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勇者と魔王のダンジョン攻略7
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結局のところ、ヴォーパルバニーであるアリスと、フォックステールであるクレア、そして勇者であるユノの三人にかかれば、階層を突破するなど簡単なことだった。
「やることが……ない」
後ろでちょこちょこ弓で支援をしていたルシアだったが、途中からはそれすらもすることがなくなりただ立っているだけで終わってしまう。
「結局、今の俺なんかよりよっぽど三人の方が強いってことか」
必死に倒したはずのオークは五階層に上るころには通常の敵として現れるようになってきた。しかも、それをたった一太刀でユノが切り捨て、アリスに至ってはその小さい体から放たれる一撃で風穴を開けて殺す始末。
役割のない指揮官は所詮その程度で、後ろに突っ立っている以外にやることがなかった。
「主様ー、終わりましたぞ」
そう言いながら、クレアが近づいてくる。
「よくやったな……」
そうしてクレアの頭をなでる。これで、士気が上がるのであればそう言ったことが例え苦痛であったとしてもやっておこうとルシアは考えていた。
「あの……ルシア……さま」
「アリスも良くやった」
同じようにアリスの頭を撫でる。この姿になって魔王でもないルシアに対して、頭をなでる程度で戦力のアップが図れるのなら安いものだ。
「ルシア、私も……」
恥じらう乙女のような仕草でユノが同じようにせがんでくる。
「いや、お前にはやらねえよ?」
「何でですかっ!」
心外だと言わんばかりにユノが怒ったような表情を作った。
「なんでって……」
「何でですかっ!」
再び強い口調で聞いてくるユノにたじろぎながらも、ルシアはため息をついて気だるそうにジトッとした目を向ける。
「子供と同じように構ってほしいのか?」
「構ってほしいとは失礼ですね!」
「いや、どう考えてもそうだろ」
「私を子供だと言いたいのですかっ!」
「そうは言ってないって……」
呆れたような口調のルシアのルシアに気が付いていないのか、ユノはなおも食い下がってくきた。
「そんなことよりもカルロスは見つからないな」
「そうですね。死体にもそれらしいのは無いですね」
なんとか話題を逸らすことに成功しつつも、ルシアはかすかに聞こえる音がするダンジョンの奥へと目を向ける。
「聞こえるか……?」
「うむ、これは……」
「剣戟の響き……なのです……」
ルシアの問いかけに二人の耳が同時にぴくりと反応する。
「もしかしたら、まずいかもしれませんっ! 行きますよ!」
勇者らしく先陣を切って走り始めるユノに続いて三人も駆けはじめる。
「この感じ……おそらくダンジョンの階層主と誰かが戦っている感じですね」
「戦っている……ということは相当な手だれなのですね」
「こんな音が響くのであれば近接戦じゃの」
そんな意見を言い合いながらも全力で走るルシアよりも少しだけ早く三人は走っていた。
「なんで……この速度で……そんなに……悠長に会話できるんだよ……」
息絶え絶えになりながら、ルシアはただ三人に追いつくようにがむしゃらに走る。
「この先……ですね。ここがダンジョンのボスがいる場所みたいです」
ようやくたどり着いたダンジョンの最上部と思われる場所で、ユノは扉の奥から響いてくる激しい剣戟の音を聞く。
「……入るか」
ルシアの声と共にユノがその扉を開けて、中に駆け出した。
中に入った瞬間、ルシアは目を見開く。
「なんで……」
その声は、剣戟の響きによってかき消された。
それはユノも同様のようでルシア同様に立ち尽くしている。ただ、ルシアとユノは見ていた先が違った。
ユノはフードで顔を隠し、細身の剣を握って戦う人間に、ルシアはその人間と対峙するように自らの爪を武器として戦うウォーウルフに、それぞれの視線を見つめていた。
ウォーウルフの首にはアリスがされていたのよりもさらに禍々しい色をした宝玉があしらわれた首輪がされている。
「アリス……あの人間からウォーウルフを遠ざけることはできるか?」
「それくらいならできるのです……倒せと言われると多分無理なのです」
「大丈夫だ。クレア、アリスが遠ざけたら二人を隔離してくれ。できるか?」
「わらわなら、可能じゃなっ! 任せるが良いぞ主様っ!」
頼られたのが相当嬉しいのか、えっへんと胸を張って詠唱の体勢に入ろうとする。
そんなクレアにそっとルシアは身を屈めて耳打ちをした。
「もう一度、あの薬を使う。魔力の探知ができないように、結界を張ってくれ」
「主様、ご自分が魔王様であられることを忘れてしまわれたのですか? わらわに魔王様の魔力が探知できぬようにすることなど無理なのじゃ……魔力が持ちませぬ」
