反ぐれ新選組血風禄

献残屋藤吉郎

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殺(や)られたら死をもって

殺(や)られたら、死を持って

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「殺(や)られたら、、死を持って」
        原作者 献残屋藤吉郎

「朝焼けはコバルトブルー」

ある一人の男の「物語、、。。。。

いつも朝方に寝る。この男の仕事は「殺し屋」だ。

だから夜に餌を探す虎のように、獲物を襲うことが多く、日の中は寝ている。。。。。

午後3時を過ぎると目を覚ます。男の行動は闇に包まれていた。

友達もなく、起きてからは一緒に暮らしているボクサー犬の「小虎」との散歩が日々の日課だ。

決まって、午後の5時ごろに電話が入る。

男はその電話で行動を起こしている。

電話が鳴る。。。。。。

男は準備を。。。身支度をして出かける。

1)殺しのはじまり。

殺し屋は「虎の牙」と言われている。

仕事はいつも電話で始まり、依頼者と会うことはない。依頼者はいつも一人の人間からだ。

名前は「影の総裁」と名乗り、本人かどうかは暗号番号がある。

「殺しの009」だ。

常に影の総裁から連絡があってから「虎の牙」は依頼事項を確認している。そのあとで、虎の牙は行動を

起こす。

依頼事項の終了確認は影の総裁が確認している。

成功報酬については、その都度に受け取り方が変更になった。その方法は虎の牙からの指示に従った。

とにかく、二人が直接に会うことは避けた。

虎の牙が「殺し」を請け負うようになったのは、彼が20歳の時に喧嘩でやくざな男を殺してしまい、偶然にもその死体が出なくなってしまったのである。それは船の上での喧嘩で、殺した男が海に落ちてしまい、出てこなかったので、当時の虎の牙は、死体は海に沈み、魚の餌になったものと。。。。。

その時に人を殺したら、その始末は「餌」にすることがいいんだと。。。

そんなことで、今も殺しの後始末は「餌」に。

。。。。。(現実にあった話。。。。九州地方のあるやくざの組織組員がロシアからの麻薬の密輸秘密を警察に話してしまい、その見返りで、保釈になったが、。その組員は殺されてしまい、ニワトリの餌になった話。残酷な話ではあるが、その組員は殺され、肉のミンチにされてしまったのである。)

実際に殺され、行方不明になっている話はいくらでもあるような。。。。

例えば殺され、ドラム缶に、コンクリート詰めにされたり、産業廃棄物処施設に埋められたり、焼却されたり、いろいろである。死体が出てこなければ、殺人は成立しないように。。。。人の世は恐ろしい。。。。


2.殺しの鉄則

虎の牙が「殺しを請け負う」には掟というか、決め事があった。

一つ。。。標的に「非」があること。

二つ。。。依頼者とは会わない。すべて、虎の牙の指示で行動

     すること。

三つ。。。依頼後、調査の後に、虎の牙から合意が得られてか   

     ら作業が始まる。



四つ。。。作業終了の確認は依頼者がする。

五つ。。。報酬の支払いは「虎の牙」の指示で、その都度に方     

     法を変える。

以上を守ることが原則であり、変えことはない。

「殺しの標的」に非が認められない場合は、どれだけの報酬が示されても、「殺し」を請け負わない。「非」認められたなら、報酬に上下はなく。虎の牙は引き受けるのであった。

また、依頼者である「影の総裁」も、それは理解していた。

「影の総裁は」は新宿区鶴巻町の貸ビルの中で「なんでも屋相談請負業」を営んでいる。古びたビルの2階の一室に事務所兼住まいを構えている。電話番と賄いをしている女性一人が通い、普段は留番番をしている。「影の総裁」の名前は御影守、普段は事務所に出入りしている仲間と麻雀をしていることが多い。彼の事務所は机と応接セットがおいてあり、寝室には麻雀セットがおいてある。

彼の仕事はなんでも屋であり、トラブルや人生借金問題で困っている人が訪ねてくるような。。。。

麻雀仲間には特ダネスクープ記者の徳山萌と警視庁新宿警察安全課の安田信一郎がいる。みんな怠け者で仕事が嫌いな、世の中のはじけた奴ばかりだ。麻雀のメンバーには一人足りないが、ほかにも暇人が、毎日訪ねてくる。

最近。一人の男がよく訪れる。身元は知れず、金の支払いが綺麗な男で、よき麻雀相手だった。それで怠け者たちからは好かれていた。

令和3年12月ももうすぐ終わる24日、午後に御影万(よろず)相談室の事務所にはじけた奴が3人、それと最近訪れ、麻雀仲間になった男が集まった。最近訪れた男の名前は伊達寅之助と名乗っていた。

「4人そろったので、やるか」と言いながら雀卓に座り、

「彩さん、始まるから準備、頼むわ」と万相談室の賄いの彩さんに声をかけた。

暇人の長い時間つぶしの麻雀が始まった。

麻雀を打ちながら、いつもの世間話をする4人だった。

特ダネスクープ記者の徳山萌(はじめ)が、「室長、最近なんか、銭になるようなネタはないかな」

麻雀仲間では御影守を室長と呼んでいた。

御影守は「一つあるけどな。。。。つい、昨日のことだけど、面白い話があったので、みんなに今日話そうと思っていた。」

と言いながら、昨日相談を受けた話を始めた。

茨城の八郷町の桜井という、もと町長をした人からの相談事だった。息子が建設会社を経営していたけど、談合で騙され、事業に失敗をしてしまったこと、そして、倒産をし、多額の借金をしてしまい、挙句の果ての自殺、その上に取引先の会社の息子と自分の孫娘の婚約が破談になり、娘まで自殺に追い込まれた悲劇を聞いた。

八郷町の桜井氏は何とか息子の借金は弁済したが、可愛いい孫娘まで犠牲になったことへの恨み事から「談合」という卑劣な罠にはめた、競争会社を法的手段に訴えようと弁護士を立て、刑事事件にした。。。刑事事件、民事事件で訴訟を起こしたが揉み消されてしまった。その悔しさを晴らしたいと御影守に依頼してきた。

「騙した側の会社も2部上場であり、その談合の揉み消しに力を貸した政治家、さらには警察、検察の悪徳幹部、そして、倒産に追い込んだ反社会勢力、いわゆる「やくざ」を許せない」と御影守は思った。

世の中の力弱い、人間、精一杯生きようとしてる人間、正々堂々と法的国家の秩序の中で、ルールを守って生きようとする人間を無視して、国家権力や金力で恐怖暴力で、社会のルールを押し曲げて通る人間をグループを許せないのであった。



3.復讐の代行

茨城県八郷町の桜井氏よりの依頼を受けることになった御影守は依頼内容をまとめた、復讐代行を「虎の牙」に依頼することを決めて、虎の牙よりの連絡を待った。

連絡は一方的で御影守から連絡をすることが出来なかった。定期的に先方からの連絡待ちで、それも安全に、後々のことを考え警戒した、証拠を残さない方法で連絡が来るのであった。

虎の牙からは不定期な公衆電話を利用し、「闇の総裁」の決められた携帯電話に掛けられ、一つの依頼仕事が終わると、その電話は破棄することになっていた。あくまでも連絡ごとで、証拠を残さないためであった。

今回も虎の牙の指定する方法で連絡を取り、虎の牙の調査が終わり、了解の連絡が来たら、復讐代行の始まりであった。

御影守のなんでも屋事務所に、今回はいつもの不良雑誌記者の徳山萌、さぼり刑事(安全課警部補)安田信一郎が集まり、今回の依頼ごとの打ち合わせをしていた。この二人には「闇の総裁」の仕事を話していた。トラブル相談業の請負をしていると、但し、橋渡しだけであり、あくまでも仲介だけであって、実際の作業はしていない。

それでも金を受け取って、業を斡旋しているので、早くても遅くても同罪であった。そのために「闇の総裁」の仕事は3人の秘密であった。裏稼業だ。

相談も終わり、昼飯を食べているところに、珍しくやりて、悪徳弁護士の青田明が訪ねてきた。

「しばらくだね、彩さん、俺にも、あんたの美味いかつ丼を食わせてほしいな」といいながら、悪徳弁護士青田明が、3人が囲んでいる雀卓に座った。

「面白い話、ないかね」青田明は何かをかぎ分けるように麻雀パイをいじり始めた。

現在進行中の請負があることを悟られないように、雑談をしながら、麻雀を始め、4人の同じ空間時間は過ぎた。

時間がたつのは速いもので、気が付けば外は冬の夕暮れが、空腹を覚えるような。。。

誰ということはなく、御影事務所の1階の居酒屋「吞兵衛おやじ」に。。。「腹減ったな、飯でも食いながら、一杯やるか」

と云うことになった。

飲みながの話となり、弁護士青田明が執拗に聞き入ってきた。

「本当に、何もないの。。。なんかありそうだな。あるなら、俺にも一枚かませて欲しいな」

「何をおっしゃいますか。。青田先生は何かとお忙しいでしょう」と、特ダネスープ記者の徳山萌が皮肉った言い方で言葉を返した。

「何も今はないよ、あれば相談するから、よろず相談室の麻雀仲間ではないか」と、御影室長が話を濁し、その晩の飲み会は終わった。

欲深な弁護士青田明から翌日、朝早くに御影事務所に電話が入った。

「御影室長。。。起きたね、大事件が。。。民友党幹事長の大畑丈太郎が暗殺されたよ。世の中少しは変わるかな、大物政治家の暗殺だ、これから忙しいな」

と、電話の向こうで、青田明がざわめいていた。

御影守は青田弁護士から連絡のあった前にテレビニュースで、その事実を知った。内心、御影守は。。。やったな、虎の牙が、

いよいよ復讐の代行が始まったと思った。次は何が起こるか、興奮を覚えた。さすが「虎の牙」だと。。。

その日は御影事務所に、特ダネスクープ記者の徳山萌も、警視庁新宿警察の安田信一郎も集まってきた。

そして、さぼり警部の安田信一郎も少し興奮したような面持ちでやってくるなり、俺たちにも応援の声がかかったよ。

「さすが、大物政治家の暗殺事件だよ、俺も少しは警察に貢献したような態度を見せないとな。。。忙しくなるよ。情報は入れるよ。」

特ダネスクープ記者の徳山萌は警察回りが忙しくなるよ、と言いながら、どこか喜んでいるようだった。。。

御影守もニュースに、世の中の動きにアンテナを、ピリピリに張り巡らした。

まかり間違えば、同罪なのだから。


4.殺しの序幕

御影守、闇の総裁たちが段取りした「復讐の代行」が、暗殺者「虎の牙」により始まったことを確認できたような。

最初の復讐の的である衆議院議員の民友党大畑丈太郎が暗殺されたのである。

虎の牙はわざわざ目立つように、世間が大騒ぎするように、人前で銃殺の道を選んだ。その暗殺の手段は、本来は秘密裏にするのが虎の牙であったが、あえて世の中を騒がせ、政府がとる行動、すなわち「揉み消し」の出来ないようにしたのであった。

