53 / 62
第4章〜イケてる彼女とサエない彼氏〜⑨
しおりを挟む
舞台袖に一番近い場所でダンスを披露していた一年生の広田くんを先頭に、映文研のメンバーが、ステージの壇上から降りてくる。
「お疲れさま! 今日のステージもスゴい迫力だったね」
笑顔で、そう声をかけると、副部長が苦笑いで応じた。
「そうか……? そう言ってもらえるのはありがたいが……今日も、ギリギリまで出演するかどうか決めていなかったから、成功したのは、一年と二年が、がんばってくれたからだな」
同級生が、そう言って下級生の活躍をねぎらうと、
「緊張したけど、失敗せずに終われて良かったです」
「あ~、ドキドキしたよな~」
と、一年生の広田くんと平木くんが安堵したような笑顔で答える。
彼らに続くように、二年生の浜脇くんと安井くんも、
「ギャラリーの反応が良くて、助かった~」
「あの反応にノセられたとこはあったよな」
と、満足したような顔色で、それぞれの感想を語っている。
「みんなのおかげで、ちょっと緊張がほぐれたかも、ありがとう」
映文研のメンバーに、あらためて声をかけると、彼らを代表して、ふたたび副部長が応じる。
「順番を割り込ませてもらって、申し訳なかったな……瓦木も、ガンバレよ!」
上級生の声に呼応するように、下級生も、私を励ますように、声をかけてくれる。
「先輩なら大丈夫ですよ!」
「応援してます!」
彼らの声に、そっと背中を押されるような安心感を覚えた私は、
「ありがとう! じゃあ、行ってくるね」
もういちど、笑顔で応えて、スマホの画面をチェックする。
AirPlayアプリで、自分のiPhoneがプロジェクターに接続されていることを確認すると、最後の覚悟を決めて、ステージに上がった。
舞台の中央に立つと、ステージ前に集まった生徒を見渡し、ス~~~~ッと深呼吸をひとつして、声を出す。
「こんにちは! 三年の瓦木亜矢です! アカペラに、オリジナル曲に、ブレイキン……みんなのパフォーマンスが素晴らしくて、最後に出番が、私なんかで良かったのかな、って感じちゃうんだけど……一緒にステージに立ってくれる大切な人もいなくなってしまったので……私は、自分らしく進めさせてもらおうと思います」
カメラを前にしたライブ配信なら、その向こうに、何万人の視聴者がいても気にならないけど、反応がダイレクトに伝わってくるステージは、やはり、緊張感がケタ違いだ―――。
覚悟を決めていたとは言え、膝が小刻みに震えているのを感じる。
それでも、なんとか無難に、自己紹介を終えた私は、スマホを操作し、ステージの背後のスクリーンに目を向けた。
大型スクリーンには、自分が過去に投稿した《ミンスタグラム》の画像が表示される。
それは、去年の三日月祭で、ハロウィーンの時期にちなんだ、アメリカン・コミックのキャラクターであるハーレイ・クインのコスプレをした時の画像だ。
「これは、いままで、みんながイメージしていたかも知れない私」
続いて、(《ミンスタ》映えを意識した)体育祭でリコやナミたちクラスメートと固まって撮った集合写真、ライブ配信の告知として試供品を手にして撮った画像などを表示させる。
「これも、瓦木亜矢……この写真も、みんなが想像していた私かな?」
そこまで語り終えると、フッ……と一息つき、次に語る言葉を頭の中で整理する。
「これまで、こうして、キラキラしたイメージを守ろうとしてきたけど……これが、私の本当の姿ではないってことを、みんな、もう知ってるんじゃないかな?」
そう言って、微苦笑を浮かべると、ステージの前からも、少し、笑みがこぼれていることが感じられた。
続いて、家族以外には見せたことのない、母親に撮られた寝起きの半目開きの画像をスクリーンに投影する。
「これが、本当の私……」
解説を加えると、ステージ前からの笑い声が、さっきより大きくなった。
さらに、スマホの画面をスワイプして、次の写真を投影させる。
それは、9月のあの日、元カレの家で、失態をさらした瞬間をとらえた、あのキャプチャ画像だ。
「これも、私ですね……みんな、もう何回も見たんじゃないかと思うけど……」
そう言って、自虐的な笑みを浮かべると、ステージの前からは、
「鼻毛女子~」
という男子生徒の声が上がるのが聞こえた。
「えぇ……そのハッシュタグが拡散されて、自分が、そう呼ばれてるのも知ってる」
