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番外編2 大使公邸の日常
2 大使夫妻と妾妃の定義
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「ねぇ、オリヴィエール。妾妃様のお役目ってなに?」
就寝の時刻になり、オリヴィエールが暖炉の前で読書をしていたベルティーユに声をかけると、突然質問が飛んできた。
「お役目?」
「そう。こちらの国王陛下には三人も妾妃様がいらっしゃるのでしょう? 王妃様はお元気そうだったけれど、なにか王妃様にご支障があって妾妃様がいらっしゃるのではないの?」
「別に、王妃様にご支障はないんじゃないかな。王妃様が公務をおそろかにされるという話は聞いたことがないし、国王と王妃様が不仲だという話もいまのところないよ」
「でも、妾妃様はお役目があるから、いらっしゃるわけでしょう? 妾妃様たちはお子様をお産みになっているようだけど、王妃様との間にもお子様はいらっしゃるようだし……」
まったく理解できない、という表情でベルティーユは読みかけの本に栞を挟んで閉じる。
「こちらの国では、妾妃様たちは特に政治的な役目は担ってないと思うよ。有り体に言えば、王の愛人だよ」
「……愛人?」
「王妃も公認の愛人が愛妾だ。王宮内に部屋を賜り、王の寵愛を得るためだけに存在している。愛妾が三人もいるってことは、王はそれなりに色好みなのかもしれないね」
「色好み……というのは女性が好き、ということ?」
「そういうことになるね」
まだ理解しきれていないベルティーユが昼間のような困惑した表情を浮かべる。
オリヴィエールもベルティーユ相手にあまりあけすけな説明ができず、慎重に言葉を選んだ。
「僕はベルだけを愛しているし、貴女だけがそばにいてくれれば満足だし、他の女性には興味がないけれど、この国の王はそうではないってことだよ。王妃様とは政略結婚だそうだから、不仲ではないけれどそれほど親密でもないのかもしれないね。そうなると、自分が気に入った女性を妾妃としてそばに置きたいと思うのかもしれないよ」
「それが、妾妃様?」
「そう」
「じゃあ……愛妾は?」
「同じだね」
オリヴィエールが答えると、ベルティーユは黙り込んだ。
「妾妃も愛妾も、王と閨をともにして寵愛を得る存在だよ。貴女が想像しているのとは、すこし違うだろうね」
「……かなり、違うわ」
「そう?」
「だって、妾妃様との間にあんなにお子様がいらっしゃるなんて……」
「どの国の王家でも円滑に次の代へ王位を譲るためにも、後継者不足だけは避けなければならないんだ。だから、王が子供を作れる身体であることを証明するためにも、この国では妾妃は必要とされているんだよ。もし王妃様との間に子供ができなかった場合、どちらに問題があるのかを確認する必要が出てくるからね。だから、ロザージュ王国の王は妾妃を持って、妾妃との間に子供を作ることが多いんだ。僕に言わせれば、王妃様との間に何年も子供ができないならともかく、結婚して早々に妾妃を持つのはどうかと思うんだけどね。結局のところ、好色なんだろうな」
「王妃様を、愛していらっしゃらないのかしら?」
「どうだろうね。人の気持ちなんて見えないからわからないよ」
「……そうね」
「貴女の気持ちも、僕には見えないんだけどね」
椅子に座り込んでいるベルティーユの前に跪くと、オリヴィエールは彼女の手に自分の手を重ねた。
「僕はベルを独占したい。だから、誰か他の男が貴女に接吻をしたり、抱きしめたりするなんて想像するだけで、頭に血が上りそうになる。貴女の肌に触れていいのは夫である僕だけのはずだし、僕から貴女を奪おうとする者は躊躇なく排除するよ。僕は貴女だけのものだし、貴女は僕だけのものだと思ってる」
「えぇ、そうよ」
暖炉の炎に照らされるオリヴィエールの顔をじっと見つめ返しながらベルティーユは頷く。
「じゃあ、もう誰かの愛妾になるなんて言わないで。貴女は僕の妻なのだから、僕だけを愛すると約束して?」
「……約束するわ」
「愛してると言って欲しいな」
「……愛してるわ、オリヴィエール」
ほぼ無理矢理言わせた自覚はあるものの、オリヴィエールは満足げに微笑むと、愛妻に接吻をした。