その意図は御影守もよく理解した。

これで、世間は、政府機関は闇から闇にことを隠すことが出来なくなった。

暗殺事件が起きた翌日には「号外」が出た、そして、報道機関が一斉に報じたのであった。

衆議院議員の補欠選挙の応援演説の大衆の面前で狙撃されたのである。この法治国家の日本で白昼堂々と。。。

狙撃手の虎の牙の射撃技術は500m離れたところから、命中できるものであり、獲物の額を一発で仕留めていた。即死状態で、

幹事長大畑をガードしていたエスピーも何も出来なかった状況であった。

事件のあった夕方、さぼり警部の安田信一郎が、御影事務所に夕食を一緒に食べようと、やってきた。後から特ダネ不良記者の徳山萌も合流した。勿論、居酒屋吞兵衛「おやじ」で。。。

話題は暗殺事件の話であり、さぼり警部安田の話で警視庁は大騒ぎであり、不良記者徳山萌も記事集め、情報集めに忙しかったらしい。

3人は虎の牙の動向を見守り、今後の動きを慎重にすることを、連絡を取り合うことを確認したのであった。

「しかし、復讐の代行で誰からやるのかと思ったら、いきなり、幹事長とはびっくりしたよ」

と3人とも口を揃えた。

「ところで、予想だが、2番手は誰かな、、、虎の牙の筋書きから言ったら、俺は警察官僚と思うんだが。。。どうだろう」

と御影室長は二人に問いかけた。

「なぜ、そう思う。。。どうだろう3人で予想を立ててみようか。。。」

だけど、虎の牙の行動は奇想天外だからと、分からないでいる悪人3人だった。

また、3人は「ところで虎の牙は誰なんだ。。。御影室長」

「知っているのか。。。分かって付き合っているのか」と

ところが、御影室長も知り合い、復讐や報復依頼を頼んでいるが、その正体は分からなかった。

付き合って5年になるが、間違なく、今まで復讐の代行も行われてきたので信用していた。

3人は虎の牙が次に狙う標的は誰かを予想した。

実際に自民党幹事長が狙撃されてから1週間立った朝のニュースで報道された事実を聞いて3人は驚いた。

虎の牙の行動が速すぎて。。。

まさかの狙撃相手だったので。


5.「虎の牙、爪を鋭く」

今朝のテレビニュースで流れてきたのは警視庁の副総裁田島省吾、検察庁の刑事局長林正一の二人の狙撃事件であった。

田島副総裁は自宅玄関前での狙撃で、額に一発の銃弾を受けた。そして、林局長は検察庁玄関での銃弾で額を撃ち抜かれていた。

どちらも一発の銃弾で。。。

この狙撃事件で、今朝は大騒ぎであった。

御影守の仲間の安田信一郎も、招集がかかり、新宿警察安全課に戻ることになった。暇な警部であっても、非常時とみて、

あたふたと戻っていった。

「あとで、連絡するから」と言って。。。」

スクープ記者の徳山萌も、会社に戻るといって、二人は出て行った。

御影も事務所に戻り、何かとせわしくなってきたような、。。、

事件の起きた警視庁も、検察庁も大騒ぎであり、
tうかれた。

検察庁長官から、特別の指示を受けた「特別捜査班」も準備に入った。

特別捜査班の責任者は捜査一課長の鬼島三郎が直接陣頭指揮を執ることになった。

「今回の件は警視庁および全国の警察関係の総力を挙げて捜査に当たる、勿論、幹事長狙撃の件も含めて、警察の威信にかけて犯人検挙を必ず上げること」と特別捜査班の捜査一課長より強い支持があった。

警察および検察庁としては立て続きに狙撃事件が発生し、しかも、重要人物が狙撃されたのであるから警察の対面が丸つぶれであった。何が何でもと非常態勢で臨んだ。

新宿警察安全課の安田信一郎にも、もちろん命令支持は伝わった。

「これは大変なことになった」と内心身に締まる思いがした。自分たちが仕組んだ「復讐の代行」であったが。。。

「早く仲間に知らせ、対策を執らないと」

そんなことで御影とスクープ記者の徳山に連絡をとり、会う約束をした。



6.反撃の兆し

新宿警察安全課の安田信一郎警部は御影と、スクープ記者の徳山萌と呑屋「吞兵衛」で落ち合うことにした.

会ってから3人は誰からともなく、「凄いな、、、動きだしたら早いよ、、こっちサイドもおちおちしていられないぞ」

「そうだな、覚悟を決めて、やらないとな」

3人は今日の虎の牙の動きを見て、やるべきことはやらないと、、、思った筈だ。

新宿警察安全課の安田は、「俺の方も、忙しくなるから、当分は出てこれない。連絡は取らないでいよう」

「そうだな、何かと会わない方がいい、と思う。緊急事態が起きたら、連絡しながら、時間を取ればいいよ」

とスクープ記者の徳山も相槌を打った。

御影守もそう思った。

しかし、御影は気になることがあるので、それは自分で調べることにした。

3人は軽く飲みながら食事をとって別れた。

御影は時の民友党幹事長大畑が、そして警察官僚が二人も銃撃されたのだから、警察もそんなに馬鹿ではないはず。何かの操作目標を見出したに違いない。

今回の警視庁の特別捜査班の中に、明智壮一郎警部が捜査の実務指揮を執っていた。

警視庁きっての敏腕警部との噂もあり、大学時代の同期でもある御影守はその噂を知っているので、少々気になった。

今回の幹事長大畑にしても、銃撃された警察官僚二人には黒い噂があった。そのことから、警察でも黒い噂から捜査するはずと

御影守は見たのであった。

御影守は今回の「復讐の代行」の依頼者に気を配らないと、注意しないと、ならないとつくづく思った。今回の相手は警視庁特別捜査班の明智壮一郎であるから。。。御影守は明智の性格を知っているので、気は抜けないと、、、これから、もっともっと事の成り行きを見なあら、慎重に行動しないと。。。。

御影守はこれからのことを考えて、その日は床に就いた。

次の朝、テレビニュースで相竜会会長が新宿で暴漢に襲われ、死亡したという。。関東きっての広域暴力団の組長でり、政治家、経済界に影響を及ぼす影の暴力組織で、何かと黒い噂の取引には絡んでいた。

御影守はこのニュースを見て、まずいと、、、思った。いつか、政治家、警察官僚、やくざの絡みが、黒いドロドロした組織ぐるみの犯罪が浮き出してくると。。。

あの、明智壮一郎なら、いつかたどり着くのではと心配が脳裏をかすめた。



7.反撃

御影守は筑波山の麓を、青空のもとを車で一人走っていた。そして、柿の木のある大きな瓦葺きの屋根の門を潜って、車を止めた。すっかり秋になって、肌寒さを感じた。

「復讐の代行」の依頼者桜井宅を訪れた。今回が最後の訪問であり、御影守は最終確認を兼ねて、、、、

「桜井さん、依頼通りに進んでいますが、間違いなく、復讐の代行は最後まで行っていいですね」

「はい、よろしくお願いします。」と。。。

「ところで、桜井さん、これからが大変で、いろいろと、先方からの取り調べや、報復が始まるかもしれません。気を付けてください。私どもの方は心配しないでください。」

御影守は細かく話をして、約束は必ず守り、実行することを約束した。そして、今日で連絡を取ることをやめることも、、、、

何かあれば、御影守から連絡を取ることにした。



相竜会本部でも大騒ぎをしていると、スクープ記者の徳山萌から、御影守に連絡が入った。

相竜会本部では、若頭の白木大二郎が幹部を集めて、怒鳴り廻していた。

「馬鹿野郎、、、町岡、手前が付いていて、なんてざまだ、、、」

「とにかく、相手を探せ、何が何でも、警察よりも先に見つけろよ」

相竜会本部では、組員総動員で犯人を追いかる指示がでた。

しかし、新宿で飲んでる席で暴漢に襲われ、そのまま鮮やかに姿を消した暴漢を見つけることは困難だった。相竜会が他の暴力組織との諍いがあるなら、すぐに襲った暴漢を割り出すことは出来たが、争いはなく、組織関係は平穏だったので、。。。

若頭の白木大二郎も手を打つことが出来たのだが、まるっきり、流しの暴漢攻撃だったので、とにかく、警察ではないけど聞き込み情報に頼るしかなかった

若頭の白木大二郎は組関係以外のトラブルを調べ始めた。その考えは正解だった。相竜会自体が経済やくざと言われるようになっていたので、企業関係のトラブルでの恨み絡みではないかと。。。。

最近起きた企業との関係の事業会社を調べた。贈収賄絡み、談合絡み、取り立てトラブルで恨まれた関係の事件を。。。。

いくつかあり、そのうち大きな談合絡みのトラブルで、相竜会が潰した会社があった。その会社を調べていけば、今回の狙撃事件に辿り着くのではと、白木大二郎は考えた。

早速白木大二郎は相竜会顧問の弁護士事務所に連絡を取り調査を依頼した。

その頃、警視庁の特別捜査班の明智壮一郎警部も、今回の相竜会会長狙撃を踏まえて、一連の幹事長、警察官僚との銃殺を組み合わせてみた。とかく黒い噂のある人物とやくざ組長の関係から、企業から恨み、復讐ではないかと、、、、

明智警部もこれらの関係の事件を考えてみた。それらの恨み事件で、人を殺すような復讐劇を調べた。


8.依頼者の反撃



復讐の代行を依頼したつくば市の桜井平左衛門も、ニュースなどから狙撃事件や暴漢の流れを見て、

復讐の代行が進んでいることを知り、行動を移した。

以前から、訴訟を起こしてる「株式会社つくば、代表取締役桜井翔」の談合贈収賄の告訴を起こしたのであった。前回は訴訟を起こしたが証拠不十分で棄却されたのであったが。今回は事件に絡んだ人物、幹事長大畑、警視庁副総裁田島、検察庁刑事部長林、相竜会会長久保と実名が入り、ニュースでも報道されたので、告訴状が提訴された警察も有耶無耶にはできなかった。

訴訟を起こしたことで、桜井平左衛門も覚悟は決めた。当然、警察や相竜会からの反発があると。。。

桜井はわが子とその家族、そして、会社を、その社員たちを陥れた人物を組織を許すわけにはいかないと。

桜井平左衛門の持つ全てを賭けて、望んでいた。

桜井平左衛門も元をたどれば「博徒つくば一家」の末裔であった。先祖は筋の通った一家であったが、三代前から農業に家業を変えたのであり、その身内や家系は近在に散らばっていた。

従って、桜井平左衛門の一声で、気骨のある農業人が集まった。

相竜会の若頭白木大二郎は今回の企業トラブルの相手は「株式会社つくば」と、見当をつけtて、その調査を顧問弁護士事務所に依頼して、その返事を受け取った。

踏査内容を見て、

「そうか、あの時の談合贈収賄で、潰した会社か」

と、頷いた。

それにしても、銃撃、狙撃と見事な暗殺復讐だと感心しながら、実行した奴は凄いと思った。

迂闊にはは行動できないと、、、反撃に備えた。

相竜会の若頭白木大二郎はこれまで、幾度となく白刃の下を潜って来た男であり、これだけの暗殺をする人間は余程、訓練されたもので、稀に増した度胸と頭を持っているものであり、迂闊に動けば、返り討ちになってしまう。