ニコリと笑みを浮かべてそう言うと、ステージ前の笑い声は、さらに大きくなった。
「これで、私は、自分が積み上げて来たモノをすべて失ったと感じたし、みんなもそう思ったんじゃないかな? でも―――そうじゃなかった……」
続けて、私は、リコとナミ、映文研のメンバー、そして、柚寿ちゃんと寿太郎の画像をゆっくりとスワイプしながら、表示させる。
「私は、落ち込んでいる自分を励ましてくれた友だちがいて……そして、いままでの自分を取り戻そうとして考えた計画に、協力してくれた仲間と出会うことができました」
「ありがとう、リコとナミ。いままで生きてきた中で、いちばんヘコんだときに、私のそばにいてくれて……それに、映文研のみんな……自分勝手な計画に巻き込んでしまって、本当にゴメンナサイ。このひと月の間、みんなと接するまでは、映文研の人たちが、こんなに魅力的で楽しい人たちだって気づかなかった……」
そこまで言うと、観客席から、
「オレたちもだ~」
「スゴかったぞ、映文研!」
という声が上がった。
チラリと、舞台袖の方に目を向けると、照れくさそうに顔を見合わせる映文研の下級生たちの姿があった。
彼らのそんなようすを微笑ましく感じつつ、クラスメートの副部長の姿が見えないことに違和感を覚えながらも、私は、この舞台で語るべきことに集中する。
「私には、まだ謝らないといけない人たちがいます。一人目は、鳴尾はるか君……勝手な思いを押し付ける形でコーディネートをさせてもらっていたけど、もっと、ハルカらしさを表現するために、あなた自身の意見に耳を傾けるべきだったね……いまなら、あなたに言われた『本当の愛を見つけたんだ』という言葉の意味がわかるような気がする」
そう告げて、ステージ前で山口さんと寄り添いながら舞台を見つめている元カレの方に視線を向けると、ナニかを言いたげな切ない表情で見返す姿が確認できた。
ふたりの姿を視界の外において、ふたたび、ステージ前の客席全体を見渡した私は、本当に伝えたいことを話すため、軽く息を飲み、呼吸を整えた。
「そして、最後に、クラスメートの深津くんと妹の柚寿ちゃんへ……今回、私の身勝手な考えで、ふたりを振り回してしまったことについては、どれだけ謝ってもゆるしてもらえないと思う……あなたたちの気持ちを傷つけてしまったことをなかったことにはできないけれど……誰よりも近くで深津くんの変化を見ていた者として、あなたの真摯な姿勢と、無茶な要求について来てくれたことに、心の底から感謝していることだけは伝えたいと思います」
そこまで一気に語り、伝えるべきことを話し終えたことに安堵した私は、強張っていた身体から緊張感がほぐれていくのを感じつつ、自分の舞台を締めくくることにする。
「このひと月の間で、私は、友人や新しく親しくなった人たちから、ありのままの自分でいること、そういう自分のままで、真面目に物事に取り組むことの大切さを教えてもらいました。私は、大切な人の想いを裏切ってしまったので、もう、その人のそばにいる資格はないけれど……『学院アワード』の投票をまだ済ませていない人は、相手の自分らしさを受けいれてくれる思いやりを持った人に、大切な一票を投票してもらいたいと思います―――伝えたいことは以上です。瓦木亜矢でした」
最後に、ペコリとお辞儀をして、私は静かに舞台をあとにした。
「お疲れさま! 今日のステージもスゴい迫力だったね」
笑顔で、そう声をかけると、副部長が苦笑いで応じた。
「そうか……? そう言ってもらえるのはありがたいが……今日も、ギリギリまで出演するかどうか決めていなかったから、成功したのは、一年と二年が、がんばってくれたからだな」
同級生が、そう言って下級生の活躍をねぎらうと、
「緊張したけど、失敗せずに終われて良かったです」
「あ~、ドキドキしたよな~」
と、一年生の広田くんと平木くんが安堵したような笑顔で答える。
彼らに続くように、二年生の浜脇くんと安井くんも、
「ギャラリーの反応が良くて、助かった~」
「あの反応にノセられたとこはあったよな」
と、満足したような顔色で、それぞれの感想を語っている。
「みんなのおかげで、ちょっと緊張がほぐれたかも、ありがとう」
映文研のメンバーに、あらためて声をかけると、彼らを代表して、ふたたび副部長が応じる。
「順番を割り込ませてもらって、申し訳なかったな……瓦木も、ガンバレよ!」