なんど唇を重ねても、いつも恥じらうように頬を染めるベルティーユの初々しい反応が愛おしく、オリヴィエールは椅子の背もたれに相手を押しつけるように迫って繰り返し口づけた。
ほうっとベルティーユが軽い息を吐いて唇を開いた隙に舌を差し込み、中を味わう。晩餐で出た葡萄酒の味がかすかに口の中に残っている。相手の舌を絡め取るように自分の舌を動かし、情欲を煽る。
ベルティーユは軽く目を伏せているので、長い睫が影になって目元を彩っている。薄紅色に染まった柔らかな頬を指の背で撫でると、気持ちが良いのか喉を鳴らして指に頬を預けてくる。
空いている手の指を髪に絡ませ、彼女が感じやすい首筋を指先で撫でる。びくっと全身を震わせて大きな目を開けた彼女の瞳には熱が宿っているのが読み取れた。
オリヴィエールが重ねていた唇をゆっくりと離すと、ベルティーユが物足りなそうな顔で黙って見つめてきた。
ねだるような視線を一瞬向けられるだけで押し倒したくなる自分の本能をなだめながら、オリヴィエールは囁く。
「愛しているよ、ベルティーユ」
「わたしも……愛しているわ」
「僕に、どうして欲しい?」
「…………接吻して欲しい、わ」
うつむきながらベルティーユが小声で答える。
「それから?」
「……抱きしめて」
「その後は?」
「…………それだけで十分よ」
ものすごく慎重な答えがベルティーユから返ってきた。
「ベル、疲れてる?」
「すこしだけ。あなたもお疲れでしょう?」
「こうして貴女に触れているだけで疲れはすぐに癒えるよ」
オリヴィエールが答えると、ベルティーユは困った顔をした。
「明日は午前中から他国の大使の方々にご挨拶回りをしなければならないでしょう?」
「――そうだね」
諭すようなベルティーユの口ぶりから、彼女が誘いに乗る気がないことをオリヴィエールは察するしかなかった。
残念そうに肩を落とすと、ベルティーユが黙って様子を窺うような目つきをする。
「あ、そういえば、ルイは知らないようだったけれど」
ふっと思い出したように、ベルティーユが喋り出した。
「伯父様って一度だけ浮気疑惑が持ち上がったことがあるの」
「え?」
突然なにを言い出すのかと思いつつ、オリヴィエールは黙って先をうながす。
「ルイが外国へ遊学していた最中だったから、義伯母様もジャンも話していなかったんでしょうね。伯父様が、親戚筋でもなんでもないご婦人に家の世話をしてあげたり、生活の面倒を見てあげたりしていたってことで、大騒ぎになったの。伯父様が、義伯母様に内緒でそんなことをしたりするものだから、これは浮気に違いないってお父様やお母様も真っ青になって、伯父様は二日にわたって仕事を休んで義伯母様に言い訳をし続けて、伯父様の補佐官や秘書たちまで家に行って伯父様の潔白を訴えたのだけど、結局そのご婦人を伯父様が世話した経緯はいまだに謎なの」
「それは……やんごとなきお方から頼まれたからでは?」
「多分、ね。お兄様が耳にした噂では、その頃、前王陛下の弟君に身分違いの恋人がいらして、当時の王太后様がものすごく反対されたから殿下は伯父様に泣きついたんですって。伯父様は身分違いの恋をして結婚した人だから、王弟殿下から同士だと思われたんでしょうね。で、その恋人を一時的にかくまっていたのが伯父様だろうってことらしいのだけど、当時の王太后様に王弟殿下の恋人の居場所が漏れるといけないってことで伯父様も補佐官も秘書たちもご婦人の素性だけは絶対に義伯母様に話さなかったの。義伯母様は、自分が妻として信用されていないし愛されていないんだって激昂して十日くらい伯父様をお屋敷に入れなかったのよ」
「――――ふうん?」
「義伯母様から、万が一夫が浮気したら、毅然とした態度で対処しなさいって先日もお手紙をいただいたわ」
「……僕は、貴女だけを愛してるって言ったばかりだけど、聞いてくれていた?」
「えぇ」
「今夜、貴女を抱けないからといって浮気に走るようなことはしないよ?」
「わかっているわ」
にっこりとベルティーユは微笑んだが、オリヴィエールにはそれが本心からの笑顔には見えなかった。
つい最近まで、彼女が王の愛妾になるのではないかと戦々恐々としていた自分が、なぜ浮気の予防線を張られるのかが理解できなかった。
(それだけ、ベルが僕のことを愛してくれるようになったという証拠なのかもしれないけれど)
