そうじ屋

献残屋藤吉郎

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やくざ先生

ヤクザ先生

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(1)やくざ先生、、、、
神宮司龍二は10年ぶりに筑波山の麓にある私学つくば学園の前に立った。懐かしい匂いがする、、、春も終だというのに桜吹雪が風に舞っていた。
何もかも10年前と変わらない、、、学園の広場を職員室の入り口に手をかざした。
同時に引き違い戸が開いた。。。
大川学園長の顔が出てきた。。「おお、、、龍二か、よく来たな、、、、そうか、もうあれから10年か、、、早いもんだな」
「迎えにも行かず、、、すまん、、、忘れたわけではないのだが、、、すまん、、すまん]とわびてくた。
「どうだ、、、龍二、変わらんじゃろ、、、相変わらずの貧乏世帯じゃ、、、すまんのう、、、」
「とりあえず、、、はいれや、、、何にもないがのう、、話は山ほどあるからの、、」
大川学園長は心から歓迎してくれた。お前の大好きなばあさんも去年なくなったよ。。。と、寂しげだった。
龍二が職員室に入ってから、暫くして、大川学園長の娘さんが飛んできた。
「龍ちゃん、、お帰り、、、会いたかったよ。。。今日はゆっくりできるんだろう、、、美味しいもの作るから」
と、、、飛びついてきた。
その晩は学園内にある宿舎で、花が咲いた。
学園長は酒が好きだから、日本酒を飲んだ、、、龍二は出所したばかりなのでビールを少し飲んだ。
娘の花代は父の手伝いで、まだ、独り身だった。父の晩酌の付き合いで花代は酒を飲むようになっていた。
「ところで、龍ちゃん、仕事はどうするの、、、、まだ、決まっていなかったら、つくば学園を手伝ってほしいな」
大川学園長も手伝ってくれたらと、願っていた。

(2)緑吹く風にのびのびと。。。
大川学園長に連れられて、龍二は3年生の教室へ向かった。
そして、紹介をされた。
「今日から本校に来てもらった、、神宮司龍二先生だ。
みんなの体育を担当する、、そして、柔道部の顧問をしてまらう、、、よろしくな、、、なかよぅしてくれな」
「神宮司龍二です、、、よろしくお願いします」
そして、、、大川学園長が少ない、生徒を紹介してくれた。
「みんな、これからは神宮司先生も学校の宿舎に寝泊まりするので、、食事も一緒だから仲良くしてな、、、
神宮司龍二も仲良くしていこうと思った。
3年生は男25人、女性15人だった。
神宮司龍二から見ると、みんな癖のある生徒に見えた。
全員が親なしか、片親の子供たちばかりだった。
でも、見た限りでは明るかった。
龍二は好きになれそうだった。
生徒全員の紹介は時間が掛かったが、大川学園長が紹介してくれた。学園長には愛情があふれていた。
筑波学園は1年から3年まで合計で120名の学園であった。
通いの学生は80人で、後は宿舎住まいであった。
その日の夜はささやかな歓迎会があった。
龍二は嬉しかった。新しいつくば学園で精一杯生きてみよとおもった。

3(自然の中で、、胸張って)
龍二は思った。今度こそ人生の道を間違えずにあるいてみようと。。。。
目の間にいる子供たちと生きてみようと思った。
筑波学園の生徒120名のうちの、80名が宿舎生活の生徒たちだった。親なし子供が60人もいた。
しかし、みんな明るく素直に見えた。それは龍二から見た欲目だった。
親なし生徒たちは何処か違っていた、、、、いいのか悪いのかはまだ、わからなかったが、反抗心がつよかった。
龍二にもなんとなく理解できた。
もうすぐ、夏休みが近づいてきた、、、親なし生徒たちは帰るところがなかった。
それで、学園側の企画した5日間のキャンプ合宿があった
夏休みが近づくと、キャンプは3班に分かれていくので、その班分けが大変だった。
宿舎生活者も1年から3年までいるので、本当に組分が決まるまでは大変だったのである。
好き嫌いもあり、、、平均して決まるまでには、いろいろもめた。
それでも、何とかまとまり、準備は出来た。
龍二は何もできず、黙って手伝うだけだった。
学園町の娘、花代がてきぱきと段取りをしていた。
昔しか知らない龍二は、花代が大人になったことに驚いていた。