上級生の声に呼応するように、下級生も、私を励ますように、声をかけてくれる。
「先輩なら大丈夫ですよ!」
「応援してます!」
彼らの声に、そっと背中を押されるような安心感を覚えた私は、
「ありがとう! じゃあ、行ってくるね」
もういちど、笑顔で応えて、スマホの画面をチェックする。
AirPlayアプリで、自分のiPhoneがプロジェクターに接続されていることを確認すると、最後の覚悟を決めて、ステージに上がった。
舞台の中央に立つと、ステージ前に集まった生徒を見渡し、ス~~~~ッと深呼吸をひとつして、声を出す。
「こんにちは! 三年の瓦木亜矢です! アカペラに、オリジナル曲に、ブレイキン……みんなのパフォーマンスが素晴らしくて、最後に出番が、私なんかで良かったのかな、って感じちゃうんだけど……一緒にステージに立ってくれる大切な人もいなくなってしまったので……私は、自分らしく進めさせてもらおうと思います」
カメラを前にしたライブ配信なら、その向こうに、何万人の視聴者がいても気にならないけど、反応がダイレクトに伝わってくるステージは、やはり、緊張感がケタ違いだ―――。
覚悟を決めていたとは言え、膝が小刻みに震えているのを感じる。
それでも、なんとか無難に、自己紹介を終えた私は、スマホを操作し、ステージの背後のスクリーンに目を向けた。
大型スクリーンには、自分が過去に投稿した《ミンスタグラム》の画像が表示される。
それは、去年の三日月祭で、ハロウィーンの時期にちなんだ、アメリカン・コミックのキャラクターであるハーレイ・クインのコスプレをした時の画像だ。
「これは、いままで、みんながイメージしていたかも知れない私」
続いて、(《ミンスタ》映えを意識した)体育祭でリコやナミたちクラスメートと固まって撮った集合写真、ライブ配信の告知として試供品を手にして撮った画像などを表示させる。
「これも、瓦木亜矢……この写真も、みんなが想像していた私かな?」
そこまで語り終えると、フッ……と一息つき、次に語る言葉を頭の中で整理する。
「これまで、こうして、キラキラしたイメージを守ろうとしてきたけど……これが、私の本当の姿ではないってことを、みんな、もう知ってるんじゃないかな?」
そう言って、微苦笑を浮かべると、ステージの前からも、少し、笑みがこぼれていることが感じられた。
続いて、家族以外には見せたことのない、母親に撮られた寝起きの半目開きの画像をスクリーンに投影する。
「これが、本当の私……」
解説を加えると、ステージ前からの笑い声が、さっきより大きくなった。
さらに、スマホの画面をスワイプして、次の写真を投影させる。
それは、9月のあの日、元カレの家で、失態をさらした瞬間をとらえた、あのキャプチャ画像だ。
「これも、私ですね……みんな、もう何回も見たんじゃないかと思うけど……」
そう言って、自虐的な笑みを浮かべると、ステージの前からは、
「鼻毛女子~」
という男子生徒の声が上がるのが聞こえた。
「えぇ……そのハッシュタグが拡散されて、自分が、そう呼ばれてるのも知ってる」
ニコリと笑みを浮かべてそう言うと、ステージ前の笑い声は、さらに大きくなった。
「これで、私は、自分が積み上げて来たモノをすべて失ったと感じたし、みんなもそう思ったんじゃないかな? でも―――そうじゃなかった……」
続けて、私は、リコとナミ、映文研のメンバー、そして、柚寿ちゃんと寿太郎の画像をゆっくりとスワイプしながら、表示させる。
「私は、落ち込んでいる自分を励ましてくれた友だちがいて……そして、いままでの自分を取り戻そうとして考えた計画に、協力してくれた仲間と出会うことができました」
「ありがとう、リコとナミ。いままで生きてきた中で、いちばんヘコんだときに、私のそばにいてくれて……それに、映文研のみんな……自分勝手な計画に巻き込んでしまって、本当にゴメンナサイ。このひと月の間、みんなと接するまでは、映文研の人たちが、こんなに魅力的で楽しい人たちだって気づかなかった……」
そこまで言うと、観客席から、
「オレたちもだ~」
「スゴかったぞ、映文研!」
という声が上がった。
チラリと、舞台袖の方に目を向けると、照れくさそうに顔を見合わせる映文研の下級生たちの姿があった。