しょんぼりとクレアの自慢の耳と尻尾が垂れる。自分自身の不甲斐なさに悔しさを隠しきれていない。
「これを使ってもか?」
そう言いながら黒い球体をルシアはクレアの手に握らせる。
「一時的にでいい。効果が切れる前には終わらせる。俺の方も全盛期の10分の一以下しか力を出せないし、なるべく力を抑える」
「やってみますが、わらわの力で抑えられるか謎ですぞ?」
「それで良いから、やってくれ」
「わかったのじゃ……。わらわにお任せくだされ」
しぶしぶといった表情で頷いたクレアの頭を撫でて、ルシアは未だに放心しているユノの方に向き直る。
「おいユノ……って、どうしたんだ?」
固まっているユノをみて、ルシアはその肩を叩いた。
「いえ……あの太刀筋が知り合いに似ていたもので……」
「じゃあ、確かめてみるか?」
「確かめる……ですか?」
未だ止まない剣戟の響きを聞きながら、ユノは小首を傾げる。
「俺もあのウォーウルフに用事があってな。こっちはクレアとアリスと俺の三人で引き受けるから、知り合いに似ている方をちょっと引きつけてくれ」
「わかりました。あの太刀筋はあの人以外に考えられません。そちらは私が引き受けましょう」
「じゃあ、行くぞ。アリスっ!」
「はい、なのですっ!」
瞬間、アリスが立っていた地面がその脚力に耐え切れずひび割れ、隆起した。
爆発的な速度で勢いよくウォーウルフにその拳を叩き込む。
「っち……邪魔しやがってっ!」
鈴のような声で人間が呟くようにアリスに言い放つ。
ウォーウルフの方は怒りに駆られて咆哮を上げながらも、その威力に逆らうことなく弾き飛ばされた。
「お前から殺すっ!」
何かに駆られたような声とと共に人間がアリスに襲いかかる瞬間、ユノがアリスを庇うようにその場に立つ。
「させません」
繰り出される剣を自らの剣で防ぎながら、ユノは相手を見つめて距離をとる。
「まったく……何度も邪魔を……なんだお前、ユノか……邪魔をするな」
「今だ、クレア」
二人が離れたのを見つけて、ルシアが指示を出す。
「わかっておるっ! ガイアグレイブっ!」
クレアの声と共に対峙してた二人を囲む周りの土が盛り上がり、二人だけの空間を作っていく。
それはまるで、二人の墓を作っているようなイメージだ。
「じゃあ、こちらも始めるとするか」
ルシアのその言葉に反応しクレアも自身が渡された丸薬を口の中に放り込む。
「インビジブルフィールドっ!」
二人を包み込んでいる岩の塊に向けて、クレアがさらに魔法をかける。その顔は心なしか、少しキツそうだ。
「頼んだぞ……」
そんなクレアを横目に見ながらルシアはウォーウルフの方へと向かい距離を詰めるように歩き始めた。
「やることが……ない」
後ろでちょこちょこ弓で支援をしていたルシアだったが、途中からはそれすらもすることがなくなりただ立っているだけで終わってしまう。
「結局、今の俺なんかよりよっぽど三人の方が強いってことか」
必死に倒したはずのオークは五階層に上るころには通常の敵として現れるようになってきた。しかも、それをたった一太刀でユノが切り捨て、アリスに至ってはその小さい体から放たれる一撃で風穴を開けて殺す始末。
役割のない指揮官は所詮その程度で、後ろに突っ立っている以外にやることがなかった。
「主様ー、終わりましたぞ」
そう言いながら、クレアが近づいてくる。
「よくやったな……」
そうしてクレアの頭をなでる。これで、士気が上がるのであればそう言ったことが例え苦痛であったとしてもやっておこうとルシアは考えていた。
「あの……ルシア……さま」
「アリスも良くやった」
同じようにアリスの頭を撫でる。この姿になって魔王でもないルシアに対して、頭をなでる程度で戦力のアップが図れるのなら安いものだ。
「ルシア、私も……」
恥じらう乙女のような仕草でユノが同じようにせがんでくる。
「いや、お前にはやらねえよ?」
「何でですかっ!」
心外だと言わんばかりにユノが怒ったような表情を作った。
「なんでって……」
「何でですかっ!」
再び強い口調で聞いてくるユノにたじろぎながらも、ルシアはため息をついて気だるそうにジトッとした目を向ける。
「子供と同じように構ってほしいのか?」
「構ってほしいとは失礼ですね!」
「いや、どう考えてもそうだろ」
「私を子供だと言いたいのですかっ!」
「そうは言ってないって……」
呆れたような口調のルシアのルシアに気が付いていないのか、ユノはなおも食い下がってくきた。
「そんなことよりもカルロスは見つからないな」
「そうですね。死体にもそれらしいのは無いですね」
なんとか話題を逸らすことに成功しつつも、ルシアはかすかに聞こえる音がするダンジョンの奥へと目を向ける。
「聞こえるか……?」
「うむ、これは……」
「剣戟の響き……なのです……」
ルシアの問いかけに二人の耳が同時にぴくりと反応する。