4(キャンプに参加して)
神宮司龍二は嬉しくもあり、楽しかった。
人と、、、仲間と触れ合うことを忘れていた。。常に監視されて、見張られて生きてきた自分が恥ずかしかった。
随分と長い間、狭いところで,窮屈な生活をしていた自分が悲しかった。
今は何の囲いもなく、自然の中で、胸いっぱいに空気を吸って、生きてることに、涙した。
大川学園長に感謝していた。こんなにも暖かく迎えてくれたことへの感謝だった。
そして、子供たちと過ごせる喜びを、、、
大川学園で子供たちと一緒に生活することにも感謝し,好きな柔道をすることが出来てうれしいことばかりであった。
龍二は柔道部に夢を持っていた。。。生徒の中に頼もしいやつがふたりいるのであった。
大山勝次と小山正一の二人であった。
宿舎生活で、どちらも親なしであった。学校対抗の団体戦には5人必要であったが、、、戦力をいまいちであったが、頑張っている。
今回のキャンプにも5人が揃って参加している。
素直な子供たちなので、実量を伸ばしてやりたいと思っている。
神宮司龍二は学生時代に大学選手権で優勝したことがあるので、勝つことを覚えさせたかった。

5(勝つことの楽しみ、喜び)
神宮司龍二は筑波学園の生徒たちに勝つことの楽しみを、」喜びを知ってもらいたかった。
仲間同士で、環境の素晴らしい自然の中で躍動することは素晴らしいことだ。その中で、青春時代に競い合うことの素晴らしさ、切磋琢磨することの素敵なこと、汗をながして青春時代を進むことを知ってもらいたかった。
競い合うことのたくましさを覚えて欲しいと思った。
夏休キャンプ生活を楽しんでいる生徒たちに、今度は競う会う青春を楽しんでもらいたいと思うようになった。
筑波学園の夏休みも終わり、新学期が始まった。
神宮司龍二も教員生活になれてきた。
そして、特に部活活動に明るさを見出していた。指導している柔道部が力を出し始めていた。
特に個人部門では大山勝次と小山正一の二人だった。
大山勝次は重量級の強さを持っていた。小山正一は背丈は小さいが背負い投げの特異なやつだった。
団体戦では後の3人がほどほどで、何とか頑張っていた。
夏休が終わると秋の大会が近づき、練習も盛んにおこなうようになった。
龍二は柔道部員に教え込んだ、、、勝つことの喜びを。。
そして、練習にも力が入つていた。
そんなある日、、、柔道部員の家族から苦情が入った。
柔道ばかりで、、、勉強の学力が落ちてきているので、、、心配と。。。。今のままでは大学への進学が心配で仕方がないので、、、柔道を辞めさせてほしいと。。。
本人は柔道をやりやがっていた。しかし、家族の強い反対で
辞めることになったのであった。
そして、生徒から直接相談を受けた、神宮司龍二は迷った。
大川学園長に相談して、話し合いをしたのであった。
生徒の親は地元の有力者であり、学園にも協力してれているので、学校側は困った。
しかし、本人は柔道を続けたいというので、、、神宮司龍二は親元に直に頼み込んだのだった。
熱心に神宮寺龍次は頼んだ。。。。
余りの熱心さにほだされて、、、また、自分の息子の必死に諭されて、、、有力者は折れた。
今回の大会で入賞出来たらと言うことで。。。。
それから、有力者の生徒は夢中で頑張った。