彼らのそんなようすを微笑ましく感じつつ、クラスメートの副部長の姿が見えないことに違和感を覚えながらも、私は、この舞台で語るべきことに集中する。
「私には、まだ謝らないといけない人たちがいます。一人目は、鳴尾はるか君……勝手な思いを押し付ける形でコーディネートをさせてもらっていたけど、もっと、ハルカらしさを表現するために、あなた自身の意見に耳を傾けるべきだったね……いまなら、あなたに言われた『本当の愛を見つけたんだ』という言葉の意味がわかるような気がする」
そう告げて、ステージ前で山口さんと寄り添いながら舞台を見つめている元カレの方に視線を向けると、ナニかを言いたげな切ない表情で見返す姿が確認できた。
ふたりの姿を視界の外において、ふたたび、ステージ前の客席全体を見渡した私は、本当に伝えたいことを話すため、軽く息を飲み、呼吸を整えた。
「そして、最後に、クラスメートの深津くんと妹の柚寿ちゃんへ……今回、私の身勝手な考えで、ふたりを振り回してしまったことについては、どれだけ謝ってもゆるしてもらえないと思う……あなたたちの気持ちを傷つけてしまったことをなかったことにはできないけれど……誰よりも近くで深津くんの変化を見ていた者として、あなたの真摯な姿勢と、無茶な要求について来てくれたことに、心の底から感謝していることだけは伝えたいと思います」
そこまで一気に語り、伝えるべきことを話し終えたことに安堵した私は、強張っていた身体から緊張感がほぐれていくのを感じつつ、自分の舞台を締めくくることにする。
「このひと月の間で、私は、友人や新しく親しくなった人たちから、ありのままの自分でいること、そういう自分のままで、真面目に物事に取り組むことの大切さを教えてもらいました。私は、大切な人の想いを裏切ってしまったので、もう、その人のそばにいる資格はないけれど……『学院アワード』の投票をまだ済ませていない人は、相手の自分らしさを受けいれてくれる思いやりを持った人に、大切な一票を投票してもらいたいと思います―――伝えたいことは以上です。瓦木亜矢でした」
最後に、ペコリとお辞儀をして、私は静かに舞台をあとにした。
0
あなたにおすすめの小説
彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。
遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。
彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。
……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。
でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!?
もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー!
ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。)
略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
S級ハッカーの俺がSNSで炎上する完璧ヒロインを助けたら、俺にだけめちゃくちゃ甘えてくる秘密の関係になったんだが…
senko
恋愛
「一緒に、しよ?」完璧ヒロインが俺にだけベタ甘えしてくる。
地味高校生の俺は裏ではS級ハッカー。炎上するクラスの完璧ヒロインを救ったら、秘密のイチャラブ共闘関係が始まってしまった!リアルではただのモブなのに…。
クラスの隅でPCを触るだけが生きがいの陰キャプログラマー、黒瀬和人。
彼にとってクラスの中心で太陽のように笑う完璧ヒロイン・天野光は決して交わることのない別世界の住人だった。
しかしある日、和人は光を襲う匿名の「裏アカウント」を発見してしまう。
悪意に満ちた誹謗中傷で完璧な彼女がひとり涙を流していることを知り彼は決意する。
――正体を隠したまま彼女を救い出す、と。
謎の天才ハッカー『null』として光に接触した和人。
ネットでは唯一頼れる相棒として彼女に甘えられる一方、現実では目も合わせられないただのクラスメイト。
この秘密の二重生活はもどかしくて、だけど最高に甘い。
陰キャ男子と完璧ヒロインの秘密の二重生活ラブコメ、ここに開幕!