よくよく、調べて行動することに越したことは無いと、彼もまた、覚悟を新たにした。



警視庁特別捜査班の明智壮一郎警部も今回の一連の流れから、桜井平左衛門の談合贈収賄の訴訟を見て、

「これは厄介な事件になったな」と内心不安を抱いた。

そして、この復讐劇はかなり巧妙で、用意周到なものであり、相手は相当に切れ者であるような、、、、

明智壮一郎警部も、厄介であるが、この手ごわい相手に向かうことになった。



9.復讐の代行。。。仲介者



御影守とスクープ記者の徳山萌、そして、新宿警察安全生活課の安田信一郎は、吞兵衛の居酒屋に集まっていた。

「大分、復讐の代行は進んだみたいだな、、、」

「警視庁特別捜査班も復讐劇とみて、その方で動き出したよ。」

「相竜会も復讐の相手を見つけたみたいだ」

「みんな、狙いを株式会社つくばに絞ったみたいだな」

「虎の牙の目的は一つになって、これからが本番だ」

どうなるか、見ものだが、こっちサイドにも火花は飛ぶと思うんで、注意していこうか

御影守たち3人も一段と気を引き締めていくことに再確認した。

株式会社つくばが談合贈収賄で告訴したのは一部上場企業の住善建設株式会社であり、その事実が明らかに報道されてから、日本の建設業界が騒がしくなってきた。談合に加わったであろう、または歪んだ関係が表ざたになって、銃撃事件や暴力沙汰になり、関係者が4人も暗殺された。このことにより、法治国家の日本としては、警察、検察が正式に捜査して、法律の判断を仰がなければならないことになった。

従がって、関係各所はいい加減には、握り潰しは利かなくなっていた。情報開示が義務となり、マスコミ等により、一般に広く知らしめることになった。

これだけ関係各所の重要人物、官僚担当や暴力組織のトップが暗殺されたので、国家や警察立法関係だけの事件解決の開示だけでは済まないような、一般国民にも報じなければならない事態になった。

御影守たち3人は、復讐の代行の事態が現在の日本で、建設業界で抜き差しならない状況に置かれたことによって、依頼人桜井平左衛門の目的が70%達成された思った。虎の牙の作戦は成功したと、、、

最後の仕上げがどうなるか、虎の牙の才覚が楽しみになってきた。



警視庁特別捜査班の明智壮一郎警部は捜査班の人員をそれぞれに分けて捜査を開始した。

「告訴を起こした桜井平左衛門宅は俺が行くから、大木と松山は茨城のつくばへ行く準備をしておいてくれ」

「住善建設への聞き取り、帳簿その他の関係書類の差し押さえ、没収は岡本達で10人で行ってきてくれ、、、」

残りは引き続きの関係者の捜査聞き取りを、しっかりやるように、、、

警察の捜査は着実に進みだした。

そして、明智壮一郎警部は相竜会への捜査は自分が行くことを告げた。

明智壮一郎警部は二人の部下を連れて、桜井平左衛門の門を潜った。

旧家らしく、立派な門構えであり、玄関も広く、庭には池もあり手入れが行き届いていた。玄関先に立ち、家人が出てくるのを待って、思ったことは家の構えから見て、人物も礼儀正しい威厳のある人物を想像した。

出てきた人物は和服姿の似合う眼光鋭い白髪の老人だった。どこから見ても武人であり、鍛錬された侍を思わせた。

「どちら様かな、、、」と、物静かな口調で応対してくれた。

明智壮一郎警部は事情を説明して、応対してくれた白髪の老人にその家の客間に案内された。

客間について、初めて、桜井平左衛門と名乗り、事の仔細を聞かされた。

明智壮一郎警部も事前に調査していて、桜井平左衛門という人物を理解はしていたので簡単に話の内容を認めてもらおうとは思っていなかった。これから時間をかけて攻めないと今回の狙撃事件の絡みについて、

「やった、、、、」とか「やらせた、、、」とかの供述は取れないものと考えていた。

状況話や身の上話などから心の隙を見つけて、攻めないと、本人に会ってみてよく理解できた。今回、訪問して桜井平左衛門の話を聞いて、話してみたが彼の話には一部の乱れも隙も無かった。

桜井平左衛門との聞き取り捜査は自分が来て、良かったと思った。

明智壮一郎警部は今回の訴訟人桜井平左衛門に会って、人柄を知り、生活環境を見てうかつに攻め込めないことを知った。桜井平左衛門の覚悟を知ったのであった。



10.相竜会若頭白木大二郎と警視庁特捜班明智壮一郎警部

相竜会若頭の白木大二郎と、警視庁特捜班の明智壮一郎警部は早稲田大学法学部の同期であった。若頭白木大二郎の方が学生時代は学業成績が優れていて、将来は裁判官か検事になる夢を見ていたし、誰もがそうなると思っていた。しかし、大学3年の終わりに暴力事件を起こしてしまった。

白木大二郎の父親が経営する建設会社が談合贈収賄に巻き込まれ、倒産し、父親が自殺、挙句の果てに謝金の取り立てに家族までもが追い込まれ、家族崩壊したのであった。その取り立てをした暴力団の事務所に彼は単身で乗り込み、組員二人を刺殺し、数人に怪我を負わせた。その結果、彼は逮捕され、殺人障害罪で10年の懲役刑を受けたのであった。

その結果、彼の将来の人生計画は無くなってしまった。

その後の白木大二郎の人生は、明智壮一郎の人生からは消えていた。

再会したときは白木大二郎は相竜会の若頭であった。

そして、明智壮一郎は警視庁きっての敏腕警部になっており、まったく別世界の人間になっていた。



そんなこともあって、白木大二郎は裏社会の経済トラブルを嫌い、その当事者を憎むほどであった。自分がかっては被害者であったにもかかわらず、それらのドロドロした金の亡者を忌み嫌った。

経済やくざといわれながら、談合贈収賄絡みの人間を軽蔑視していた。そんなこともあって、談合贈収賄絡みのトラブルは、どちらかというと、彼は虫唾が走り、喧嘩両成敗という諺通りに潰してしまいたいのであった。

やくざも組織暴力で金がかかり、必要な事項案件となり、組織には逆らえなかった

明智壮一郎警部は今回の銃撃狙撃事件に関して、相竜会も絡んでいるので、一度は白木大二郎若頭と会わなければと思い、連絡を取った。


11.桜井平左衛門の攻防



御影守のなんでも屋相談室に警視庁特別捜査班の明智壮一郎が訪ねてきた。前もって予約を取ってのことだが、、、

御影守は桜井平左衛門のところに警視庁特別捜査班から捜査を受けたことは知らされていたので、いずれは自分のところにも来るとは思っていた。

意外だったのは、相竜会若頭白木大二郎が桜井平左衛門宅を訪ねていたことだった。桜井平左衛門からはどちらも、何事もなく、応対していたということだった。

御影守はそれらの報告を聞いて、警視庁も相竜会も今回の事件で的を絞ってきたと感じた。余程慎重に対応しなければと心構えをして、明智壮一郎に会った。

「初めまして、警視庁特別捜査班の明智です」と言って、警察手帳を見せた.

「御影さん初めてではないんですよ、、、お忘れでしょうが、早稲田大学の柔道部で一緒だったんですよ」

言われてみれば、どこかに、覚えがあった。御影守は遠い昔のことだったので、すぐには思い出せなかった。

「そうでしたか、、記憶が薄れていて、申し訳ありませんでした。そんなことがあったんですか、、、奇遇ですね」言いながら、、、

御影守も何でも屋相談室の名刺を一応差し出した。

御影守の記憶が薄れていたが、そんなこともあったような気がした。

「御影さんは強かったですよね、、、私なんか補欠ばかりでしたから、、本当にあの頃の御影さんは私たちの憧れの的でしたよ。懐かしいです、、、本当にご無沙汰しました」

明智壮一郎からは懐かしさの余り、笑みさえ零れた。

「今日はある捜査の件でお伺いしたのですが、、、ご存じかもしれませんが、桜井平左衛門絡みの事件のことなんです。」

と前置きがあって、今回の一連の政治家、警察、検察狙撃官僚の銃撃狙撃と相竜会

「会長の狙撃などについて、何でもいいので、知っていたことがあったら、話を聞かせて欲しいですが。」

と、「言いますのは、桜井平左衛門の依頼で、それらの人物について調査をしていることなので、もしかして、、、何か知っているのではと思いまして。」

「確かに、調査の依頼を受けました。、、その報告は全て済まして、報告書は提出はしています。内容はすべて身上調査です。世間の一般的なもので、調査書は桜井平左衛門氏に渡しています。。」

「そうですか、何か気が付いたことはありませんか」

御影守はその答えには十分に気を払って、、、何かを疑っているような気がしたので

、静かに話をした。

御影守としては、復讐の代行を受けている手前、内心では見好かれないようにと、十分に過ぎるほどに気を使った。

内心では冷や汗を出していた。

二人のやり取りは、約一時間ほど続いた。

明智壮一郎警部もそれ以上に、証拠も無いので、突っ込んでの話は出来なかった。

「そうですか、、、桜井平左衛門についてはあまり知らないようですね。。。今後、何かありましたら、また、お邪魔しますんで、よろしくお願いします。

今日は懐かしい話も聞かせて頂き、ありがとうございました」

そして、明智壮一郎警部は帰っていった。

御影守は、久しぶりに会った明智壮一郎が学生時代の面影というか、おっとりした印象はなくなり、精悍な敏腕刑事に見えた。

これからも、ゼネコンと言われる住善建設絡みで捜査は続くので、あの明智壮一郎警部なら、しつこくやることだろうと、御影守は感じた。これからは慎重に、気を抜かないで、事にあたらないと、しみじみ思った。

丁度、明智壮一郎が帰った後に、スクープ記者の徳山萌から連絡が入り、久しぶりに居酒屋「のん兵衛」で落ち合うことにした。

御影守と徳山萌はこのところ、しばらく会っていなかった。スクープ記者の徳山萌が今回の事件で忙しく動き回っていたためだ。

居酒屋吞兵衛で久し振りに二人は酒を酌み交わした。もともと二人を結びつけたのは酒が取り持つ縁だった。5,6年前だったか居酒屋吞兵衛で徳山萌が一人で酒を煽り、泥酔してたことがあった。ひょんなことで御影守もその日は一人で酒を飲んでいた。そんな時に泥酔した徳山萌が半分絡みながら話しかけてきた。

御影守も暇がらみだったので、徳山萌の愚痴交じりの話を聞いていた。どういうわけか、二人は意気投合して、その晩は御影守の事務所兼住居に、徳山萌は泊まることになった。人生愚痴を聞きながら夜明かしをしてしまった。

その間に徳山萌の生まれから、生い立ちまで、何度も聞かされたので御影守の心に深く刻まれた。彼は仙台に住み、家族を持っていたが、勤務先の新聞社での問題を起こして、家族が崩壊した。問題とは、徳山萌も新聞記者になりたては熱血漢で正義に燃えていたが、仙台きっての談合贈収賄事件に巻き込まれ、勇み足をしてしまったのであった。その責任を取らせられ、やめる羽目になった。その時の理不尽な会社の対応に腹が立ち退職した。その結果、家庭生活が上手く噛み合わなくなり、一人東京に出て、フリーのスクープ記者をしているのであった。

御影守とも居酒屋で知り合い、その後の麻雀仲間になり、良き相談相手にもなった。

「ところで、今回の事件で警視庁特別捜査も相竜会も桜井平左衛門に的を絞ってるみたいで、、、心配なのが相竜会若頭の大木大二郎の動きなんだが、何か情報は入っていないかな」

