つまりは女子高生が最強

amama

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第7章

ファーストキスなんて幻想

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「やぁだもう...こんな締めたらそりゃあ苦しいに決まってるじゃない。」

「...あの、私あなたと契約なんて....」


レイチェルさんが真っ暗になった一瞬でどこかへ消えてしまって、みんながレイチェルさんを探しにバタバタと慌ただしくホールを出て行く。ジェインさんもアイルさんもさっさと走っていった。当たり前だけどさみしい。

そんな中、彼女が私の元へときてくれた。

疑問はたくさんあった。


「したじゃない。指切り。」

「えっ?...あれで契約...?」

「契約の仕方なんて精霊ごとよ。それに、私の子供達のことが見えたでしょ、唯。だからよ。そんな人間今まで一人しかいなかったの。面白そうだったから。」

「....あの、半透明の....えっ、お母さんですか...」

「そーよ。」


息苦しくて失礼だとは思ってるけど倒れたまま会話をしていると、彼女が私のお腹に手を乗せた。トドメを刺されるのかと思ったら一瞬で息苦しさがなくなった。服が楽そうな白いワンピースに変わっていた。コルセットなしの。
.....変身シーンが一瞬すぎたけど、裸とかになってないだろうか。不安すぎる。てか魔法ってなんでもありだな。
体を起こして彼女にお礼を言う。


「ありがとうございます。あー息ができる!!」

「どういたしまして。...ねぇ唯。
精霊ってね、凄い力はあるんだけど、その力を使うのには人間から魔力をもらわないと使えないのよ。精霊の世界と人間の世界だと力を変換しないと使えないから、人間の魔力を借りて精霊の力を変換して使ってるの。その魔力を貰う人間と契約をして、力を使ってるの。」

「....TPの消費があるってことですね。オッケー、把握しました。」


何いってるか全然わからなかったのでゲーム脳で考えて無理やり理解した。
召喚するのにTP消費するって考えればなんとなくわかった。


「でも唯って魔力のまの字もないのよね。当たり前なんだけど。」

「で、ですよね。」

「私は契約する人間の魔力がなくてもある程度の力は使えるわ。だからさっきも唯の魔力があればあの金髪すぐ消せたのよ。」

「ご、ごめんなさい....?」


説明をしてくれているんだけどなんだか私が責められているような気がしてつい謝ってしまった。
そしたら彼女は綺麗に笑う。


「契約してる以上、使った力の分、対価を貰わないとなのよ」

「......魔力というのは...如何にだすものなのですか...?」

「唯には無理よ。だからー...そうねぇ、王道なのは魔力の代わりに体の一部とか貰ってるんだけど....」


体の一部、と聞いてまた息苦しくなった。
そんなもん貰ってどうするだろう。食べるのかな。いや食べないよね。
助けて貰ったから文句は言えないけど...五体満足で帰りたい.....


「体なんてもらってもどーしようもないし.....これでいいわよ。」

「えっ.....」



彼女の言葉にちょっと安心していたら、彼女の綺麗すぎる顔がとても近距離にあって、まつ毛がまぶたにあたった。同時に柔らかい感触が唇を包んで熱くなる。
数秒後、リップ音をさせて唇が離れた。





えっちょっはっ?え?まっ、え?はっ?





「やぁだぁ...なんて顔してるのよ。キスで済むなら安いもんでしょ?.......え?したことなかったの?変な子ね。」







もう誰も信じない
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