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第三部
第4章〜三大配信者 芦宮高校最大の決戦〜⑬
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その日の放課後――――――。
大講堂での『PR動画コンテスト』の撤収作業が終わったあと、ボクたち広報部のメンバーと白草さん、宮野さん、そして、文芸部を代表して天竹さんが、放送部に集まった。
設営などの裏方に回ってくれた荒木先輩なども加わった一同を見渡しながら、花金鳳花部長が、ゆっくりと語り始める。
「まずは、みんなお疲れさま。今日の本番が思った以上に盛り上がったのは、プレゼンをしてくれたメンバーと、荒木くんをはじめ、裏方に徹してくれた広報部内外の協力があったからね。『PR動画コンテスト』の企画立案者として、あらためて御礼を言うわ。ありがとう」
そう言って、深々と頭を下げる部長の姿に、ボクは恐縮してしまう。
「コンテストの司会の最中に生徒会長も言っていたけど、みんなが制作してくれた映像は、生徒会のメンバーを始め、広報部の代表をさせてもらっている私にとっても、予想以上に素晴らしい出来映えで、見ているのが、本当に楽しかったわ。そのことをあらわすように、アンケートフォームの記述欄にも熱いコメントが送られているから、代表的な意見をプリントアウトして、それぞれのチームに見てもらおうと思うの。あとで確認して、観覧してくれた全校生徒の生の意見を感じてもらえると嬉しいわ」
鳳花部長は、そう言って、印刷したばかりの紙の束をボクたちに披露する。
そして、彼女はあらたまったように、コホンと、ひとつ咳払いをしてから、ふたたび語りだした。
「では、ここからは、企画を立案した広報部の代表者として、あるいは、私の個人的見解として、各作品の講評を述べさせてもらおうと思うのだけど――――――」
部長の申し出は、少なくともボク個人にとっては、願ってもないことだった。
文芸部の票を含めた最終結果でトップの得票を得ることができたとは言え、自分たちの作品のどういうところが評価されたのか、わからないままでは居心地が良くない。
そして、ボクが打ちのめされそうになった白草さんや竜司たちの作品を鳳花部長が、どんな風に評しているのか、とても気になっていたからだ。
ボクと同じように考えているのか、隣に立つ親友が、真っ先に声を上げ、
「押忍! よろしくお願いします!」
と、体育会系部員のように、勢いよく頭を垂れる。
竜司の行動につられるように、ボクも思わず「お願いします」と、頭を下げた。
すると、部長は満足したような笑みを浮かべて、
「そう……それじゃ、他の人たちに異論がなければ、話しをさせてもらうわね」
と告げると、一同は黙ったまま、首をタテに振る。
「じゃあ、本人からリクエストもあったことだし……まずは、黒田くんたちの『Vtuber芦宮サクラの突撃クラブ訪問』から、語らせてもらおうかしら」
部長のその一言に、竜司と佐倉さんの表情が強張ったように感じられた。
「企画案を聞いたときから楽しみにしていたけれど……本番も期待どおりのデキで、興味深く見せてもらったわ。ただ、取材したクラブの数が多くなった分、全体的に少し散漫な印象になってしまったのも事実ね。活動中は、取材スケジュールにも苦労していたみたいだし……」
まるで、現場を見てきたかのような鳳花部長の鋭い指摘に、竜司が苦笑しながら答える。
「やっぱり、部長にはバレてましたか……今回、スケジューリングをミスったのは、完全にオレの責任です。来週以降、迷惑を掛けてしまったクラブには、謝罪に行ってきます」
すると、我が部の代表は、可笑しそうにクスクスと笑いながら、
「相変わらず、そういうところは、変に生真面目ね黒田くんは……」
と、つぶやいたあと竜司たちを諭すように、優しい口調で語った。
「あなた達が取材したクラブには、今日までに、私の方から、お礼とお詫びを兼ねて、直に訪問してあいさつをしておいたから、その必要はないわ」
その一言に、親友は、
「いつも、フォローしてもらって、すみません」
と、ふたたび頭を下げ、隣の佐倉さんも、彼の行動に習った。
彼らの言動に、穏やかな笑みを浮かべつつ、部長は言葉を続ける。
「あらたまって、そんなに畏まらなくても良いわよ。それよりも……あなた達のアイデアとプレゼンテーションは、見るべきモノが多かったわ。生徒会執行部でも相談して、あらためて、芦宮サクラを芦宮高校の公式キャラクターにすることを考えてみましょう。もちろん、美術部とコンピュータークラブの了承と協力を取り付けないといけないけれど……」
そう語る鳳花部長が言い終わらないうちに、佐倉さんが目を輝かせながら、興奮を隠しきれないようすで応じる。
「ホントですか! 部長、ありがとうございます!!」
僅差とは言え、単独トップから最下位タイに落ちてしまった最終結果の発表以降、意気消沈していた一年生部員の豹変ぶりに目を細めながらも、広報部の代表者は、佐倉さんをたしなめるように、
「検討段階だから、まだ、正式に決定じゃないわよ……」
そう言いつつも、