「確かに人を介して、桜井平左衛門の動きを探ってるみたいだよ、、、動きはまだないが」、、、

「そうか、警視庁といい相竜会といい、不気味だな」

御影守は一度、桜井平左衛門に会って見ようと思うと徳山萌に相談し

、勿論、注意しての話だが、、、

何か第六感ではあるが、最近、御影守は桜井平左衛門が心配になってきたのであった。「とにかく、一度、会って来るよ」

と言いながら、自分では会うことを決めていた。



徳山萌と会った翌日、御影守はつくば市八郷町に向かった。

寒い冬の朝だった、、、、桜井平左衛門に会ったが、元気に、何事もなかったように武道の鍛錬をしていた。剣道八段とか、老人とは思えない身体をしていた。

「ご無沙汰しています、何事も変わりはありませんか、、、警視庁や相竜会の動きが雲行きが悪くなってきたようですが。」

桜井平左衛門は頷いた。心配しなくて良いと言いなげに、、、

「そうですか、充分に気を付けてください。」

「どうか身体に気を付けて、大切にしてください。私の鳥越苦労だったようですね。。。それでは、今朝はそれだけなので、これで失礼いたします」

御影守は桜井平左衛門の無事を確認してから、岐路についた。車の外は外気が冷たく、寒かった。



12.桜井平左衛門と住善建設株式会社の戦い

御影守が桜井平左衛門を訪ねてから、三日後に事態が動いた。

桜井平左衛門が住善建設を訪問したからだつた。今回の金銭貸借に関わる訴訟事件は、以前からの談合贈収賄との関係もあることから、それらの不起訴に関しても桜井平左衛門は意義を申し立てのであった。今回の裁判事項とは法律的には関係がなかったのであるが、どうしても関係していると、できれば認めさせたかった。

所詮、会社相手の話、弁護士も立ち合いの中なのであり、聞いては貰えいことは分かっていた。しかし、桜井平左衛門としては話しておきたかった。

桜井平左衛門から、住善建設に会う機会を設けて貰たいと、人情的に訴えた結果、何とか住善建設に取次が出来た。ただし、面会時間も30分に限れた。

しかし、桜井平左衛門としては裁判も終わり、一応結果が出たので挨拶だけでもとのことだったので、充分に了解した。

住善建設の応一応接室に通された。桜井平左衛門一人だけが今回の挨拶事項として、、、

応接室で一人、桜井平左衛門は待った。

住善建設の談合贈収賄事件の当時の社長であった熊倉純一郎、現在は取締役会長と当時の経理部長だった大泉宏、現在は常務取締役が顧問弁護士の杉田三郎とが入ってきた。

顧問弁護士の杉田三郎が挨拶をしながら、岩倉純一郎と大泉宏を紹介した。

「本来なら、法的には解決しており、弊社としては何の落ち度もなく、競争経済時代のことなので、、、、」と話を始めた。

「桜井さん、二人とも忙しい方なので、面会時間が少なくてすいません」

「いいえ、、、会って貰えただけで十分ですよ」と桜井平左衛門は名乗った。

「私が熊倉です、、、この度は息子さんの会社と問題が起こり、結果的にはこのような仕儀になってしまい、大変申し訳ありませんでした。私の方にも責任はありますので、今回は少ない時間ですがお目にかかった次第です。」といとも簡単な挨拶があった。桜井平左衛門はもう少し責任を感じてもいいものをと思った。煮えくりかえり、今にも襲い掛かり殴り倒してしまいそうになった。

そこは、この後に演出している芝居で我慢した。

そして、当たり前の挨拶が大泉常務取締役からもあった。

桜井平左衛門はこれ以上の誠意は求められないことを察した。初めから、住善建設関係からは、いい結果、いい答えが得られるとは思ってもいなかった。

桜井平左衛門は和服姿で最初から実行しようと思って行動に打って出た。彼は懐に用意していた拳銃を出しながら、憤りをぶっつけるように二人に銃弾を発した。

銃弾は連発して6発、二人、熊倉純一郎会長、大泉宏常務取締役に面前だったのですべて命中した。そして、もう一丁拳銃を取り出して、顧問弁護士を撃った。

その間の時間は桜井平左衛門が敏速に行動したので、数分のことだった。

三人とも即死状態で、桜井平左衛門はその状況を確認した。

彼は全身に面前にいた三人の返り血を浴びて、まるで、虎が今殺した獲物を食い千切ったかのような形相で、三人を睨めつけていた。

彼は一瞬ではあるが、心の中で「やったぞ、、、」と叫びたかった。

桜井平左衛門が我に返った時には、応接室のドアが開いて、会社の人間が何人か飛び込んできた。拳銃の音で、恐れながらも会社の人間が応接室の周りを取り囲みながら、大騒ぎが始まった。

事務所の中で社員たちがおろおろしながら、とにかく、警察に連絡を入れろ、、、

会社のトップが社内の応接室で銃殺されたのだから、社内はパニック状態になっていた。

連絡を受けた警察が来るまで、少々時間があった。その間に桜井平左衛門は自分の

拳銃で眉間を撃ち抜き、自殺を図った。

警察は連絡を取り合って、警視庁特別捜査班の明智壮一郎警部が部下数人を連れて

やってきた。

惨状を見て、明智壮一郎警部は、、、唸った「、、、」

彼は今までの一連の銃殺、狙撃から見て、今回の桜井平左衛門の銃殺は今までとは違い、あまりにもお粗末な殺し方であると思った。

今までの狙撃暗殺は別人がしたことであり、犯人探しが困難なことであると頭を抱え込んでしまった。

しかし、見事に桜井平左衛門は三人を、暗殺したものだ。これで、今までの一連の談合贈収賄事件の関係者は全員が死亡し、暗礁に乗り上げた感があった。



13.喧嘩両成敗。。。死には死を



桜井平左衛門の行動、死にはびっくりした。

世間の報道ニュースでは、各紙が大きい、小さいは会っても談合贈収賄事件に絡んだ

「仇討ち」まがいの報道が流れた。テレビでも同じように、朝からにぎやかだった。

桜井平左衛門は今回の事件を起こす前に談合贈収賄事件を、事細かく、始末書を書きあげ、大手新聞社各社、テレビ局各社、週刊誌に送っていたのであった。

その資料を事細かく報道はされなかったが、世間の人々には理解が出来たようだ。

「赤穂浪士」ではないが、大手会社の理不尽な弱小会社への対応の仕方、そして、都合が悪いと、大物政治家や関係各所の役付きを利用しての、握り潰しをする所業。

まるっきり、欲に目がくらんだ、悪徳業者の横行が通り賄ってしまう。そして、弱小会社や弱いものが蹴落とされていく社会に、起きた「仇討ち」そのもでような。



御影守たちも、桜井平左衛門の住善建設への行動は、テレビニュースで知った。

「えらいことに、、なったな」と御影守は内心思い、、、

今回ばかりは、スクープ記者ん徳山萌と新宿警察生活安全課の安田敬一郎と連絡を取り、会うことを約束した。居酒屋屋呑兵衛で、、、、

絶対と言って連絡のない「虎の牙」からも電話が入った。

「影の総裁殿、報道で知ったけど、えらいことになったな、、、よ。

どうしたもんかな、、」

御影守は「しばらく、動かずに、様子を見よう」ということで、虎の牙には静観するように」伝えた

その晩、御影守、徳山萌、安田敬一郎は居酒屋吞兵衛で会った。

桜井平左衛門が今回起こした銃殺事件は三人ともびっくりした。起こした上に本人も

自殺してしまい、復讐の代行は終わりのような、、、、

しかし、これだけの談合贈収賄事件に絡んで、政治家や、警察、検察官僚がやくざの相竜会会長までが銃殺され、最後に住善建設の会長、常務取締役、そして、顧問弁護士までもが銃殺されたのだから、警察としてはおとなしく身を引くわけにはいかないだろう。

関係者はすべて死に、あえて言えば、御影守たちが生き残っているだけであり、彼らが仲介者としてかかわった証拠はどこにもない。

今後、三人が口をつぐみ、秘密を決して第三者に漏らさなければ、わからないことであり、三人とも決して話すことはないだろう。

その晩は、久しぶりに飲み交わし、御影守の事務所に泊まった。

翌朝は、空も晴れ渡り、朝焼けはコバルトブルーだった。





























































ある一人の男の物語。。。。。

いつも朝方にベットに入る。この男の仕事は「殺し屋」だ。

日の中はほとんど、自分が築いた我城で過ごし、夜になると獲物を襲う。

午後3時を過ぎると目を覚ます。その男の行動は闇に包まれていた。友達もなく起きてからは一緒に暮らしているボクサー犬の「小虎」との散歩が日々の日課だ。

彼(殺し屋)の我城は筑波山ろくの奥まった森林の中にあり、その山道は彼専用の道であり、他人んが入ってくることは滅多にない。

その山道は彼のトレーニング道であり、常に鍛錬されたからだを維持訓練していた。

彼には決まって、午後5時に電話が入る。

その電話内容で彼(殺し屋)は行動を起こしている。すぐに行動する場合と、しばらく考えて行動する場合がある。

請け負う殺しによっては調査が必要であり、失敗は許されないからだ。

1)殺しの序曲

殺し屋は「虎の牙」呼ばれている。

仕事はいつも電話で始まり、依頼者と会うことはない。依頼はいつも一人の人間からだ」だ。

名前は「影の総裁」と名乗り、依頼者が本人かどうかは暗証番号で確認している。

「殺しの」「009」だ。

常に影の総裁から連絡があってから、「虎の牙」は依頼事項を確認し、そのあとで虎の牙は行動を起こす。

依頼事項の修了確認は影の総裁が確認している。成功報酬についてはその都度に受け取り方が変更になった。その方法は虎の牙からの指示に従った。虎の牙と影の総裁が

直接に会うことは避けた。

虎の牙が「殺し」を請け負うようになったのは、彼が二十歳の時に喧嘩でやくざな男を殺してしまい、奇跡的にその死体が出なかった。それは船の上での喧嘩で、殺した男が海に落ちてしまい、出てこなかったので、当時の虎の牙は死体は海に沈み、魚の餌になったものと。。。。。

その時に人を殺したら、その始末は餌にすることがいいんだと。。。。

そんなことで、今も殺しの後始末は「餌」に。。。。

あるやくざ組織の話であるが。。。九州地方の組織暴力の組員がロシアからの麻薬の密輸秘密を話してしまい、その見返りで保釈になったが、その組員は殺されニワトリの餌になった。。。残酷な話ではあるが、その組員は殺されミンチにされて、この世から姿を消した。

実際に殺され、行け不明になっている話はいくらでもあるような。。。

例えば、殺され、ドラム缶にコンクリート詰めにされたり、産業廃棄物施設に埋められたり、焼却されたり、色々だ。死体が出てこなければ殺人は成立しないように。。。

人の世は恐ろし。



2.殺しの鉄の掟

虎の牙が殺しを請け負うには掟、決め事があった。

一つ。。。標的に非があること。

二つ。。。依頼者とは会わない。影の総裁からの依頼で、虎の牙の指示で行動。

三つ。。。依頼後、調査の後に、虎の牙の合意が得られてから始まる。

四つ。。。作業終了の確認は依頼者「影の総裁」がする。

五つ。。。報酬の支払いは「虎の牙」指示で、その都度に方法を変える。

以上を守ることが原則であり、変えることはない。

「殺しの標的」に非が認められない場合には、どれだけの報酬が示されても、「殺し」は請け負わない。「非」が認められたなら、報酬に上下はなく、虎の牙は引き受けるのであった。また、依頼者である「影の総裁」もそれは理解していた。