とりあえず、今度帰国した際に宰相と顔を合わせる機会があったら話題にしてみよう、とオリヴィエールは考えながら、愛する妻に接吻をした。
就寝の時刻になり、オリヴィエールが暖炉の前で読書をしていたベルティーユに声をかけると、突然質問が飛んできた。
「お役目?」
「そう。こちらの国王陛下には三人も妾妃様がいらっしゃるのでしょう? 王妃様はお元気そうだったけれど、なにか王妃様にご支障があって妾妃様がいらっしゃるのではないの?」
「別に、王妃様にご支障はないんじゃないかな。王妃様が公務をおそろかにされるという話は聞いたことがないし、国王と王妃様が不仲だという話もいまのところないよ」
「でも、妾妃様はお役目があるから、いらっしゃるわけでしょう? 妾妃様たちはお子様をお産みになっているようだけど、王妃様との間にもお子様はいらっしゃるようだし……」
まったく理解できない、という表情でベルティーユは読みかけの本に栞を挟んで閉じる。
「こちらの国では、妾妃様たちは特に政治的な役目は担ってないと思うよ。有り体に言えば、王の愛人だよ」
「……愛人?」
「王妃も公認の愛人が愛妾だ。王宮内に部屋を賜り、王の寵愛を得るためだけに存在している。愛妾が三人もいるってことは、王はそれなりに色好みなのかもしれないね」
「色好み……というのは女性が好き、ということ?」
「そういうことになるね」
まだ理解しきれていないベルティーユが昼間のような困惑した表情を浮かべる。
オリヴィエールもベルティーユ相手にあまりあけすけな説明ができず、慎重に言葉を選んだ。
「僕はベルだけを愛しているし、貴女だけがそばにいてくれれば満足だし、他の女性には興味がないけれど、この国の王はそうではないってことだよ。王妃様とは政略結婚だそうだから、不仲ではないけれどそれほど親密でもないのかもしれないね。そうなると、自分が気に入った女性を妾妃としてそばに置きたいと思うのかもしれないよ」
「それが、妾妃様?」
「そう」
「じゃあ……愛妾は?」
「同じだね」
オリヴィエールが答えると、ベルティーユは黙り込んだ。
「妾妃も愛妾も、王と閨をともにして寵愛を得る存在だよ。貴女が想像しているのとは、すこし違うだろうね」
「……かなり、違うわ」
「そう?」
「だって、妾妃様との間にあんなにお子様がいらっしゃるなんて……」
「どの国の王家でも円滑に次の代へ王位を譲るためにも、後継者不足だけは避けなければならないんだ。だから、王が子供を作れる身体であることを証明するためにも、この国では妾妃は必要とされているんだよ。もし王妃様との間に子供ができなかった場合、どちらに問題があるのかを確認する必要が出てくるからね。だから、ロザージュ王国の王は妾妃を持って、妾妃との間に子供を作ることが多いんだ。僕に言わせれば、王妃様との間に何年も子供ができないならともかく、結婚して早々に妾妃を持つのはどうかと思うんだけどね。結局のところ、好色なんだろうな」
「王妃様を、愛していらっしゃらないのかしら?」
「どうだろうね。人の気持ちなんて見えないからわからないよ」
「……そうね」
「貴女の気持ちも、僕には見えないんだけどね」
椅子に座り込んでいるベルティーユの前に跪くと、オリヴィエールは彼女の手に自分の手を重ねた。
「僕はベルを独占したい。だから、誰か他の男が貴女に接吻をしたり、抱きしめたりするなんて想像するだけで、頭に血が上りそうになる。貴女の肌に触れていいのは夫である僕だけのはずだし、僕から貴女を奪おうとする者は躊躇なく排除するよ。僕は貴女だけのものだし、貴女は僕だけのものだと思ってる」
「えぇ、そうよ」
暖炉の炎に照らされるオリヴィエールの顔をじっと見つめ返しながらベルティーユは頷く。
「じゃあ、もう誰かの愛妾になるなんて言わないで。貴女は僕の妻なのだから、僕だけを愛すると約束して?」
「……約束するわ」
「愛してると言って欲しいな」
「……愛してるわ、オリヴィエール」
ほぼ無理矢理言わせた自覚はあるものの、オリヴィエールは満足げに微笑むと、愛妻に接吻をした。
なんど唇を重ねても、いつも恥じらうように頬を染めるベルティーユの初々しい反応が愛おしく、オリヴィエールは椅子の背もたれに相手を押しつけるように迫って繰り返し口づけた。