「もしかしたら、まずいかもしれませんっ! 行きますよ!」
勇者らしく先陣を切って走り始めるユノに続いて三人も駆けはじめる。
「この感じ……おそらくダンジョンの階層主と誰かが戦っている感じですね」
「戦っている……ということは相当な手だれなのですね」
「こんな音が響くのであれば近接戦じゃの」
そんな意見を言い合いながらも全力で走るルシアよりも少しだけ早く三人は走っていた。
「なんで……この速度で……そんなに……悠長に会話できるんだよ……」
息絶え絶えになりながら、ルシアはただ三人に追いつくようにがむしゃらに走る。
「この先……ですね。ここがダンジョンのボスがいる場所みたいです」
ようやくたどり着いたダンジョンの最上部と思われる場所で、ユノは扉の奥から響いてくる激しい剣戟の音を聞く。
「……入るか」
ルシアの声と共にユノがその扉を開けて、中に駆け出した。
中に入った瞬間、ルシアは目を見開く。
「なんで……」
その声は、剣戟の響きによってかき消された。
それはユノも同様のようでルシア同様に立ち尽くしている。ただ、ルシアとユノは見ていた先が違った。
ユノはフードで顔を隠し、細身の剣を握って戦う人間に、ルシアはその人間と対峙するように自らの爪を武器として戦うウォーウルフに、それぞれの視線を見つめていた。
ウォーウルフの首にはアリスがされていたのよりもさらに禍々しい色をした宝玉があしらわれた首輪がされている。
「アリス……あの人間からウォーウルフを遠ざけることはできるか?」
「それくらいならできるのです……倒せと言われると多分無理なのです」
「大丈夫だ。クレア、アリスが遠ざけたら二人を隔離してくれ。できるか?」
「わらわなら、可能じゃなっ! 任せるが良いぞ主様っ!」
頼られたのが相当嬉しいのか、えっへんと胸を張って詠唱の体勢に入ろうとする。
そんなクレアにそっとルシアは身を屈めて耳打ちをした。
「もう一度、あの薬を使う。魔力の探知ができないように、結界を張ってくれ」
「主様、ご自分が魔王様であられることを忘れてしまわれたのですか? わらわに魔王様の魔力が探知できぬようにすることなど無理なのじゃ……魔力が持ちませぬ」
しょんぼりとクレアの自慢の耳と尻尾が垂れる。自分自身の不甲斐なさに悔しさを隠しきれていない。
「これを使ってもか?」
そう言いながら黒い球体をルシアはクレアの手に握らせる。
「一時的にでいい。効果が切れる前には終わらせる。俺の方も全盛期の10分の一以下しか力を出せないし、なるべく力を抑える」
「やってみますが、わらわの力で抑えられるか謎ですぞ?」
「それで良いから、やってくれ」
「わかったのじゃ……。わらわにお任せくだされ」
しぶしぶといった表情で頷いたクレアの頭を撫でて、ルシアは未だに放心しているユノの方に向き直る。
「おいユノ……って、どうしたんだ?」
固まっているユノをみて、ルシアはその肩を叩いた。
「いえ……あの太刀筋が知り合いに似ていたもので……」
「じゃあ、確かめてみるか?」
「確かめる……ですか?」
未だ止まない剣戟の響きを聞きながら、ユノは小首を傾げる。
「俺もあのウォーウルフに用事があってな。こっちはクレアとアリスと俺の三人で引き受けるから、知り合いに似ている方をちょっと引きつけてくれ」
「わかりました。あの太刀筋はあの人以外に考えられません。そちらは私が引き受けましょう」
「じゃあ、行くぞ。アリスっ!」
「はい、なのですっ!」
瞬間、アリスが立っていた地面がその脚力に耐え切れずひび割れ、隆起した。
爆発的な速度で勢いよくウォーウルフにその拳を叩き込む。
「っち……邪魔しやがってっ!」
鈴のような声で人間が呟くようにアリスに言い放つ。
ウォーウルフの方は怒りに駆られて咆哮を上げながらも、その威力に逆らうことなく弾き飛ばされた。
「お前から殺すっ!」
何かに駆られたような声とと共に人間がアリスに襲いかかる瞬間、ユノがアリスを庇うようにその場に立つ。
「させません」
繰り出される剣を自らの剣で防ぎながら、ユノは相手を見つめて距離をとる。
「まったく……何度も邪魔を……なんだお前、ユノか……邪魔をするな」
「今だ、クレア」
二人が離れたのを見つけて、ルシアが指示を出す。
「わかっておるっ! ガイアグレイブっ!」
クレアの声と共に対峙してた二人を囲む周りの土が盛り上がり、二人だけの空間を作っていく。
それはまるで、二人の墓を作っているようなイメージだ。
「じゃあ、こちらも始めるとするか」
ルシアのその言葉に反応しクレアも自身が渡された丸薬を口の中に放り込む。
「インビジブルフィールドっ!」
二人を包み込んでいる岩の塊に向けて、クレアがさらに魔法をかける。その顔は心なしか、少しキツそうだ。
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