(6)諦めるな、、、弱音を吐くな
地方の私学である筑波学園が柔道大会で県大会に出場して、決勝まで勝ち進むとは奇跡に近かった。
個人戦ならばいざ知らず、団体戦で決勝まで来たので、地元を上げて大騒ぎだった。
5人のうち3人までは強かったが、後二人はさほどに強くはなかった、、、しかし、頑張った。練習も良くした。
顧問の神宮司龍二も頑張った。
県大会決勝の前日に、神宮寺龍二は大学時代の友と再会した。
大学時代に早稲田大学の竜虎言われた、柔道仲間の坂本良助と偶然にあった。そして、決勝大会を競ったのであった。
「おい、、龍二じゃあないか、、、久しぶりだな」
と坂本良助から近寄ってきた。
「おお、、坂本か、、、よろしくな」と言いながら、
決勝戦は始まった。
兎に角、試合が終わってからと言うことで、、別れた。
神宮司龍二は教え子たちに激を飛ばした。
小さな地方の学園が全国大会まで、勝ち上がり,今、決勝大会に臨もうとしていることに、、、龍二は感激していた。
そして、決勝の相手が大学時代の友である、坂本との決勝であった。夢のようなことだった。
神宮司龍二と坂本良助は常に技を競い、勝ち負けを競っていた。

(7)懐かしい昔、、、
柔道の対抗試合は坂本良助が率いる、東京都立早稲田実業が勝った。強かった。しかし、神宮司龍二が率いるつくば学園も強かった。
試合の数日後に坂本良助がつくば学園を訪ねてきた。
龍二がバス停まで迎えに出た。
「良助、、、、ビックリしたろう、、田舎なので」
「龍二、本当にしばらくだった、、、12年ぶりかな、、、元気だったか」
「ああ、、、ありがとう、わざわざ、逢いに来てくれて、、、本当にありがとう」
二人は自然一杯のが学園の宿舎で祝杯を挙げた。
12年間の積もる話は尽きなかった。
坂本は結婚していた、、、
「龍二、あの後の事件ことは知っているよ、、、ご苦労さんだったな。。。しかし、仕方がないよ。。。でも、元気でよかった。」
神宮司龍二は父親が会社を倒産して、そのあとの借金地獄でのやくざの追い込みで、家族を守るためにしたことだった。
母親と妹さんは自殺に追い込まれて、それまでの催促と酷い嫌がれせで、家庭は崩壊してしまった。
本当に辛ったな、、、、俺が来たことで嫌なことを思い出させてしまったと、、、昔を涙した。
でも、大丈夫だよ、、、
大川学園長に拾われて、今は人生を楽しんでいるよ。
しかし、「坂本、、、お前と柔道をやっていてよかった、、、柔道があるから生徒たちと明日への光を見つけて、、日々生きてられるよ」
「坂本、、こんな俺でよかったら、ずっと、付き合ってほしいな」
二人は夜通し酒を酌み交わしながら語った。

