
 炎の神“へパイトス”を戦の女神“アテネ”が。
 炉の女神“ヘスティア”を愛と美の女神“アフロディテ”が。
 戦の女神“アテネ”を戦の神“アレス”が。
 ゼウスの妻“ヘラ”を愛と美の女神“アフロディテ”が。
 夢と眠りの神“ヘルメス”を愛と美の女神“アフロディテ”が。
 そのアフロディテを最高神“ゼウス”が。
 ――そして、最後の決戦。
 最後に残ったのは、戦の神“アレス”と、最高神“ゼウス”
 二柱は、お互いの出せる限りの力を持って戦った。その戦いは、この大戦の中で最も大きな戦いだったと言っても過言ではなかった。天界の全域を戦場としたその戦いは四十年の間、休まることもなく続いた。
 もちろんだが、その間の人界は酷いものだった。
 大地は裂け、津波が起こり、空が晴れることはなく、毎日嵐が続き、天から落ちる雷や炎による大火事など日常茶飯事のようだった。
 そして、四十年後ようやくその戦いは終わった。
 勝ったのは、戦の神“アレス”だった。
 自分も死にかけながらもなんとか最高神“ゼウス”を倒した戦の神“アレス”は結果的に最後の神となった。
 しかし、天界は崩壊し、自分以外の神は皆死に、彼にとっての師匠的存在だったゼウスもいなくなったのでは、なんの意味もなかった。
 この大戦で人間の三分の二が死に、残った人間も生きることに精一杯で、神のことを考える者はほとんどいなかった。
 それを見たアレスは自分に問う。
 ――信仰されぬ神に、何の意味がある?
 ――人間達の死に何の意味があった?
 ――この大戦に何の意味があった?
 ――他の神達が死んでいったことに、何の意味があった?
 答えの出ない疑問を考えていく内に彼の精神は徐々に壊れていった。
 神は自分以外いなくなった。自分は世界の統治なんてできない。それなのに、人界では人間達が生きている。
 今まで信じて疑わなかった己の存在意義を見失った彼は、大戦から二百年が経った頃は最早崩壊寸前だった。
 何も考えず彼は人界に降りる。何か、自分の存在意義を見つけるために。
 
 
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