「影の総裁」は新宿区鶴巻町の貸しビルの中で「なんでも屋相談請負業をいと営んでいた。古びたビルの一室に事務所兼住まいを構えている。電話番と賄いをしている女性一人が通い、普段は留守番をしている。

「影の総裁」の名前は御影守は普段は事務所に出入りしている仲間と麻雀をしていることが多い。彼の事務所は机と応接セットがおいてあり、寝室には麻雀セットがおいてある。麻雀セットだけは電動式で、椅子も応接セットよりも上等なものがおいてあった。

彼の仕事はなんでも屋であり、トラブルや人生借金問題で困っている人たちが訪ねてくるような。。。。

麻雀仲間には特ダネスクープ専門の記者の徳山萌と警視庁新宿警察安全課の安田敬一郎警部補がいる。みんな怠け者で仕事が嫌いな、世の中のはじけた奴ばかりだ。それでいて特異な事件には首をつっこみたがるような。。。

麻雀のメンバーには一人足りないが、他にも暇人が毎日訪ねてくる。

最近、一人の男が良く訪れる。身元は知れないが金の支払いがきれいな男で、よき麻雀相手になった。怠け者たちからは好かれていた。どう見ても遊び人風であったが、彼らには一向に差し支えなかった。

令和3年12月ももうすぐ終わる24日、午後に「なんでも屋相談請負業」の事務所にはじけた奴が3人集まり、最近訪れ麻雀仲間になった一人が加わり、雀卓に座った。

新しく加わった男は伊達寅之助と名乗っていた。

「4人そろったから、始めるか」となんでも屋相談室の賄いの彩さんに声尾を賭けた。暇人の長い時間つぶしの麻雀が始まった。

麻雀をしながら、いつもの世間話が進み特ダネ記者の徳山萌が、

「室長、最近なんか、銭になるようなネタはないかな」

麻雀仲間では御影守を室長と呼んでいた。

御影守が「一つあるけどな、つい、昨日のことだけど、面白い話が合ったので、みんなに今日話そうと思っていた」

と言いながら、昨日相談を受けた話を始めた。

茨城県の八郷町の桜井という、元町長をした人からの相談事だった。

息子が建設会社を経営していたけど、談合で騙され、事業に失敗してしまったこと、そして、倒産をし、多額の借金をしてしまい、挙句の果ての自殺、その上に取引先の息子と自分の孫娘の婚約が破談になり、娘までも自殺に追い込まれた悲劇を聞いた。

八郷町の桜井氏は何とか息子の借金は弁済したが、可愛いい孫娘まで、犠牲になったことへの恨み事から「談合」という卑劣な罠に嵌めた、競争相手を法的手段に訴えようと弁護士を立て、刑事事件にした。。。。

刑事事件、民事事件で訴訟を起こしたが揉み消されてしまった。その悔しさを晴らしたいと御影守に依頼してきた。

「騙した側の会社も二部上場であり、その談合のもみ消しに力を貸した政治家、さらには警察、検察官僚の圧l力、そして、倒産に追い込んだ反社会勢力、いわゆる「やくざ」を許せない」と御影守は思った。

世の中の力弱い、人間、精一杯生きようとしている人間、正々堂々と法治国家の秩序の中で、ルールを守って生きようとしている人間を無視して、国家権力や金力で恐怖暴力で社会の秩序を押し曲げて通る人間をグループを許せないと御影たち3悪人は思っていた。



3.復讐の代行

茨城県八郷町の桜井氏より依頼を受け取ることになった御影守は依頼内容をまとめた。復讐代行を「虎の牙」に依頼することを決めて、虎の牙よりの連絡を待った。

連絡は一方通行で御影守からは連絡をすることはできなかった。定期的に先方からの連絡待ち、それも安全に、後々のことを考え警戒した、証拠を残さない方法で連絡が来るのであった。

虎の牙からは不定的な公衆電話を利用し、「闇の総裁」の決まられた携帯電話に掛けられ、ひとつの依頼仕事が終わると、その電話は破棄することになっていた。あくまで連絡ごとで証拠を残さないためであった。

今回も虎の牙の指定する方法で連絡を取り、虎の牙の調査が終わり、了解の連絡が来たら復讐代行の始まりであった。

御影守のなんでも屋相談室に今回はいつもの特ダネ記者の徳山萌、不良刑事(安全課警部補)安田敬一郎が集まり、今回の依頼ごとの打ち合わせをしていた。二人には「闇の総裁」の仕事を話していた。そして了解もしていた。

なんでも屋相談業の請負をしていると、それらの仕事をしているようにもとられた。しかし、実際には橋渡しであり、あくまでも仲介だけであって、実務仕事はしていない。

それでも金を受け取って、業を斡旋しているので早くても遅くても同罪であった。そのために「闇の総裁」の仕事は三人の秘密であった。裏稼業だ。

相談も終わり、昼食を食べているところに、珍しくやりてと言われている民亊専門の弁護士青田明が訪ねてきた。

「しばらくだね、彩さん、俺にもあんたの美味しいかつ丼んを食わせてほしいな」

と言いながら、弁護士青田明が、三人が囲んでいる雀卓に座った。

「面白い話、ないかね」

青田明弁護士は何かを嗅ぎ分けるよいに麻雀牌をいじり始めた。

現在進行中の請負があることを悟られないように、雑談をしながら麻雀を始め、四人の同じ空間の時間は過ぎた。

時間がたつのは速いもので、気が付けば外は冬の夕暮れ、空腹を覚えるような。。。

誰ということなく、御影事務所の一階の居酒屋「吞兵衛おやじ」に。

「腹減ったな、飯でもということになった。

飲みながらの話となり

、弁護士青田明が執拗に聞き入ってきた。

「本当に何もないの、。。なんかありそうだな。あるなら俺にも一枚かませてほしいな」

「何をおっしゃいますか、青田先生は何かとお忙しいでしょう」と

特ダネ記者の徳山萌が皮肉った言い方で言葉を返した。

「何も今はによ、あれば相談するから、よろず相談室の仲間ではないか」

と、御影室長が話を濁し、その晩の飲み会は終わった。

欲深な弁護士青田明から翌日の朝。早く御影事務所に電話が入った。

「御影室長、、、起きたね、大事件が。。。民友党幹事長の大畑丈太郎が暗殺されたよ。世の中少しは変わるかな、大物政治家の暗殺だ、これから忙しいな」

と、電話の向こうで、青田明がざわめいていた、

御影守は青田明弁護士から連絡のあった前にテレビニュース、その事実を知った。内心、御影守は。。。やったな、虎の牙が。

いよいよ復讐の代行が始まったと思った。次は何が起こるか、興奮を覚えた。さすが「虎の牙」だと。。。

その日は御影事務所に特ダネ記者の徳山萌も、警視庁新宿警察の安田敬一郎も集まってきた。

そして、生活安全課の警部補安田敬一郎も少し興奮したような面持ちでやってくるなり、俺たちにも応援の声がかかったよ。

「さすが、大物政治家の暗殺事件だよ、俺も少しは警察に貢献したような態度をみせないとな。。。。忙しくなるよ、情情入れるよ、」

そして、特ダネ記者の徳山萌も警察回りが忙しくなるといいながら、どこか喜んでいるようであった。

御影守もニュースに、世の中の動きに自己アンテナを張り巡らさなければと。。。

曲がり間違えば、同罪なのだから。



4.殺しの序曲

御影守は闇の総裁たちが段取りした「復讐の代行」が、暗殺者「虎の牙」により、始まったことを確認できた。

最初の復讐の的である衆議院議員の民友党大畑丈太郎が暗殺されてた。

虎の牙はわざわざ目立つように、世間が大騒ぎするように、人前で銃殺の道を選んだ。その暗殺の手段は、本来は秘密裏にするのが虎の牙であったが、あえて世の中を騒がせ、政府がとる行動、すなわち「もみ消し」のできないようにしたのであった。

その意図は御影守もよく理解した。

これで世間は、政府機関が闇から闇にことを隠すことができなくなった。

暗殺事件が起きた翌日には「号外」が出た。そして報道機関が一斉に報じたのであった。

衆議院議員の補欠選挙の応援演説の大衆の面前で狙撃されたのだ。この法治国家の日本で白昼堂々と。。。

狙撃手の虎の牙の射撃技術は1000m離れたところから、命中できるものであり、獲物の額を一発で仕留めていた。即死状態で。

幹事長の大畑丈太郎をガードしていたエスピーも何もできなかった状況であった。

事件のあった夕方、さぼり警部の安田敬一郎が御影事務所に夕食を一緒に食べようとやってきた。後から特ダネ記者の徳山萌も合流した。勿論、居酒屋吞兵衛「おやじ」で。。。

話題は暗殺事件であり、さぼり警部安田の話で警視庁は大騒ぎであり、特ダネ記者徳山萌も記事集め、情報集めに忙しく動いていた。

「ところで、所長、、虎の牙との関係はどうなってんの、、、信頼関係は大丈夫なのかな、、、どういう知り合いなのかな、」

さぼり警部補の安田敬一郎が聞いてきた。

「御影所長との関係を話してくれないかな」

御影守自身も、安田敬一郎と徳山萌には虎の牙について、話しておこうと考えていたところなので、、、二人の関係というか絆を話すことに、、、

御影守は10年前まで九州福岡の筑豊地方で建設機械販売業をしていた。当時は山歩きが好きで、全国各地の山々を巡っていた。そんな時に山梨県の大菩薩峠、雲取山を含めて縦走をしていた。その期間に運悪く悪天候に襲われ、経験不足、知識不足から遭難にあってしまった。遭難などにあうべき山々ではないが、恥ずかしくも大雨に襲われ、道に迷ってしまい、困っているときに、虎の牙に助けてもらったことがあった。

虎の牙は当時も山男らしく、山には詳しく、登山にも知識が豊富であった。その後の付き合いで、虎の牙は武道家であることを知り、彼の武道を極める鍛錬の一種で登山もしていることを知った。

また、彼の家を訪ねたこともあった。筑波山ろくに居を構えて、常に心身ともに日本古来の武道に励んでいた。

彼の家族が筑波山麓の八郷に牛を放牧して牧場を経営していた。そこでの取れたての牛乳の美味しかったことを、今でも覚えている。

平和な、のどかな田舎暮らしの素晴らしいところであった。

ところが、ゴルフブームにより、虎の牙の実家の牧場が計画地にふくまれ、買収交渉となり、都会のゴルフ嵐に巻きかまれてしまった。虎の牙の家族は買収を断り、反対したのであるが、あの手この手と攻めまくられた。

近在の有志からも、嫌がらせを受けて、最終的には銀行からの融資も止められ、経営破綻を起こしてしまい、牧場も閉めることになった。経営が破綻しただけならいいが個族崩壊が起きた。子供たちの学校でのいじめ、近所付き合いにはじかれ、住むことが困難になり、逃げだすことになった。虎の牙の父親は生活に生きずまり、自殺に追い込まれてしまった。

当時の虎の牙は、家族も住む家もなくなり、武道の鍛錬どころではなくなったしまっった。虎の牙の考えたことは復讐であった。何もかも奪ったゴルフ場施設に復讐をしてやろうと、、、、しかし、何をしていいかわからなかった。