(8)仇として狙われる龍二
久しぶりに訪ねてきてくれた坂本良助と楽しい一夜を過ごした。夏休みも終わりに近かったが、次の日に良助は帰った。
寄宿舎で寛いでいた龍二のもとにまぬかれぬ客が訪ねてきた。
花代さんが5人の男を案内してきてくれた。人相の悪い男たちであった。
龍二は一目でわかった。12年前に殺し合ったやくざたちであった。関東連合のやくざで、幹部やくざの大畑長次郎と言っていたはずだった。後の4人ははっきりとは覚えていなかった。「ご無沙汰しています、、、大畑です。随分探しましたよ。
あれから人を訪ねて歩きました。。。龍二さんの友達の坂本良助さんを見張っていれば、必ず、逢えると思っていましたので、、ずっと、彼を見晴らしていましたよ」
「どうして、来たかはわかりますよね、、、私たちの家業は親分んを取られたときは必ず、その仕返しをしなくては筋が通らないので,、、本当に探しましたよ。。ましてや、兄貴分までやれれているので、覚悟してください」
「12年間は長かったけど、付き合ってください」
神宮司龍二も「わかりました、、、しかし、私はやくざでもなんでもないので、、他の方法はないのですか」
すると、他の一緒にいる連中が、、、
「ふざけるな、、、俺たちはお前の命を貰わないと組に戻れないんだよ、、、ぐたぐた、、今更、泣き言をいうなよ」
と、もう、刀を抜いていた。
神宮司龍二も覚悟はした。刑務所の中でも何度か襲われたので。。。
学校は夏休みだったので生徒は誰もいなかった。宿舎の外に出た龍二は5人の男に囲まれていた。
絶対絶命だった、もし、仮に戦って勝ってもいいことはない。
しかし、火の粉は払わば蹴ればならない。。。
そんな困っている龍二に助け船が出てきた。
園長の娘の花代が大きな声を上げて、、、「人殺し。。」と
叫びながらホースで水を撒いてきたのであった。
花代の「人殺し」と言う叫び声で、人が集まってきて、血統は一時止まった。
やくざの幹部である大畑長次郎が止めたのであった。
「龍二さん、日を改めて会おう、、今日はここで引きあがるから、、、」
と言って、」やくざは引きあげた。
神宮司龍二は助かった。学園長の娘、花代に救われた。
大川学園長が帰ってからが大変だった。

9(再び会うことを約束して,大畑長次郎は引き上げた)
花代に救われた龍二であった。しかし、大畑長次郎は再度会うことを約束したのであった。いずれは決着をつけなければならなかった。探し当てられた以上は逃げるわけにはいかなかった。相手はやくざであり、12年もかけて探し当てた親分の仇である、、、何が何でも形をつけようとするだろう。大畑長次郎たちが帰った後の事が問題だった。大川学園長は知っていたが、誰も知らないことだったので、、、娘の花代も知ってはいたが。。。
夏休の事とは言え、学校内でのやくざとの闘争である、、すぐに噂になり、問題となった。
父兄の間からも問題が起こり、犯罪人に、ましてや人殺しに子供を預けるわけにはいかないとなった。
そして、評判の良かった住民にも反対を唱えるものが出てきた。
大川学園長が事情を説明したが納得の往かないものが出てきた。
大川学園長は困った。
生徒たちは神宮司先生の過去は問題がない。今まで通りに学校に残って欲しいと嘆願された。
神宮司龍二は大川学園長に迷惑はかけたくないので、やめたいといった来た。
大和学園長と生徒の父兄、、地元住民と話し合った結果、神宮司龍二が身を引くことになった。
この話を聞いた生徒たちはストライキを起こした。
しかし、神宮司龍二の意志固く、生徒たちを説得した。
そして、自分はやくざたちと話をつけてから、農園を開くことにした。
良かったら、学園を卒業したら、農園を一緒にやりやいと考えているから、手伝ってほしいと。。。
折角知り合った仲間なので、ずっと、いたのでは農場経営をしたいと、、、
みんなが安心して働ける農場を作って、待ってると約束をした。
翌日、別れを告げて龍二は学園を後にした。
その前にやることをやってからな、、、大畑長次郎との決着だった。

