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しおりを挟む入学式から一週間程が立ち、私も学園生活に慣れ始めてきた頃の事だった。
「来週から強化合宿がある。
グループは学年で2人ずつペアを組み、上級生と組むことになる。
明後日までにペアを報告しに来い」
いきなりペアと言われてもクラスメイトの事をあまり知らないというのに、だ。
それに私以外は全員男だ。
「アメリアさん、良ければ俺とペアを……」
「いや、俺と!」
「アメリアさん、私と組ん……」
そんな男達に私は遠い目をする。
思ったよりも誘ってくれる者が多いのはいいのだが……はっきり言ってウザイのだ。
断ろうにも私の話を聞いてくれる雰囲気ではないため困り果てていたところだった。
「アメリア、報告に行くぞ」
「あ、はい」
レオニード様が私に声をかけてきてくれたため私はこれ幸いにとレオニード様とペアを組むことにした。
昔からの知り合いでもあるため1番適任とも思えたのだ。
……性格は別にして、だが。
「なっ……俺の方が先に…!!」
「アメリアは私の婚約者だ。
それに、スカーレット様からもよろしく言われているからな」
その様な話は初めて知ったのだが……。
というか、お母様は私が何かやらかすとでも思っているのだろうか?
だとしたら不本意なのだが……。
「申し訳ありませんが…今回は実力が分かっているレオニード様にお願いしたいのです。
皆さんの実力はまだあまり分かっていないので……。
そのせいで怪我をするのは避けたいのです。
ですから、また機会がありましたらその時にお願い致しますわ」
私は一応、謝罪をするとそのままペア決定の報告をしに職員室へと向かう。
「タナトス先生、ペアが決定致しました」
「私とアメリアでペアを組みたいのですが…」
「あぁ、分かった。
アメリア、レオニードだな。
…実力的にも良いペアと言えるか…」
先生は書類へと書き込むとそのまま私達に課題を出した。
「明後日まで戦闘科の授業は無い。
つまりは強化合宿の準備期間だ。
一応、ほかの者にも伝えておくようにしろ」
「分かりました。
では、失礼します」
レオニード様に倣い私もぺこりと頭を下げると面倒な事を押し付けられたなどと思いつつ、教室へと戻り先程の事を伝えるのであった。
それから私とレオニード様は授業が無いという事で寮に戻るとそれぞれの自室に戻り準備を始めた。
私は家から持ってきた物の中から砥石を取り出すと剣を研ぎ始める。
切れ味が良すぎずも悪すぎず、そうなる様に丁寧に研いでいく。
それからしばらくの間、私の部屋には剣の研ぎ音だけが虚しく響いていたが私は軽く振ると、剣の空気を裂く音に満足して鞘に収める。
それから荷物を入れるリュックの中に数本の水と何日分かの食料を入れる。
その時、調味料とハーブを入れとくのを忘れない。
予備としてナイフを1本入れておく事にしようと底に入れると他の物について考える。
他には何が必要だろうか?
着替え…は大丈夫だし…一応エリクサーとポーションは持っていかないとか…。
私は鞄の中を確認するが持ってきた覚えは無かった。
……買いに行かなければないだろう。
それに、リアンの食料も持っていなければいけない。
私はため息をつき、幾らか持ってからリアンに声をかける。
「リアン、一緒に行く?」
『グルァ!』
リアンは勿論と言うように鳴いてからもはや定位置となりつつある私の頭の上へと乗った。
そんなリアンに私は苦笑を漏らしてからポーションとリアンの食料を買いに街へと繰り出した。
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