そんな時に御影守が相談を受けた。

本当に復讐をするなら、ゴルフ場側なのか、誘致をもちこんで地域住民の生活に、居住地に働きかけた、有力者、当時は行政のトップ、町長に対して責任の償いをさせるのかだった。

御影守は地域住民の迷惑や思惑を考えずに、地域行政の利益、当事者の利権利益だけを考えた、行政のトップと、その関係者、そして、ゴルフ場側に責任をとれせることとして方向性を決めて、助言した。

まずは、業者側と行政側との間に贈収賄の噂があったので、その事実を確かめるために、その事実を告訴する。御影守も協力して、両者について調べた。

告訴した結果、贈収賄の事実が認められ、勝訴した。

しかし、法律的は勝訴したけれども、虎の牙側には何も残らなかった。すでに、家族は離散して崩壊しており、父親は自殺して元に戻ることは無かった。

法治国家の日本では、やってしまったことはもどらない。後の始末は法律的に形はついても、元の形には戻らないという、なんとも後味の悪い結果だけが残る。

矛盾した世の中の仕組みであった。

虎の牙には納得がゆかなかった。相手の攻めぐわいで、父親の命はなくなり、家族は崩壊したのだから、相手にも。。。喧嘩両成敗の古来からあるように「死」を与えて当然と思うのであった。

虎の牙は考えた。思った。

与えられた「死」を相手にも「死」をと。。。。

そんな過去を持つ虎の牙と御影守は10年間、側で見守り、考え方に方向づけしてきた、決め事に疑問を持っていた。いつしか、この世の矛盾に少しだけたてつくようになっていった。



「わかったかな、俺と虎の牙はそんな絆からかな、、、」

三人は虎の牙の動向を見守り、今後の動きを慎重にすることを、連絡を取り合うことを確認したのであった。

「しかし、復讐の代行で誰からやるのかと思ったら、いきなり、幹事長とはびっくりしたよ」

と三人とも口をそろえた。



5.「虎の牙、爪を鋭く」

今朝のテレビニュースで流れてきたのは警視庁の副総裁田島省吾、検察庁の刑事局長林正一の二人の狙撃事件であった。

田島副総裁は自宅玄関前での狙撃で、額に

一発の銃弾を受けた。そして、林局長は検察庁玄関ででの銃弾で額を撃ち抜かれていた。どちらも一発の銃弾で。。。

この狙撃事件で今朝は大騒ぎであった。

御影守の仲間の安田敬一郎も招集がかかり、新宿警察安全課に戻ることになった。暇な警部補であっても非常時とみて、あたふたと戻っていった。

「後で連絡するから」と言って。。。

スクープ記者の徳山萌も会社に戻るといって、二人は出て行った。

御影も事務所に戻り、何かと忙しきなってきたような、そんな気持ちに包まれてきた。事件の起きた警視庁も検察庁も大騒ぎであり、警視庁内では幹部が集まり、救急車で運ばれた運ばれた田島副総裁の処置が行われ、すぐに特別捜査班が設けられた。

また、検察庁からも連絡が入り、合同の緊急会議が開かれた。

警視庁長官から特別の指示を受けた「特別捜査班」も準備に入った。

特別捜査班の責任者は捜査一課長の鬼島三郎が直接陣頭指揮を執ることになった。

「今回の件は警視庁及び全国の警察関係の総力を挙げて捜査に当たる。勿論、幹事長狙撃の件も含めて、警察の威信に

かけて犯人検挙を必ず目指す。」と特別捜査班の捜査一課長より強い指示があった。

警察および検察庁としては立てつづきに狙撃事件が発生し、しかも、重要人物が狙撃されたのであるから、警察の面目が丸つぶれであったれであった。何が何でも非常態勢で臨んだ。新宿警察生活安全課の安田敬一郎警部補にも命令指示は伝わった。

これらの状況が起こることを虎の牙は想定したうえでの狙撃行動であった。

「これは大変なことになった」

と、内心身が縮まる思いがした。自分たちが仕組んだ「復讐の代行」であったが。。。

「早く、仲間に知らせ、、、対策を取らないと」

そんなことで御影とスクープ記者の徳山萌に連絡をとり、会う約束をした。



6.反撃の兆し

新宿警察安全課の安田敬一郎警部補は御影守とスクープ記者の徳山萌と居酒屋「吞兵衛」で落ち合うことにした。

会ってから三人はだれかともなく、「凄いな、、、動きだしたら早いよ。こっちサイドも落ち落ちしていられないぞ。」

「そうだな、覚悟を決めて、やらないとな」

三人は今日の虎の牙の動きを見て、やるべきことはやらないと、、、思った筈だ。

新宿警察安全課の安田は「俺の方も忙しくなるから、当分は出てこれない。連絡は取らないでいよう。。。念のために」

「そうだな、何かかと会わない方がいい、、と思う。緊急事態が起きたら、連絡しながら、時間を取ればいいよ」

と、スクープ記者の徳山萌も相槌を打った。

御影守もそう思った。

しかし、御影守は気になることがったが、それは自分で調べることにした.

三人は軽く飲みながら食事を済ませて別れた。

御影は時の民友党幹事長大畑が、そして警察官僚が二人も狙撃されたのだから、警察もそんなに馬鹿ではないはず。何かの捜査目標を見出したに違いない。

今回の特別捜査班の中で、明智壮一郎警部が捜査の実務指揮を執っていた。警視庁きっての敏腕警部との噂もあり、大学時代の同期でもある御影守はその噂を知っていたので、少々気になった。

今回の幹事長大畑にしても、銃撃された警察官僚二人には黒い噂があった。そのことから、警察でも黒い噂のもとから捜査するはずと。。。。

御影守は見たのであった。

御影守は今回の「復讐の代行」の依頼者に気を配らないと、注意しないと、ならないとつくづく思った。今回の相手は警視庁特別捜査班の明智壮一郎警部であるから、、、と。

御影守は明智の性格を知っているので、気は抜けないと。。。

これから、もっともっと事の成り行きを見ながら、慎重に行動しないと。。。

御影守はこれからのことを考えて、その日は床に就いた。

次の朝、テレビニュースで相竜会会長が新宿で暴漢に襲われ死亡したという。関東きっての広域暴力団の組長であり、政治家、経済界に影響を及ぼす影の暴力組織で

、何かと黒い噂の取引には絡んでいた。

御影守はこのニュースを見て、まずいと、、、思った。

いつか、政治家、警察官僚、やくざの絡みが、黒いドロドロした組織ぐるみの犯罪が浮き出してくると、、、

あの明智壮一郎なら、たどり着くのではとの心配が脳裏をかすめた。



7.反撃



御影守は筑波山の麓、青空のもとを車で一人走っていた。そして、柿の木のある大きな瓦葺きの屋根の門を潜って、車を止めた。すっかり秋になって、肌寒さを感じた。

「復讐の代行」の依頼者桜井宅を訪れた「。今回が最後の訪問であり、御影守は最終確認を兼ねて。。。

「桜井さん、依頼通りに進んでいますが、間違いなく、復讐の代行は最後まで行っていいですね」

「はい、よろしくおねがいします」と。。。

「ところで、桜井さん、これから大変で、、、いろいろと先方から取り調べや、報復が始まるかもしれません。気を付けてください。ああ、それから私どもの方は心配ないですから」

御影守は詳しく細かくはなしをして、約束は必ず守り、実行することを約束した。

そして、今日で連絡を取ることをやめることも。。。

何かあれば、御影守から連絡を取ることにした。



相竜会本部でも大騒ぎをしていると、スクープ記者の徳山萌から御影守に連絡が入った。相竜会本部では、若頭の白木大二郎が幹部を集めて、怒鳴りまわしていた。

「馬鹿野郎、、、町岡、手前はついていて、なんてざまだ、、、」

「とにかく、相手を探せ、何が何でも,警察よりも先に見つけろよ」

相竜会本部では組員総動員で犯人を追いかける指示が出た。

しかし、新宿で飲んでいる席で暴漢に襲われ、そのまま鮮やかに姿を消した暴漢を見つけることは困難だった。相竜会が他の暴力組織との諍いがあるなら、すぐに襲った暴漢を割り出すことはできたが、争いはなく、組織関係は平穏だったので。。。

若頭の白木大二郎も手を打つことはできたのだが、まるっきり、流しの暴漢だったので、、、とにかく警察ではないけど聞き込み情報に頼るしかなかった。

若頭の白木大二郎は組関係以外のトラブルを調べ始めた。その考えは正解だった。相竜会自体が経済やくざといわれるようになっていたので、企業関係のトラブルでの恨み絡みではないかと。。。

最近起きた企業との関係事業会社を調べた。贈収賄がらみ、談合がらみ、取り立てトラブルで恨まれた関係の事件を。。。。

いくつかあり、そのうちの大きな談合絡みのトラブルで、相竜会が潰した会社があった。その会社を調べていけば、今回の狙撃事件にたどり着くのではと、白木大二郎は考えた。早速、白木大二郎は相竜会顧問の弁護士事務所に連絡を取り調査を依頼した。

そのころ、警視庁の特別捜査班の明智壮一郎も、今回の相竜会会長狙撃事件を踏まえて、一連の幹事長、警察官僚との銃殺を組み合わせてみた。とかく黒い噂のある人物とやくざ組長の関係から、企業絡み、復讐ではないかと。。。。

明智壮一郎もこれらの関係の事件を考えてみた。それらの恨み事件で、人を殺すような復讐劇を組み立て、考えたのではないかと調べてみた。



8.依頼者の反撃

復讐の代行を依頼したつくば市の桜井平左衛門も、ニュースなどから狙撃事件や暴漢の流れを見て、復讐の代行が進んでいることを知り、行動を移した。

以前から、訴訟を起こしている「株式会社つくば、代表取締役桜井翔」の談合贈収賄の告訴をおこしたのであった。検察庁贈収賄事件、公正取引委員会に。。。しかし、証拠不十分で棄却されたのであった。そして、今回は関係者の暗殺事件が起きて、それに伴った証拠を提示し、事件に絡んだ、人物、幹事長大畑丈太郎、警視庁副総裁田島省吾、検察庁刑事局長林正一、相竜会会長久保一機と実名が入り、ニュースでも報道されたので、告訴状が提訴された警察もうやむやにはできなかった。

訴訟を起こしたことで、桜井平左衛門は覚悟を決めた。

当然、警察や相竜会からの反撃があると。。。

桜井平左衛門はわが子とその家族、そして、会社を、その社員たちを陥れた人物を組織を許すわけにはいかないと。。。。

桜井平左衛門の持つべきすべてを賭けて臨んでいた。

桜井平左衛門も元をたどれば、「博徒つくば一家」の末裔であった。先祖は筋の通った一家であったが、三代前から農業に家業をかえたのであり、その身内や家系は近在に散らばていた。した桜井平左衛門の一声で、気骨のあるの農業人が集まった。

相竜会の若頭白木大二郎は今回の企業トラブルの相手は「株式会社つくば」と検討を付けて、その調査を顧問弁護士事務所に依頼して、その調査書を受け取った。

調査内容を見て、

「そうか、あの時の談合贈収賄で、潰した会社か」と、頷いた。

それにしても、銃撃、狙撃と見事な暗殺復讐と感心しながら、実行した奴は凄いと思った。うかつには行動、反撃できないと思い、、、相手の反撃に備えた。

相竜会の若頭白木大二郎はこれまで、幾度となく白刃の下をくぐってきた男であり、これだけの暗殺をする人間はよほど、訓練されたもので、まれに増した度胸と頭をもっているものであり、うかつに動けば返り討ちになってしまう。