「佐倉さんには、これから、もっとがんばってもらわなくちゃいけなくなるわね」
と、付け加えるのを忘れなかった。
大講堂での『PR動画コンテスト』の撤収作業が終わったあと、ボクたち広報部のメンバーと白草さん、宮野さん、そして、文芸部を代表して天竹さんが、放送部に集まった。
設営などの裏方に回ってくれた荒木先輩なども加わった一同を見渡しながら、花金鳳花部長が、ゆっくりと語り始める。
「まずは、みんなお疲れさま。今日の本番が思った以上に盛り上がったのは、プレゼンをしてくれたメンバーと、荒木くんをはじめ、裏方に徹してくれた広報部内外の協力があったからね。『PR動画コンテスト』の企画立案者として、あらためて御礼を言うわ。ありがとう」
そう言って、深々と頭を下げる部長の姿に、ボクは恐縮してしまう。
「コンテストの司会の最中に生徒会長も言っていたけど、みんなが制作してくれた映像は、生徒会のメンバーを始め、広報部の代表をさせてもらっている私にとっても、予想以上に素晴らしい出来映えで、見ているのが、本当に楽しかったわ。そのことをあらわすように、アンケートフォームの記述欄にも熱いコメントが送られているから、代表的な意見をプリントアウトして、それぞれのチームに見てもらおうと思うの。あとで確認して、観覧してくれた全校生徒の生の意見を感じてもらえると嬉しいわ」
鳳花部長は、そう言って、印刷したばかりの紙の束をボクたちに披露する。
そして、彼女はあらたまったように、コホンと、ひとつ咳払いをしてから、ふたたび語りだした。
「では、ここからは、企画を立案した広報部の代表者として、あるいは、私の個人的見解として、各作品の講評を述べさせてもらおうと思うのだけど――――――」
部長の申し出は、少なくともボク個人にとっては、願ってもないことだった。
文芸部の票を含めた最終結果でトップの得票を得ることができたとは言え、自分たちの作品のどういうところが評価されたのか、わからないままでは居心地が良くない。
そして、ボクが打ちのめされそうになった白草さんや竜司たちの作品を鳳花部長が、どんな風に評しているのか、とても気になっていたからだ。
ボクと同じように考えているのか、隣に立つ親友が、真っ先に声を上げ、
「押忍! よろしくお願いします!」
と、体育会系部員のように、勢いよく頭を垂れる。
竜司の行動につられるように、ボクも思わず「お願いします」と、頭を下げた。
すると、部長は満足したような笑みを浮かべて、
「そう……それじゃ、他の人たちに異論がなければ、話しをさせてもらうわね」
と告げると、一同は黙ったまま、首をタテに振る。
「じゃあ、本人からリクエストもあったことだし……まずは、黒田くんたちの『Vtuber芦宮サクラの突撃クラブ訪問』から、語らせてもらおうかしら」
部長のその一言に、竜司と佐倉さんの表情が強張ったように感じられた。
「企画案を聞いたときから楽しみにしていたけれど……本番も期待どおりのデキで、興味深く見せてもらったわ。ただ、取材したクラブの数が多くなった分、全体的に少し散漫な印象になってしまったのも事実ね。活動中は、取材スケジュールにも苦労していたみたいだし……」
まるで、現場を見てきたかのような鳳花部長の鋭い指摘に、竜司が苦笑しながら答える。
「やっぱり、部長にはバレてましたか……今回、スケジューリングをミスったのは、完全にオレの責任です。来週以降、迷惑を掛けてしまったクラブには、謝罪に行ってきます」
すると、我が部の代表は、可笑しそうにクスクスと笑いながら、
「相変わらず、そういうところは、変に生真面目ね黒田くんは……」
と、つぶやいたあと竜司たちを諭すように、優しい口調で語った。
「あなた達が取材したクラブには、今日までに、私の方から、お礼とお詫びを兼ねて、直に訪問してあいさつをしておいたから、その必要はないわ」
その一言に、親友は、
「いつも、フォローしてもらって、すみません」
と、ふたたび頭を下げ、隣の佐倉さんも、彼の行動に習った。
彼らの言動に、穏やかな笑みを浮かべつつ、部長は言葉を続ける。
「あらたまって、そんなに畏まらなくても良いわよ。それよりも……あなた達のアイデアとプレゼンテーションは、見るべきモノが多かったわ。生徒会執行部でも相談して、あらためて、芦宮サクラを芦宮高校の公式キャラクターにすることを考えてみましょう。もちろん、美術部とコンピュータークラブの了承と協力を取り付けないといけないけれど……」
そう語る鳳花部長が言い終わらないうちに、佐倉さんが目を輝かせながら、興奮を隠しきれないようすで応じる。
「ホントですか! 部長、ありがとうございます!!」
僅差とは言え、単独トップから最下位タイに落ちてしまった最終結果の発表以降、意気消沈していた一年生部員の豹変ぶりに目を細めながらも、広報部の代表者は、佐倉さんをたしなめるように、
「検討段階だから、まだ、正式に決定じゃないわよ……」
そう言いつつも、
「佐倉さんには、これから、もっとがんばってもらわなくちゃいけなくなるわね」
と、付け加えるのを忘れなかった。
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