つまりは女子高生が最強

amama

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第5章

焦るとろくなことがない

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「....あっ、ごめん、まじごめん。気にしないでー本当気にしなくていいよー」

「待って待って待って!待って美佳姉!お願い待って!」

「お騒がせして申し訳ありません。」


みたわよ、のポーズの状態のまま美佳姉が謝ってきたので混乱しすぎて待ってしか言えなかった。
言い訳が全く浮かんでこなくて錯乱しそうだ。


「お留守にお邪魔してしまって...,私が無理にお願いしたんです。長居するのも申し訳ないので、私は帰りますね。お邪魔しました。」


「ホンットに気にしないでください!ゆっくりしてってもらっていいんですよ!唯だって彼氏の一人や二人連れてくるだろーなーとは思ってたんで!」


「.....人前だと気恥ずかしくて何も出来ませんので。今日は失礼します。」


アイルさんは私から離れると美佳姉ににっこりと微笑んでそそくさと玄関へ向かった。
もう彼氏じゃないとか否定すんのすらめんどくさくなったのか適当に返して逃げやがった。あの人あんな爽やかに人当たりよさそうに逃げやがった。
この状況の収拾と大金残して帰りやがった。

さっきから彼を引き止めようと喋っているのだが、声が出ない。しかも動けない。これが金縛りなのだろうか。どうしてよりにもよってこんなときに。
アイルさんが玄関のドアを閉めて数秒したら声が出て身体が動くようになった。

....おいこれまさか今の金縛りじゃなくて魔法じゃないのか。


「ちょっと唯ー!誰あのイケメン!髪も眼も赤かったけど海外の人?」

「どこだっけな....かなり遠くの国だったよ.....」

「あの人もモデル?すっごいオーラだったけど」


アイルさんが去ってから興奮気味に話しかけてきた美佳姉に友達の友達と超適当な嘘をついてどうにか乗り切る。
アイルさん本当どうしてくれんの、美佳姉完全に彼氏だと思ってんじゃん...

めんどくせぇからって魔法で物理的に黙らせる彼氏なんてやだよ怖ぇよ...

とにかくこの大金は部屋の私のベットの下へと急遽避難をさせてから掃除用品を片付ける。
このままここに置いといたらばーちゃんが開けるかもしれない。大変まずい。


「あれ、美佳姉また出掛けるの?」

「私もデートー!夕飯も食べてくるから今日夜いらないからねー」

「わかったー、いってらっしゃい!」

「だから連れ込んでも良かったのにーもったいない」


美佳姉はもう完全に彼氏だと勘違いしてらっしゃる。やだよあんなドS彼氏...
夕飯のことを言われて時計を改めてみて見ると結構いい時間だった。
冷蔵庫の中身を確認してからスーパーへと向かう。主婦かよ。

少し考える時間が欲しくて、ゆっくり歩いていくことにした。
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