よく調べて行動することに越したことは無いと、彼もまた、覚悟を新たにした。

警視庁特別捜査班の明智壮一郎も今回の一連の事件の流れから、桜井兵左衛門の談合贈収賄の訴訟絡みと関係があるとみて、

「これは厄介な事件になったな」と内心不安を抱いた。

そして、この復讐劇はかなり巧妙で、用意周到なものであり、相手は相当に切れ者であるような、、、

明智壮一郎警部も、厄介である、この手ごわい相手に向かう覚悟を決めた。



9.復讐の代行。。。。仲介者



御影守とスクープ記者の徳山萌、そして、新宿警察生活安全課の安田敬一郎警部補は居酒屋のん兵衛に集まっていた。

「だいぶ、復讐の代行は進んだみたいだな。。。」

「警視庁特別捜査班も復讐劇とみて、その方で動き出したよ」

「相竜会も復讐の相手、今回の狙撃相手にも目星を付けたみたいだ」

「みんな、狙いを株式会社つくばに的を絞ったみたいだな」

「虎の牙の狙い、目的は一つになって、これからが本番だ」

どうなるか、見ものだが、こっちサイドにも火花は飛ぶと思うんで、注意していこうか、御影守たち三人も一段と気を引き締めていくことで再確認した。

株鹿会社つくばが談合贈収賄で告訴したのは一部上場企業の住善建設株式会社であり、その事実明らかに報道されてから、日本の建設業界が騒がしくなってきた。談合に加わったであろう、または歪んだ関係が表ざたになって、銃撃事件や暴力沙汰になり、関係者が四人も暗殺された。このことにより、法治国家の日本としては、警察、検察が正式に捜査して、法律の判断を仰がなければならないことになった。

従って、関係各所はいい加減には、握り潰しは利かなくなっていた。情報開示が義務となり、、マスコミ等により、一般に広く知らしめることになった。

これだけ関係各所の重要人物、官僚担当や暴力組織のトップ暗殺されたので、国家や警察立法関係だけの事件解決の開示だけではすまないような、一般国民にも報じなければならない事態になった。

御影守たち三人は、復讐の代行の事態が現在の日本で、建設業かいで抜き差しならない状況に置かれたことによって、依頼人桜井平左衛門の目的が七十%達成されたと思った。虎の牙の作戦は成功したと。。。。

最後の仕上げがどうなるか、虎の牙の才覚が楽しみになってきた。



警視庁特別捜査班の明智壮一郎は捜査班の人員をそれぞれに分けて捜査を開始した。

「告訴を起こした桜井平左衛門宅は俺が行くから、大木と松山は茨城のつくばへ行くための準備をしておいてくれ」

「住善建設への聞き取り、帳簿その他の関係書類の差し押さえ、没収は岡本たち10人係で行ってきてくれ。。。」

残りは引き続きの関係者の捜査聞き取りをしっかりやるよに。。。

警察の捜査は着実に進みだした。

そして、明智壮一郎警部は相竜会への捜査は自分が行くことを告げた。

明智壮一郎警部は二人の部下を連れて、桜井平左衛門の門を潜った。旧家らしく、立派な門構えであり玄関も広く」、庭には錦鯉の泳ぐ池もあり、手入れが行き届いていた。玄関先に立ち、家人が出てくるのを待ちながら、思ったことは家の構えから見て、人物も礼儀正しい威厳のあるものと想像した。

「どちら様かな、、、」と、物静かな口調で対応してくれた。

明智壮一郎警部は事情を説明して、対応してくれた白髪の老人にその家の客間に案内された。客間について、初めて、桜井平左衛門と名乗り、事の仔細を気化された。

明智壮一郎警部も事前に調査していて、桜井平左衛門という人物を理解はしていたので、簡単にに話の内容を認めてもらおうとは思っていなかった。これから時間をかけて攻めないと今回の狙撃事件の絡みについて。。。

「やった、、、」とか「やらせた、、、」とかの供述は取れないものと考えていた。

状況話や身の上話などから心の隙を見つけて、攻めないと、本人に会ってみてよく理解できた。

今回、訪問して桜井平左衛門の話を聞いて、話してみたが彼の話には一部の乱れも隙も無かった。

桜井平左衛門との聞き取り捜査は自分が来てよかったと思った。

明智壮一郎警部は今回の訴訟人桜井平左衛門に会って、人柄を知り、生活環境を見て、うかつに攻めこめないことを知った。桜井平左衛門の覚悟を知ったのであった。



10.相竜会若頭白木大二郎と警視庁特別捜査班明智壮一郎



相竜会若頭白木大二郎と警視庁特別捜査班の明智壮一郎は早稲田大学法学部の同期であった。若頭白木大二郎の方が学生時代は学業成績が優れていて、将来は裁判官か検事になる夢を見ていた。誰もがそうなるものと思っていた。しかし、大学三年の終わりに暴力事件を起こしてしまった。

白木大二郎の父親が経営する建設会社が談合贈収賄事件に巻き込まれ、経営する会社が倒産し、父親が金策に追い込まれ、最終的は自殺しえしまった。父親が自殺した後は借金に取り立てられて家族まで追い込まれ、家族は崩壊した。

その取り立てをした暴力団事務所に、気の短い、短気な彼は単身で乗り込み、組員二人を刺殺し、数人に怪我を負わせた。その結果、逮捕され、殺人障害罪で10年の懲役刑を受けたのであった。

その結果、彼の将来の人生計画はなくなってしまった。

その後の白木大二郎の人生は、明智壮一郎からは消えてしまった。再会したときは白木大二郎は相竜会の若頭であった。

そして、明智壮一郎は警視庁きっての敏腕警部になっており、まったく別世界の人間になっていた。



そんなこともあって、白木大二郎は裏社会の経済トラブルを嫌い、その当事者を憎むほどであった。自分がかっては被害者であったのもにもかかわらず、それらのドロドロした金の亡者を嫌味嫌った。

経済やくざといわれながら、談合贈収賄絡みの人間を軽蔑視していた。そんなこともあって、談合贈収賄絡みのトラブルは、どちらかというと彼は虫唾が走り、喧嘩両成敗という諺通りに潰してしまいたいのであった。

やくざ組織も金がかかり、必要な事項案件となり、組織には逆らえなかった。

明智壮一郎警部は今回の銃撃狙撃事件に関しては、相竜会も絡んでいいるので、一度は白木大二郎若頭と会わなければと思い、連絡を取った。

そして、明智壮一郎警部は大学時代に通っていた喫茶店で相竜会若頭白木大一郎と会った。まだ、当時の喫茶店がそのままあったことに二人はびっくりした。

「やあ、、、どちらからともなく声を掛け合った。」

そして、昔のままに営業していた喫茶店で話をした。

「白木、お前が相竜会の若頭とはびっくりしたよ」

「いやあ、、、明智お前の方が、、まさか警視庁の警部さんになっているとはな」

と二人の久しぶりの再会の挨拶だった。

刑事とやくざと道は違ったが、学生時代の親友同士、話が弾んだ。

しばらくは思いで話や懺悔話などだったが、明智警部が白木に切り出した。

「少し、仕事の話に戻るんだが、、、例の談合贈収賄の件で、、、偶然にも白木、お前の相竜会が絡んでいるみたいなので、、、わかっていることだけでも、話を聞かせてくれないかな、、、」

「ああ、、なんかうちの組織が絡んだ談合贈収賄事件と、倒産した会社が一緒みたいだな、、、世の中には偶然というものがあるもんだな。」

「そこで、その談合贈収賄事件で、今回の訴訟を起こしている桜井平左衛門は一度判決の出た事件では訴訟ができないので、金銭貸借の問題で訴訟を起こしているのだった。」そして、、、

桜井平左衛門の恨み、憎しみは常人を逸していたことが、一度、彼に会った明智壮一郎警部にはわかった、彼の行動には全く素都がなく、第三者が入り込む隙を感じなかったのであった。明智壮一郎警部は、今回の一連の銃撃狙撃に桜井平左衛門が何らかの関与があると捜査に踏み切ったが、何の手がかりもとれずに、真っ暗な壁に突きあたっていた。

警視庁特別捜査班としては、捜査が生きず待っていた。苦肉の策ではあるが、明智壮一郎警部は相竜会若頭の大木大二郎に会ってみようと考えた。事件は一緒で、相竜会会長久保一機も狙撃され死亡していたので、何らかの手がかりがつかめないかと、、、

「大木、、、警察がやくざに頼んだり、相談したりしては可笑しいけど、、、どうだろう、お前の方で、桜井平左衛門にゆさぶりを賭けてみてくないかな」

明智壮一郎警部はわずかな期待だけど、その結果、桜井平左衛門がどんな動きをするか見たいのであった。何も起こらないかもしれないが、、、何をしないよりはましだと明智壮一郎警部は考えた。

大木は明智の頼みを聞いてくれた。その代わり情報を流せと。。。。

捜査取引の相談をして、二人は別れた。



11.桜井平左衛門の攻防



御影守のなんでも屋相談室に警視庁特別捜査班の明智壮一郎が訪ねてきた。前もって予約を取ってのことだが、、、

御影守は桜井平左衛門のところに警視庁特別捜査班から捜査を受けたことは知らされていたので、いずれは自分のところにもくるとは思っていた。

意外だったのは、相竜会若頭白木大二郎が桜井平左衛門宅を訪ねていたことだった。桜井平左衛門からはどちらも、何事もなく、応対していたということだった。

御影守はそれらの報告を聞いて、警視庁も相竜会も今回の事件で的を絞ってきたと感じた。よほど慎重に対応しなければと心構えをして、明智壮一郎に会っ

た。

「初めまして、警視庁特別捜査班の明智です」と言って、警察手帳を見せた.

