俺が悪役令嬢だった件

知花虹花

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そのはち

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 お茶会は優雅に始まった。

 今日招待してくれたご令嬢はとってもグルメらしい。

 しかも珍しいものが好きらしい。

 珍しいもの、のコレクターみたいだ。

 オタク気質かもな。

 侮るなかれ。

 今まで参加したどのお茶会よりも素敵だった。

 某有名ホテルのアフタヌーンティーのように段々になっている素敵なお皿の上にはおいしそうなサンドイッチや色んな色のケーキ、俺の大好きなスコーンもある。

 添えられたクリームもジャムも沢山種類があるようで、俺がみたこともないような色のジャムがところ狭しと置いてある。

 だが、大問題として、俺はコルセットぎゅうぎゅうにされたお陰で目の前のお茶すら入らなそうだ。

 なんでもあの肉、山盛り皿事件?は結構噂にはなったらしい。

 どこかのご令嬢が大量に肉を持ち運んではしたないって。

 まあ、俺なんだけど。

 今はそれを上回る噂があるので、無事、肉、山盛り事件はうやむやになった。

 なぜなら・・・

 それに変わったのがイザベラ妖精説。(笑)

 そもそも、肉、山盛り事件はさすがに令嬢っぽくないとイザベラの両親にこってり叱られたので少し反省してコルセットも黙って締め付けられてた。

 そうしたら思った以上に括れてしまった。

 ベルは俺の括れをを生あたたかい目でみてる。

 ベルは食堂に出入りしてるせいで太ってきたらしい。

 本当に勘弁してほしい。

 やみがいるお陰でごちそうは家にこっそり持って帰れるが、それでもその場では食べられないので、いつの間にかイザベラは朝露しか飲まないんじゃないかっていう妖精説ながれるようになったのだ。

 なので、肉、山盛り事件のご令嬢は幻扱いになってしまったのだ。

 そもそも肉はやみが食ったしな。
 
 それにしても毎回お茶会に出てるのにひもじいな。

 一通り食べ終わって

「余興の時間です。」

 と言われ、いよいよ魔道具の販売会になった。

 色々な商品が並んでいる。

 商品を沢山並べている職人達の中に子供が一緒になって手伝っている。

 なんかまだ子供っぽいが特徴的なイケメンがいるな。

 と思ってよくみたら攻略対象だった。

 魔道具職人の息子だ。

 なんでも親のお手伝いにきたようだった。

 小さい頃からお得意先に連れられて来るらしくそれもお茶会の特典の一つらしい。

 確かにかわいい顔してるし、お洒落な眼鏡をかけている。

 でも、気をつけるにこしたことはないな。
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