ほうっとベルティーユが軽い息を吐いて唇を開いた隙に舌を差し込み、中を味わう。晩餐で出た葡萄酒の味がかすかに口の中に残っている。相手の舌を絡め取るように自分の舌を動かし、情欲を煽る。
ベルティーユは軽く目を伏せているので、長い睫が影になって目元を彩っている。薄紅色に染まった柔らかな頬を指の背で撫でると、気持ちが良いのか喉を鳴らして指に頬を預けてくる。
空いている手の指を髪に絡ませ、彼女が感じやすい首筋を指先で撫でる。びくっと全身を震わせて大きな目を開けた彼女の瞳には熱が宿っているのが読み取れた。
オリヴィエールが重ねていた唇をゆっくりと離すと、ベルティーユが物足りなそうな顔で黙って見つめてきた。
ねだるような視線を一瞬向けられるだけで押し倒したくなる自分の本能をなだめながら、オリヴィエールは囁く。
「愛しているよ、ベルティーユ」
「わたしも……愛しているわ」
「僕に、どうして欲しい?」
「…………接吻して欲しい、わ」
うつむきながらベルティーユが小声で答える。
「それから?」
「……抱きしめて」
「その後は?」
「…………それだけで十分よ」
ものすごく慎重な答えがベルティーユから返ってきた。
「ベル、疲れてる?」
「すこしだけ。あなたもお疲れでしょう?」
「こうして貴女に触れているだけで疲れはすぐに癒えるよ」
オリヴィエールが答えると、ベルティーユは困った顔をした。
「明日は午前中から他国の大使の方々にご挨拶回りをしなければならないでしょう?」
「――そうだね」
諭すようなベルティーユの口ぶりから、彼女が誘いに乗る気がないことをオリヴィエールは察するしかなかった。
残念そうに肩を落とすと、ベルティーユが黙って様子を窺うような目つきをする。
「あ、そういえば、ルイは知らないようだったけれど」
ふっと思い出したように、ベルティーユが喋り出した。
「伯父様って一度だけ浮気疑惑が持ち上がったことがあるの」
「え?」
突然なにを言い出すのかと思いつつ、オリヴィエールは黙って先をうながす。
「ルイが外国へ遊学していた最中だったから、義伯母様もジャンも話していなかったんでしょうね。伯父様が、親戚筋でもなんでもないご婦人に家の世話をしてあげたり、生活の面倒を見てあげたりしていたってことで、大騒ぎになったの。伯父様が、義伯母様に内緒でそんなことをしたりするものだから、これは浮気に違いないってお父様やお母様も真っ青になって、伯父様は二日にわたって仕事を休んで義伯母様に言い訳をし続けて、伯父様の補佐官や秘書たちまで家に行って伯父様の潔白を訴えたのだけど、結局そのご婦人を伯父様が世話した経緯はいまだに謎なの」
「それは……やんごとなきお方から頼まれたからでは?」
「多分、ね。お兄様が耳にした噂では、その頃、前王陛下の弟君に身分違いの恋人がいらして、当時の王太后様がものすごく反対されたから殿下は伯父様に泣きついたんですって。伯父様は身分違いの恋をして結婚した人だから、王弟殿下から同士だと思われたんでしょうね。で、その恋人を一時的にかくまっていたのが伯父様だろうってことらしいのだけど、当時の王太后様に王弟殿下の恋人の居場所が漏れるといけないってことで伯父様も補佐官も秘書たちもご婦人の素性だけは絶対に義伯母様に話さなかったの。義伯母様は、自分が妻として信用されていないし愛されていないんだって激昂して十日くらい伯父様をお屋敷に入れなかったのよ」
「――――ふうん?」
「義伯母様から、万が一夫が浮気したら、毅然とした態度で対処しなさいって先日もお手紙をいただいたわ」
「……僕は、貴女だけを愛してるって言ったばかりだけど、聞いてくれていた?」
「えぇ」
「今夜、貴女を抱けないからといって浮気に走るようなことはしないよ?」
「わかっているわ」
にっこりとベルティーユは微笑んだが、オリヴィエールにはそれが本心からの笑顔には見えなかった。
つい最近まで、彼女が王の愛妾になるのではないかと戦々恐々としていた自分が、なぜ浮気の予防線を張られるのかが理解できなかった。
(それだけ、ベルが僕のことを愛してくれるようになったという証拠なのかもしれないけれど)
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