10(さようなら、、仲間たち)
神宮司龍二はお世話になった大川学園長に、迷惑をかけられなかったので、学園に別れを告げることにした。
龍二としてもずっといたかった。生徒たちとも特に柔道を通しての青春愛が出来上がっていた。
人が人を教えるという教育愛を知ったような気がして来た矢先であった。心から大川学園長のもとで、もっともっと教えもしたかったし、学びもしたかった。
しかし、自分の犯した罰の報いなのかも知れない。
償わなければいけないのだ。たとえ、相手がやくざであっても、人を殺したことには違いないのだから。
そんな気持ちを持ちながら、大畑長次郎との約束の場所に向かった。
龍二は覚悟はしていた、自分の犯した罪の償いは,償わなければと。。。
筑波山の麓、広々とした河原の一画で、大畑長次郎は待っていた。
「龍二、、、よく来たな、逃げずに。。。あんたの度胸と気持ちに答えて一対一の勝負をしよう。。。」
「龍二、他の者には手は出させないから、、、たとえ、俺が負けても約束は守るよ」
「そして、この勝負で恨みつらみは無いことにしよう。あんたも堅気の人間だ。これが最後の勝負だ、、、いいな」
「誰も手を出すなよ、、、じゃあ、行くぜ」
と、大畑長次郎は日本の日本刀をだした。
龍二も覚悟はした。
二人が構えたその時に、、、30人からの学生がどこで知ったかこけ込んできた。二人の仲に割り込んできた。
「先生を守れ、、、先生俺たちが戦っている間に逃げてください。。。先生、死んじゃだめだよ、、、」
龍二は学生を止めた。
「やめないか、、、危ないから、どいていてくれ、、、」
と、龍二は叫んだ。
この学生たちの真剣さを見た、大畑長次郎は刀を引いた。
「龍二、やめよう、、、この勝負はまたにしよう」
大畑長次郎は生徒たちの真剣な、命がけの行動に胸が熱くなった。もともと、情のあるやくざだったから、手を引いた。
そして、「龍二、今回は学生たちに免じて、手を引くよ、、、いずれ、どこかであったら、覚悟しておけよ。」
と言って、さぁっさと引き上げた。
なんとも男気のある男だった。
龍二は頭を下げた、、、引き揚げていく大畑長次郎に。。。
深々と頭を下げて見送った。
学生たちは喜んだ、、、そして、その様子を見ていた大川学園長も涙して、頭をさげていた。

11(その後の龍二は、、、、農場造りに励んだ)
大川学園長や学生たちと別れた神宮司龍二は一人旅に出た、
大学時代の友で、先だって柔道大会で再会した、坂本良助を訪ねた。
彼は北海道の実家に戻っていた。連絡を取ったら、是非、北海道へ来いということで尋ねたいった。
彼の実家は日高で牧場を経営したいた、競走馬の飼育であった。
広々とした北海道日高の牧場で手伝いながらのんびり過ごした。
そんな日、「龍二、、、話し聞いたよ、、、どうだろう、、、俺の牧場を手つだってくれないか、、、」と誘われた。
龍二はまだ行く当てはなった。大川学園を出てから、独立農場を作って、自分なりの青春道場を作るつもりでいた。まだ、構想中ではあったが、仕事もしながら、運動もしながら精神修養の場を作って、今の若い連中と人生の道を究めていこうと思っていた。
坂本良助に牧場経営に参加しないかと言われて、心から感謝した。龍二も北海道日高の草原で、自然に囲まれた中で、競走馬を相手に仕事を仕様と思った。
早く仕事を覚えて、龍二を慕ってくれている若者を呼び寄せたかった。
龍二は大川学園長に連絡を取って、相談をした。
来年卒業の学生を送ってくれると約束をしてくれた。
龍二は今度こそ、人生最後の夢をかなえようと、心が弾んだ。
春が来るのが楽しみなった。

12(龍二、、、春を迎えて)
龍二は嬉しかった。そして、迎えてくれた良助に心から感謝した。
「良助、、、なんでも言って欲しい、、、俺は何も知らないのだから、教えてくれ、、、そして、指導してくれよ」
「春に若き仲間が来るまでには、いろいろと覚えたいからな」
良助も喜んでくれた。
「ああ、、、慌てずに覚えてくれ、、、先は長いんだからな」
「良助、、、人一つ聞きたいんだけど、、、牧場の外れにある小屋は、今は使ってないのかな、、、」
「ああ、、、使ってないよ、どうしてだ」
「使ってなかったら、俺に貸してもらいたいんだけどな、、」
「いいけど、、、どうするんだ、、」
龍二は少し手を入れて、道場を作りたいことを話した。
春に生徒たちが来たら、、、一緒に柔道の道場を作りたいんだと話した。
良助も賛成してくれた。
龍二は春までに牧場の仕事を覚えていたい、、、そして、みんなが来るのを楽しみに待ちたい。
北海道日高の大地で夢を開きたい、、、、、

(13)龍二にも戻って来た青春が。。
神宮寺龍二にも消えた青春が戻って来たような、、、大事な青春時代の10年間を刑務所で過ごした龍二であったが、つくばでの大川学園時代で青春のやり直しをしてきたような、、、自然の中で10代の若人と過ごした3年間、そして、過去に起こした過ちを見なおさせてくれた大畑長次郎との出会い、過去を清算させてくれた戦い。
刑務所生活から教員生活の真似事を通じて、人世道を少しだけ学んだような。。。
そして、大学時代の友である、坂本良助の友情と、、、、
龍二は人の情けをしみじみと知った。
人とはいいもんだ、、、心を開いて通じ合える友が、仲間がいるということは素晴らしいということを感じた。
これからは、その温情を大事にして、人を大事にして、相手を、、、人を知って、生きていきたい。
春になって、尋ねてくれる教え子と言うか、仲間を迎えて、新しい大地で生きていきたい。
人が生きるということの素晴らしさや、大切さを大事にして、仲間と切磋拓魔して人生を歩んでいきたい。

14(よみがえった青春)
神宮司龍二は春が待ち遠しかった。
失った青春をもう一度、やり直そうと思っていた。
今から胸がわくわくしていた。
筑波学園の生徒たちと会えるのが心待ちに嬉しかった。
そして、柔道を共に練習して、全国大会にまで出場したことが懐かしい。。。早く、あの、大山勝次と小山正一にも会いたい、、、、他につくは学園から5人がやってくる。
龍二は夢に膨らんでいた。
少ない仲間たちと坂本の牧場を手伝いながら、自分たちの農園を作ることであった。
農園を作る土地は友達の坂本良助から借りることがきまっていた。


15)北の新天地で夢を、、、

神宮寺龍二は北海道日高に来て、大学時代の同級生の坂本良助の牧場で働いていた。。。いずれは独立して「農園経営」をすることを話していたのである。
とりあえずは良助の経営する牧場を手伝った。良助の牧場は競馬馬を育成していたのである。
龍二は北海道日高の広い牧場を見て、、、どこまでも澄み渡った空を眺めて、、「ここだ、、」と思い、覚悟を新たにした。
「農園経営」をすると決めても何も知らない龍二であり、、これからすべて、「一から、、」やることであったが、意気ごみだけはあったのである。
良助の知人で「ハウス農業」をしている、川島健太郎を紹介してもらって
勉強訓練中であった。
龍二は良助から「牧場経営」も学んでいたのである。
将来は農業と牧場を併用した事業を、筑波学園からくる仲間たちと一緒に経営していくつもりでいた。


16)龍二は「ハウス農業」の準備を。。。

龍二はこれから参加する、、大山勝次と小山正一他に3名のつくば学園卒業の若者と「ハウス農業」をするために、準備を進めたのであった。
春には高校を卒業して、夢振らませてやってくる若者たちに落胆はさせられない、、、龍二は自分を頼ってきてくれる彼らに期待もされているので、自分の人生を掛けて頑張らないとならないと思ったいた。
その「ハウス農業」をするために、大学の同級の坂本良助も協力を惜しまずに手助けをしてくれたのである。
そして、北海道での「ハウス農業」期待してくれていた。
そんために広大な土地を貸してくれたのである。
「ハウス農業」そのやり方は、、、北の新地で野菜を中心にした農業であった。
新鮮な野菜を栽培して、、、東京などの都会に直送することであり、、生活苦で苦しむ低所得者向きに、いかに安く作るかを考えて、、、経営する低経費農業であった。
友人の坂本良助が経営する牧場の排出する「排泄物」を利用して、、肥料及びメタンガスなどを熱源として、効率のいい、リサイクル事業と結び付けて運営することであった。
また、輸送も競馬馬との絡みで、、馬の輸送などを考えて、野菜の低価格販売をするシステムを構築することであった。













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