愛することはないと言った婚約者は甘い罠を仕掛けてくる〜声なし少女と訳ありの結婚〜

前澤のーん

文字の大きさ
72 / 80
番外編

※4

しおりを挟む
 

 ガタガタと揺れる馬車の中。

「あぁっ、やっ……まっ……っぅん……」
「……大丈夫。車輪の音がうるさいから外に聞こえないよ」

 濡れた蜜壷に指を差し込まれてかき混ぜられれば、声が止まらずツーツェイは慌てて空いた手で口を塞ぐ。車輪の音に紛れて、自らの蜜音がぐちゃぐちゃといやらしく響くのに恥ずかしさで顔が熱い。
 片方の空いた手は、背後から覆いかぶされて逃げ場のない狭い馬車の壁につく。

「そ……そういうこと……あぁっ、じゃなくて……っんん!」
「ん、どういうこと?    あぁ、また床を濡らしてるのが気になるの?」
「ああぁっ!   ちがっ……ああぁっ!!」
「」

 ポタポタと蜜壷から溢れて落ちる蜜が床に広がる。太ももにも垂れてワンピースを濡らして色を変えてしまっている。

(こんなところで……)

「気にしなくてもすべて綺麗に戻してあげるから」

 ふっと笑うテオドールがツーツェイの顎を持ち上げて後ろから唇を塞いだ。ぬるりと口内に侵入してくる舌を拒否できず深く絡みあう。口内から溢れた唾液が絶え間なく口の端から垂れて、それも床に落ちていく。

「うぅ……っんんっ……ふっ……んん」

(んん……気持ちいい)

 こんなところでこんなみだらな行為をしていることに恥ずかしさを覚えるけれど……。

「はぁ……ん…ツェイ……」

(ッ……)

 見上げたテオドールの美しい顔が欲望に満ちて、苦しげに眉が寄るのがたまらなく感じる。この顔は自らしか見れないのだという独占欲と優越感。
 あの誰もが羨望する美しいテオドールとこんなに情欲に満ちた行為をしているということがなによりもツーツェイの下腹部の奥を疼かせた。

(うぅ、我ながら悪女だわ)

「……なんだか嬉しそうだね?」
「ッ!!    ち、ちが……ああああっ!?」

 いきなり中にズプリと埋められていく熱く硬い肉棒。何度か経験するうちにその苦しさですら快感を感じるようになっていた。
 それもわかったうえで、テオドールにいきなり激しく突き揺さぶられて視界が快楽の涙で歪む。

「ふふ……ツェイ……腰揺れてる」
「ちがぁ……勝手に揺れ……ああぁっ!」
「本当に?   さっきから良いところに当ててるようにしか見えないんだけど」
「ああぁっ、ちが……ああっ、ちがうも……あぁっ!」

 ワンピースがはだけて露になる白い肌の腰をつぅと這う長い指先。馬車の中という、ガタガタと揺れるせいで勝手に身体が揺れて中にある肉棒でさらに感じるところを刺激してしまう。

「はっ……あぁ、可愛い」

 ちゅっと耳につく髪飾りに口付けを落とされる。

「ツェイは本当は王女様なのにこんなことして……悪い子だね」
「あああっ……あぅっ、ううっ……ああっ」
「ずっと蜜が垂れてる。もう床がびしょびしょ。僕が白魔術使えなかったらどうするつもり?」
「っぅ……あああっ、んんっ……」
「……あぁ、でもそれか……」

 ――――『このままにしておこうか?』

 そう耳元で甘く囁かれて、耳に舌を入れられて背筋がぞくぞくと跳ねる。

「や、やだぁ、だめっ……ああぁっ!!」
「は……みんなに知られちゃうね。馬車の中でこんなことしてるって」
「やぁっ……あああっ、やだぁ……あああっ」
「いや?   いやなら腰動かすのやめないと」

 迎え入れるように動きに合わせて腰を動かしてしまうのに上から意地悪そうに笑う。
 何度も激しく肌がぶつかる音が響く度に、互いの繋がるところから行き場をなくしたドロドロに絡み合った蜜が弾け飛んで辺りに散らばっていく。

 馬車の中を汚していくのに満足気に笑って、また強く貫かれた。

(うう、行為中のテオドール様は意地悪だ!)

 でも悪いテオドールも好きだとなんとも恥ずかしい惚気を脳内で繰り広げてしまう。

「はぁ……可愛い、ツェイ……ねぇ、僕が一番?」
「ああぁっ……っあああ、いちば……」
「一番綺麗?  一番好き?」
「ああぁっ、そんな……あああっ、んんっ」
「ねぇ……早く答えて、ツェイ」

 ――――パンッ!!

 言葉を急かすように強く貫かれて、その衝撃に口が開いて高い嬌声があがる。

「あああっ、いちば……テオドールさ……いちばっ、きれっ……あああっ、いちばん好きぃ……ああっ!!」
「……ん、可愛い。僕も一番ツェイが好き」
「あああっ、んんっ……ああっ」

 普段テオドールはツーツェイに気を使ってあまりこういうことは聞いてこない。気持ちを押し殺すことになれているんだろうと思う。だからその分……。

(えっちのときに責めながら聞いてくるのは反則だと思う!!)

 ギャップが殺す気なのかというくらいの破壊力がある。

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

【完結】愛する人はあの人の代わりに私を抱く

紬あおい
恋愛
年上の優しい婚約者は、叶わなかった過去の恋人の代わりに私を抱く。気付かない振りが我慢の限界を超えた時、私は………そして、愛する婚約者や家族達は………悔いのない人生を送れましたか?

もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

旦那様に愛されなかった滑稽な妻です。

アズやっこ
恋愛
私は旦那様を愛していました。 今日は三年目の結婚記念日。帰らない旦那様をそれでも待ち続けました。 私は旦那様を愛していました。それでも旦那様は私を愛してくれないのですね。 これはお別れではありません。役目が終わったので交代するだけです。役立たずの妻で申し訳ありませんでした。

立派な王太子妃~妃の幸せは誰が考えるのか~

矢野りと
恋愛
ある日王太子妃は夫である王太子の不貞の現場を目撃してしまう。愛している夫の裏切りに傷つきながらも、やり直したいと周りに助言を求めるが‥‥。 隠れて不貞を続ける夫を見続けていくうちに壊れていく妻。 周りが気づいた時は何もかも手遅れだった…。 ※設定はゆるいです。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

今さらやり直しは出来ません

mock
恋愛
3年付き合った斉藤翔平からプロポーズを受けれるかもと心弾ませた小泉彩だったが、当日仕事でどうしても行けないと断りのメールが入り意気消沈してしまう。 落胆しつつ帰る道中、送り主である彼が見知らぬ女性と歩く姿を目撃し、いてもたってもいられず後を追うと二人はさっきまで自身が待っていたホテルへと入っていく。 そんなある日、夢に出てきた高木健人との再会を果たした彩の運命は少しずつ変わっていき……

処理中です...