つまりは女子高生が最強

amama

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第6章

家族の形なんてそれぞれ

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「あ、そういや明日二人帰ってくるって。今回の出張長かったよなー。」


私がお金のやり場に困りながら夕飯作ってたら大輝兄がキッチンに顔だしてなんでもないことのように言ってきた。
いやもっと早く言ってくれよ、結構重要なことじゃないか。


「父さんと美子さん明日夕飯食べるっていってた?」

「あ、すまん。聞いてない。」

「まぁ今日安かったから買い込んだし、多分平気かなー。じいちゃんまだ遠征で帰ってこないけど、なんか揃うの久々だね」

「そうだよなぁ、揃ったのって最初だけで二人とも仕事ですぐ長期の出張だったからなぁ...子供とおばあちゃんだけ残していくのもどうかと思ったけど」


笑顔でいう大輝兄が眩しすぎて指きりそうになった。
私は父親のそういう適当なところ、もう慣れてるからあんまり動じないけど、大輝兄とか、美佳姉とか、和兄は困っただろうなぁ。知らないところに家族ですって言われて置いてかれて。
なんだかやるせない気分になりつつ夕飯の支度をすませる。


「唯?」

「ううわっ!?ちょ、まっ、ま真後ろで急に声かけないでよー、びっくりしたー!」

「大丈夫か?」

「心臓痛いから大輝兄がこれ以上脅かさなければ大丈夫だよ」

「いや、そうじゃなくて。なんかへこんでるように見えたから。」

「...へこんでないよ。」


大輝兄が苦手なの、多分克服出来ない。

笑顔で言えば一応納得してくれたのか、引き下がってくれたけど、やっぱりこういうとこは苦手だなぁ。

ちょっと憂鬱になってたら玄関のドアが荒々しく開いた音がした。

あれ、光と和兄もういるし、大輝兄もここにいるし、小学生組と幼稚園組はばーちゃんと一緒に部屋にいるし...
美佳姉はデートっていってたし、両親は明日帰ってくるからない、まさかじいちゃん?

じいちゃんだったらやだなーと思って大輝兄と玄関の方へ顔を出すと、怒り心頭の美佳姉でした。


「唯ーっ!」

「美佳姉どしたの?」


オーラが半端ねぇ怖ぇ、と一瞬思ったけど私を見つけて抱きついてきたのでこれはこれで良きかな。綺麗な女の子に抱きつかれて悪い気などするわけがない。
ぎゅーっと抱き締めあってたら二階から和兄が凄い微妙な顔して降りてきた。


「変な雄叫び聞こえたと思ったら姉貴かよ、近所迷惑だから静かにしよーな」

「いやぁ、最初般若でも出たのかと思ったぞ。どうした、美佳?」

「てめぇらシバく」

「本当にどうしたの美佳姉」

「唯...っ!聞いてよー、あのバカ!デート中にグラドル見つけて鼻の下伸びきった状態でサインと握手しにいったのよ!?ありえなくない!?デート中によ!?」

「うわーーー...それは...美佳姉大変だったね...」

「姉貴の見る目がねぇんじゃん?」

「芸能人とかならなー、しょうがないんじゃないか?」

「あんたらに聞いてないのよ!もういい、私唯と結婚する、唯と暮らす!」

「唯ちゃんとんでもねぇとばっちりじゃん」

「家族なんだし皆でいいじゃないか」

「任せて美佳姉一人くらい養えるよ」



「そのコントまだ続く?」



美佳姉慰めてたら二階から光がとてもめんどくさそうに降りてきた。
そうだよね、もう夕飯の時間だもんね、お腹空くよね。
でもコントって言われたのはちょっと複雑でした。

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