あの日、幼稚園児を助けたけど、歳の差があり過ぎてその子が俺の運命の人になるなんて気付くはずがない。
NOV
恋愛
俺の名前は鎌田亮二、18歳の普通の高校3年生だ。
中学1年の夏休みに俺は小さい頃から片思いをしている幼馴染や友人達と遊園地に遊びに来ていた。
しかし俺の目の前で大きなぬいぐるみを持った女の子が泣いていたので俺は迷子だと思いその子に声をかける。そして流れで俺は女の子の手を引きながら案内所まで連れて行く事になった。
助けた女の子の名前は『カナちゃん』といって、とても可愛らしい女の子だ。
無事に両親にカナちゃんを引き合わす事ができた俺は安心して友人達の所へ戻ろうとしたが、別れ間際にカナちゃんが俺の太ももに抱き着いてきた。そしてカナちゃんは大切なぬいぐるみを俺にくれたんだ。
だから俺もお返しに小学生の頃からリュックにつけている小さなペンギンのぬいぐるみを外してカナちゃんに手渡した。
この時、お互いの名前を忘れないようにぬいぐるみの呼び名を『カナちゃん』『りょうくん』と呼ぶ約束をして別れるのだった。
この時の俺はカナちゃんとはたまたま出会い、そしてたまたま助けただけで、もう二度とカナちゃんと会う事は無いだろうと思っていたんだ。だから当然、カナちゃんの事を運命の人だなんて思うはずもない。それにカナちゃんの初恋の相手が俺でずっと想ってくれていたなんて考えたことも無かった……
7歳差の恋、共に大人へと成長していく二人に奇跡は起こるのか?
NOVがおおくりする『タイムリープ&純愛作品第三弾(三部作完結編)』今ここに感動のラブストーリーが始まる。
※この作品だけを読まれても普通に面白いです。
関連小説【初恋の先生と結婚する為に幼稚園児からやり直すことになった俺】
【幼馴染の彼に好きって伝える為、幼稚園児からやり直す私】
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
美人生徒会長は、俺の料理の虜です!~二人きりで過ごす美味しい時間~
root-M
青春
高校一年生の三ツ瀬豪は、入学早々ぼっちになってしまい、昼休みは空き教室で一人寂しく弁当を食べる日々を過ごしていた。
そんなある日、豪の前に目を見張るほどの美人生徒が現れる。彼女は、生徒会長の巴あきら。豪のぼっちを察したあきらは、「一緒に昼食を食べよう」と豪を生徒会室へ誘う。
すると、あきらは豪の手作り弁当に強い興味を示し、卵焼きを食べたことで豪の料理にハマってしまう。一方の豪も、自分の料理を絶賛してもらえたことが嬉しくて仕方ない。
それから二人は、毎日生徒会室でお昼ご飯を食べながら、互いのことを語り合い、ゆっくり親交を深めていく。家庭の味に飢えているあきらは、豪の作るおかずを実に幸せそうに食べてくれるのだった。
やがて、あきらの要求はどんどん過激(?)になっていく。「わたしにもお弁当を作って欲しい」「お弁当以外の料理も食べてみたい」「ゴウくんのおうちに行ってもいい?」
美人生徒会長の頼み、断れるわけがない!
でも、この生徒会、なにかちょっとおかしいような……。
※時代設定は2018年頃。お米も卵も今よりずっと安価です。
※他のサイトにも投稿しています。
イラスト:siroma様
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる