竜使いの伯爵令嬢は婚約破棄して冒険者として暮らしたい

紗砂

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「アメリア、君はスカーレットが引退したら、どうするつもりだ?」


エスト様は先程とはうって変わり、真剣な面差しで私を見つめる。
その瞳に全てを見透かされているようで少しだけ恐怖を感じる。
だからこそ、私は微笑んだ。


「どうするつもりもありません。
お母様が引退したとしても、私がやるべきことは変わりませんわ。
私はただ、誰かのためにこの力を振るう。
それだけで十分であると思っていますもの。
ただ、お母様が引退したその時は、私ももっと力を付けなければならないとは思いますが」


確かに、私の目標はお母様の隣にたち、戦うことだ。
だが、それでも根本的なものは変わらない。
誰かを守るために力をつけたい。
その分かりやすい目標がお母様だっただけ。
だから、お母様が引退したとしても結局のところは変わらないのだ。


「そうか……。
ならば良かった」


エスト様が優しく微笑んだ。
自然とその手が私の頭に伸び、我が子の成長を喜ぶかのように頭を撫でてくる。


「さて、ここからはある意味では戦場と言えるだろうな。
君ならば大丈夫だろうが……。
もし、何かあれば私の名を使うといい。
スカーレットの子だ。
私の子も同然だからな」


エスト様はそう言うが、ここで頼ってしまうのはダメだと思った。
これは、私の試験だ。
エスト様が純粋に私のことを認めているのならば良いだろう。
だが、違う。
これは、お母様の、スカーレットの子という前提があり成り立つものなのだから。
だとするのなら、ここで力を借りるのはいけない。


「ありがとうございます。
ですが、大丈夫ですわ。
見事乗り切ってみせます。
私は、あのスカーレットの娘ですもの」


笑ってみせると、エスト様は驚いたように目を見開き、笑みを浮かべながらその奥の扉を開いた。





私は、今、陛下と謁見中だった。


「アメリア嬢。
スタンピードでの助力、感謝する」

「勿体なきお言葉、ありがとうございます。
ですが、あれは私だけのものではありませんわ。
この国の冒険者たちと騎士の力があってこそのことですもの。
私はただ、少々お手伝いをしただけですので、感謝は不要ですわ」


あれは、決して私一人の力ではない。
冒険者たちの力も借りたし、騎士たちの力があってこそのもの。
それを、私一人だけの功績になど、出来るはずがない。


「アメリア嬢、謙遜しすぎるのも良くはない。
皆、口を揃え言っておった。
一番の功績者はアメリア嬢である、とな。
騎士だけではなく、冒険者たちも同じだ。
自分たちはただ見ていただけだと言うのだから、素直に受け取ると良い」

「……はっ。
ありがとうございます」


私が礼を口にすると、陛下は満足そうに笑みを浮かべた。
納得は出来ないが。


「それで、褒美の話だが……。
何がいい?」

「何も。
強いて挙げるとするのであれば、この国の民を守る外壁の一部が壊れたと伺っております。
その修繕を」

「うむ。
だが、それは当然のこと。
貴殿への褒美とはならぬ」


困ったように言われても、私に欲しいものなど何も無い。
金銭的に困っている訳でもないうえ、剣だって銀で作るのだから問題ない。
かといって、銀をもらったところでどうしようも無い。
これ以上、何を望めと言うのだろうか。


「陛下、ではアメリアの後見となるのはどうでしょう?」


エスト様が口を挟んだ。
陛下はその提案に少し考えるような素振りを見せたかと思えば、頷いた。


「だが、それだけでは足りぬだろう」

「い、いえ!
充分すぎる程ですわ。
ですが、それでも足りぬと思われるのでしたら急ぎ、外壁の修復をお願い致します」


でなければ、外壁から王都の街に好き放題に魔物が入ってくることになるのだ。
それを分かっていて、他の褒美など望めない。
……欲しいものもないのだが。


「承知した。
だが、欲がないな……」


陛下の言葉に、私はただ苦笑をもらした。
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感想 14

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みんなの感想(14件)

R
2019.03.08 R

面白いですが、誤字が多くて残念です

解除
みみこん
2018.10.14 みみこん

ウルフのウルは?連れていないのですか?
モフモフ好きなのでウル絡み楽しみなのですが。

解除
シズク
2018.09.15 シズク

更新頑張って下さい。
楽しみにしています。

解除

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