竜使いの伯爵令嬢は婚約破棄して冒険者として暮らしたい

紗砂

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「リアン…ありがとうございます。
お母様、レオニード様、リアンが乗れと…」


私は1人リアンの背に乗り、撫でながら言うとお母様は後ろの方に乗った。
そのせいでレオニード様は自然と私のすぐ後ろになってしまう。

そして全員が乗った事を確認するとリアンは大きな翼を広げ飛び立った。

冷たい風が当たり、気持ちいいと感じる反面あまりの高さに怖いと思ってしまう。
だが、そんな私の心を見透かしたようにリアンは少しだけ高度を下げた。


「リアン、あの門の外に降りてくださるかしら?」

『グルァ!』


リアンは小さく返事をした後に段々と高度を下げていく。
少し人が集まってくるが上に人がいると分かったのか狼狽えていた。
そこで、私とお母様が背から飛び降り、レオニード様もそれに習い背から降りた。


「済まない、驚かせたか?
あの竜…リアンは娘、アメリアの契約獣だ」

「驚かせてしまい申し訳ありません。
ですがリアンは敵対いたしませんから武器を下ろしてくださいませんか?」


私がリアンを撫でながら言うと不安そうではあったものの大人しく武器を下ろした。
全員が下ろしたのを確認してから
「ありがとうございます」
とお礼を言った。


「リアン…小さくなれればいいのですが…」

『グガッ?』


不思議そうに私の目を見つめると途端にリオンの姿が小さくなっていき最後には私の頭に乗れる程の大きさとなった。
最初から聞いていればよかったと後悔するがもう遅い。
私は苦笑を漏らしリアンと共に門を潜ったのだった。

そしてそのまま報告をするためにギルドへと向かう。


「おっ!
アメリアちゃん、おかえり!」

「ただいま戻りました」

『グァ!』


リアンは私に倣って…なのか何故か私の頭の上で前足を上げて可愛らしく挨拶をした。


「……なぁ、あれって……」

「おう…あれだな…」

「「「………何でドラゴンなんているんだ(よ)!?」」」


ドラゴンであるリアンがここにいることに驚いているようだ。
そんなギルドにいる人達の反応に私はようやく理解した。
……まだ紹介していなかった、と。


「リアンって名前なんです。
可愛いでしょう?」


私は頭の上に乗っているリアンを抱えて皆に見せる。
白いドラゴンでしかも小さなリアンは本当に可愛いと思う。


「アメリア、レオニード」

「あ…申し訳ありません、お母様」

「すいません」


私達は3人でマスターの部屋へと入った。
………ノックも無しで。


「おわっ!?
スカーレット!?
アメリアとレオニードもか!!
お前らは貴族だろうが!!
ノックくらいしろ!」


と怒られたのはご愛嬌だ。
ちなみにその後、お母様は何事も無かったかのようにソファへと腰掛け私はリアンを膝の上へとおいた。


「アメリア、それはなんだ」

「リアンですが……?」

「いや、そうじゃない。
そうじゃないんだ……。
何でここにドラゴンが居るかって聞いてんだよ!」


マスターが声を荒げるせいでリアンが怯えてしまった。
私は優しくリアンの背を撫でながら落ち着かせつつマスターの問に答える。


「依頼で知り合ったのですが色々とあって連れてきました」

「……スカーレット」

「アメリアが望んだんだ。
何も我儘を言わなかった愛娘が珍しくお願いしてきたのだ。
了承意外に何の答えがある?

……それに、だ。
翼を見てみろ」

「あぁ?
翼だ?
一体何だって……なっ…契約紋!?」


マスターとお母様の会話で私は理解した。
このリアンの翼に刻まれている薔薇の模様はどうやら契約紋だったらしい。


「リアン、契約紋なんて…私で良いの?」

『グァ!』


リアンは私の問いに勿論と言うかの様に頷いた。
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