「御影さん初めてではないんですよ、、、お忘れでしょうが、早稲田大学の柔道部で一緒だったんですよ」

言われてみれば、どこかに、覚えがあった。御影守は遠い昔のことだったので、すぐには」思い出せなかった。

「そうでしたか、、記憶が薄れていて、申し訳ありませんでした。そんなことがあったんですか、、、奇遇ですね」言いながら、、、

御影守も何でもや相談室の名刺を一応差し出した。

御影守の記憶が薄れていたが、そんなこともあったような気がした。

「御影さんは強かったですよね、、、私なんか補欠ばかりでしたから、、本当にあの頃の御影さんは私たちの憧れの的でしたよ。懐かしいです、、、本当にご無沙汰しました」

明智壮一郎からは懐かしさのあまり、笑みさえ零れた。

「今日はある捜査の件でお伺いしたのですが、、、ご存じかもしれませんが、桜井平左衛門絡みの事件のことなんです。」

と前置きがあって、今回の一連の政治家、警察、検察狙撃官僚の銃撃狙撃と相竜会

会長の狙撃などについて、なんでもいいので、知っていたことがあったら、話を聞かせて欲しいですが。

「と、言いますのは、桜井平左衛門の依頼で、それらの人物について調査をしていることなので、もしかして、、、何か知っているのではと思いまして。」

「確かに、調査の依頼を受けました。、、その報告はすべてすまして、報告書は提出はしています。内容はすべて身上調査です。世間の一般的なもので、調査書は桜井平左衛門氏に渡しています。。」

「そうですか、何か気が付いたことはありませんか」

御影守はその答えには十分に気を払って、、、何かを疑っているような気がしたので

、静かに話をした。」

御影守としては、復讐の代行を受けている手前、内心では見好かれないようにと、十分に過ぎるほどに気を使った。

内心では冷や汗を出していた。

二人のやり取りは、約一時間ほど続いた。

明智壮一郎警部もそれ以上に、証拠もないので、突っ込んでの話はできなかった。

「そうですか、、、桜井平左衛門についてはあまり知らないようですね。。。今後、何かありましたら、また、お邪魔しますんで、よろしくお願いします。

今日は懐かしい話も聞かせて頂き、ありがとうございました」

そして、明智壮一郎警部は帰っていった。

御影守は、久しぶりに会った明智壮一郎が学生時代の面影というか、おっとりした印象はなくなり、精悍な敏腕刑事に見えた。

これからも、ゼネコンと言われる住善建設絡みで捜査は続くので、あの明智壮一郎警部なら、しつこくやることだろうと、御影守は感じた。これからは慎重に、気を抜かないで、事にあたらないと、しみじみ思った。

丁度

、明智壮一郎が帰った後に、スクープ記者の徳山萌から連絡が入り、久しぶりに居酒屋「のん兵衛」で落ち合うことにした。

御影守と徳山萌はこのところ、しばらく会っていなかった。スクープ記者の徳山萌が今回の事件で忙しく動き回っていたためだ。

居酒屋吞兵衛でひさしぶりに二人は酒を酌み交わした。もともと二人を結びつけたのは酒が取り持つ縁だった。5,6年前だったか居酒屋吞兵衛で徳山萌が一人で酒を煽り、泥酔してたことがあった。ひょんなことで御影守もその日は一人で酒を飲んでいた。そんな時に泥酔した徳山萌が半分絡みながら話しかけてきた。

御影守も暇がらみだったので、徳山萌の愚痴交じりの話を聞いていた。どういうわけか、二人は意気投合して、その晩は御影守の事務所兼住居に、徳山萌は泊まることになった。人生愚痴を聞きながら夜明かしをしてしまった。

その間に徳山萌の生まれから、生い立ちまで、何度も聞かされたので御影守の心に深く刻まれた。彼は仙台に住み、家族を持っていたが、勤務先の新聞社での問題を起こして、家族が崩壊した。問題とは、徳山萌も新聞記者になりたては熱血漢で正義に燃えていたが、仙台きっての談合贈収賄事件に巻き込まれ、勇み足をしてしまったのであった。その責任を取らせられ、やめる羽目になった。その時の理不尽な会社の対応に腹が立ち退職した。その結果、家庭生活が上手くかみ合わなくなり、一人東京に出て、フリーのスクープ記者をしているのであった。

御影守とも居酒屋で知り合い、その後の麻雀仲間になり、良き相談相手にもなった。

「ところで、今回の事件で警視庁特別捜査も相竜会も桜井平左衛門に的を絞ってるみたいで、、、心配なのが相竜会若頭の大木大二郎の動きなんだが、何か情報は入っていないかな」

「確かに人を介して、桜井平左衛門の動きを探ってるみたいだよ、、、動きはまだないが」、、、

「そうか、警視庁といい相竜会といい、不気味だな」

御影守は一度、桜井平左衛門に会って見ようと思うと徳山萌に相談し

、勿論、注意してのはなしだが、、、

何か第六感ではあるが、最近、御影守は桜井平左衛門が心配になってきたのであった。「とにかく、一度、会ってくるよ」

と言いながら、自分では会うことを決めていた。



徳山萌と会った翌日、御影守はつくば市八郷町に向かった。

寒い冬の朝だった、、、、桜井平左衛門に会ったが、元気に、何事もなかったように武道の鍛錬をしていた。剣道八段とか、老人とは思えない身体をしていた。

「ご無沙汰しています、何事も変わりはありませんか、、、警視庁や相竜会の動きが雲行きがわるくなってきたようですが。」

桜井平左衛門は頷いた。心配しなくていいといいなげに、、、

「そうですか、充分に気を付けてください。」

「どうか身体に気を付けて、お身を大切にしてください。私の鳥越苦労だったようですね。。。それでは、今朝はそれだけなので、これで失礼いたします」

御影守は桜井平左衛門の無事を確認してから、岐路についた。車の外は外気が冷たく、寒かった。



12.桜井平左衛門と住善建設株式会社の戦い

御影守が桜井平左衛門を訪ねてから、三日後に事態が動いた。

桜井平左衛門が住善建設を訪問したからだつた。今回の金銭貸借に関わる訴訟事件は、以前からの談合贈収賄との関係もあることから、それらの不起訴に関しても桜井

平左衛門は意義を申し立てのであった。今回の裁判事項とは法律的には関係がなかったのであるが、どうしても関係していると、できれば認めさせたかった。

所詮、会社相手の話、弁護士も立ち合いの中なのであり、聞いてはもらえないことはわかっていた。しかし、桜井平左衛門としては話しておきたかった。

桜井平左衛門から、住善建設に会う機会をもうけてもらいたいと、人情的に訴えた結果、何とか住善建設に取次ができた。ただし、面会時間も30分に限れれた。

しかし、桜井平左衛門としては裁判も終わり、一応結果が出たので挨拶だけでもとのことだったので、充分に了解した。

住善建設の応一応接室に通された。桜井平左衛門一人だけが今回の挨拶事項として、、、

応接室で一人、桜井平左衛門は待った。

住善建設の談合贈収賄事件の当時の社長であった熊倉純一郎、現在は取締役会長と当時の経理部長だった大泉宏、現在は常務取締役が顧問弁護士の杉田三郎とが入ってきた。

顧問弁護士の杉田三郎が挨拶をしながら、岩倉純一郎と大泉宏を紹介した。

「本来なら、法的には解決しており、弊社としては何の落ち度もなく、競争経済時代のことなので、、、、」と話を始めた。

「桜井さん、二人とも忙しい方なので、面会時間が少なくてすいません」

「いいえ、、、会ってもらえただけで十分ですよ」と桜井平左衛門は名乗った。

「私が熊倉です、、、この度は息子さんの会社と問題が起こり、結果的にはこのような仕儀になってしまい、大変申し訳ありませんでした。私の方にも責任はありますので、今回は少ない時間ですがお目にかかった次第です。」といとも簡単な挨拶があった。桜井平左衛門はもう少し責任を感じてもいいものをと思った。煮えくりかえり、今にも襲い掛かり殴り倒してしまいそうになった。

そこは、この後に演出している芝居で我慢した。

そして、当たり前の挨拶が大泉常務取締役からもあった。

桜井平左衛門はこれ以上の誠意は求められないことを察した。初めから、住善建設関係からは、いい結果、いい答えが得られるとは思ってもいなかった。

桜井平左衛門は和服姿で最初から実行しようと思って行動に打って出た。彼は懐に用意していた拳銃を出しながら、憤りをぶっつけるように二人に銃弾を発した。

銃弾は連発して6発、二人、熊倉純一郎会長、大泉宏常務取締役に面前だったのですべて命中した。そして、もう一丁拳銃を取り出して、顧問弁護士を撃った。

その間の時間は桜井平左衛門が敏速に行動したので、数分のことだった。

三人とも即死状態で、桜井平左衛門は衛門はその状況を確認した。

彼は全身に面前にいた三人の返り血を浴びて、まるで、虎が今殺した獲物を食いちぎったかのような形相で、三人を睨めつけていた。

彼は一瞬ではあるが、心の中で「やったぞ、、、」と叫びたかった。

桜井平左衛門が我に返った時には、応接室のドアが開いて、会社の人間が何人か飛び込んできた。拳銃の音で、恐れながらも会社の人間が応接室の周りを取り囲みながら、大騒ぎが始まった。

事務所の中で社員たちがおろおろしながら、とにかく、警察に連絡を入れろ、、、

会社のトップが社内の応接室で銃殺されたのだから、社内はパニック状態になっていた。

連絡を受けた警察が来るまで、少々時間があった。その間に桜井平左衛門は自分の

拳銃で眉間を撃ち抜き、自殺を図った。

警察は連絡を取り合って、警視庁特別捜査班の明智壮一郎」警部が部下数人を連れて

やってきた。

惨状を見て、明智壮一郎警部は、、、「唸った、、、」

彼は今までの一連の銃殺、狙撃から見て、今回の桜井平左衛門の銃殺は今までとは違い、あまりにもお粗末な殺し方であると思った。

今までの狙撃暗殺は別人がしたことであり、犯人探しが困難なことであると頭を抱え込んでしまった。

しかし、見事に桜井平左衛門は三人を、暗殺したものだ。これで、今までの一連の談合贈収賄事件の関係者は全員が死亡し、暗礁に乗り上げた感があった。



13.喧嘩両成敗。。。死には死を



桜井平左衛門の行動、死にはびっくりした。

世間の報道ニュースでは、各紙が大きい、小さいは会っても談合贈収賄事件に絡んだ

「仇討ち」まがいの報道が流れた。テレビでも同じように、朝からにぎやかだった。

桜井平左衛門は今回の事件を起こす前に談合贈収賄事件を、事細かく、始末書を書きあげ、大手新聞社各社、テレビ局各社、週刊誌に送っていたのであった。

その資料を事細かく報道はされなかったが、世間の人々には理解ができたようだ。

「赤穂浪士」ではないが、大手会社の理不尽な弱小会社への対応の仕方、そして、都合が悪いと、大物政治家や関係各所の役付きを利用しての、握り潰しをする所業。

まるっきり、欲に目がくらんだ、悪徳業者の横行が通り賄ってしまう。そして、弱小会社や弱いものが蹴落とされていく社会に、起きた「仇討ち」そのもののような。



御影守たちも、桜井平左衛門の住善建設への行動は、テレビニュースで知った。

「えらいことに、、なったな」と御影守は内心思い、、、

今回ばかりは、スクープ記者ん徳山萌と新宿警察生活安全課の安田敬一郎と連絡を取り、会うことを約束した。居酒屋屋呑兵衛で、、、、

絶対と言って連絡のない「虎の牙」からも電話が入った。

「影の総裁殿、報道で知ったけど、えらいことになったな、、、。

どうしたもんかな、、」

御影守は「しばらく、動かずに、様子を見よう」と云うことで、虎の牙には静観するように伝えた

その晩、御影守、徳山萌、安田敬一郎は居酒屋吞兵衛で会った。

桜井平左衛門が今回起こした銃殺事件は三人ともびっくりした。起こした上に本人も

自殺してしまい、復讐の代行は終わりのような、、、、

しかし、これだけの談合贈収賄事件に絡んで、政治家や、警察、検察官僚がやくざの相竜会会長までが銃殺され、最後に住善建設の会長、常務取締役、そして、顧問弁護士までもが銃殺されたのだから、警察としては大人しく身を引くわけにはいかないだろう。

関係者はすべて死に、あえて言えば、御影守たちが生き残っているだけであり、彼らが仲介者として関わった証拠はどこにもない。

今後、三人が口を噤み、秘密を決して第三者に漏らさなければ、分からないことであり、三人とも決して話すことはないだろう。

その晩は、久しぶりに飲み交わし、御影守の事務所に泊まった。

翌朝は、空も晴れ渡り、朝焼けはコバルトブルーだった。









































































































































































































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