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しおりを挟むメルトリアの二人組から離れ、私たちの待合室へと戻ると、シェードに怒られる。
「何故あんなことを言った!
ルーを一人で戦わせるなど、許すはずがないだろう!」
などといったことだ。
だが、仕方ないだろう。
あのように侮辱されて、許せるものか。
「カーフィス!
お前も何故ルーから目を離していた!
ルーは貴重な回復術師だ。
狙われることだってありうる。
なのに何故!」
「俺はもう、ルーディアの専属でもなければ、それを望まれてすらいない。
俺が目を離したところで、ルーディアの身に何か起こることはありえない。
あいつらがソレを見過ごすはずがありませんから」
カーフィスは、不敬とも思われるような態度でシェードに反論した。
だが確かに、カーフィスの言う通りであった。
私が危険な目にあうことを、アルトとユリアは見逃さない。
もし、なにかあったとしても、守護神がいるのだ。
私の身になにかおこるということは万に一つも有り得なかった。
「なーにが目を離したところで、だ。
お前がルーディア様から目を離すことなんて、ルーディア様が学校に行かれている時くらいだろうが」
冗談交じりに騎士の人が口を挟んでくる。
それに、カーフィスかま少しだけ恥ずかしそうに顔を背けた。
「手のかかる幼馴染なんで」
「それは私のセルフよ!
何度私が行事に遅れてくる、どこかの幼馴染のフォローをしてあげたと……!」
「それを言うなら、村に居た頃から振り回しやがって……!
毎回怒られるのは俺だけって理不尽すぎるだろ!」
白熱していく私たちの口喧嘩に待ったをかけたのは、選手入場のアナウンスだった。
「ルーディア、気をつけて行ってこいよ。
もちろん、勝ってくるんだよな?」
「当然でしょう。
負けたりなんかしたら、シヴァになんて言われるか……。
それに、私は守られているだけの術師じゃない」
ただ守られているだけじゃない。
私だって、戦う術を持っているし、カーフィスの隣で、前線で戦ってきたのだ。
「見せつけてこいよ。
戦えるってことを」
「当然!
じゃあ、行ってくる」
「おう!」
カーフィスと拳を合わせると、私は入場した。
こちらから入場したのは、もちろん私一人だ。
それについて何やらアナウンスがうるさいが気にすることはない。
私は開始の合図まで、魔力を練り、備える。
そして。
『始め!!』
その声に、私は解放した。
『ストッパー、ゲート解除。
魔力解放。
出力上昇。
具現、具現具現具現……』
私が貯めていた魔力の一部を解放し、総量を上げ、それにより魔法の出力を上げていく。
更に、その魔力を使い、具現の魔法で剣や弓といったものを次々と出していく。
具現はいわば魔力の塊だ。
そのため殺傷能力はあまりなく、安全とも言えるだろう。
だが、それだけで終わるはずがなかった。
「私は、そこまで優しくない」
いつもより、声が数段低くなるのは怒りからだろう。
『属性付与』
火力を上げ、相手の結界や防具を無視するための属性を少しだけ加え、手を振り下ろす。
それと同時に、天に待っていた私の具現した武器が堕ちた。
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