脇役だったはずですが何故か溺愛?されてます!

紗砂

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鈍感

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鈍感……鈍感ってなんだっけ?
あれからずっと気になってしまい頭から離れないのだ。

私はパソコンを立ち上げインターネットで調べる。



鈍感……感覚・反応などが鈍いこと。
               気の利かないこと。その様。



………調べてはみたものの意味は全く分からなかった

……まさか反応を早くしろとか、大袈裟にやれと言っているのだろうか?

違うとは思うが……それ以外に浮かばないし出来るだけ頑張ってみよう。


次の日。
私はいつも通り学園に行く。
そして、昨日の鈍感といったことを取り消させるために頑張ろうと無駄に力を入れていた。


「おはよう、咲夜」

「おはよう」

「おはようございます」

「おはようございます。
今日から頑張って鋭くなりますね」


私は少し意気込んで頑張る旨を伝えた。
すると3人とも不審そうに私を見ていた。
失礼な。


「咲夜?
一応きくけど……どういう意味で?」


どういう意味って……。


「反応を早くして、大袈裟にします!」

「「「馬鹿か!(じゃないの?)(じゃないんですか!?)」」」


……酷くない?
3人して馬鹿って!!
私はそんな馬鹿じゃないし!!


「はっ!
もしやすでに鋭くなっているかを……!?」


少し大袈裟に驚いてみせると、3人は揃って溜息をついた。
そして、呆れたように口を開いた。


「……咲夜って色々と残念なところありますよね…」

「……本当、変なところで馬鹿だよね。
そのくせ、テストの点とかはいいんだよね。
毎回首席取ってるくらいだし」

「……咲夜は鈍感なままでいいと思うんだ。
そして、テストに関しては次は負けない!!」


それぞれ愛音、奏橙、天也の順だ。
皆酷いと思うんだ。
……もう少し言い方というものがあるだろうし。


「……鈍感って、私はそんなに鈍感でしょうか?」


うーん……分からない。
私って鈍感かなぁ?
いや、そんなはずはないと思うんだけどなぁ……。

そろそろ時間になってしまうため仕方なく席につく。


「……私ってそんなに鈍感なのでしょうか……?」

「海野さん?
鈍感って……どうかしたんですか?」


私の前の席に座っていた男子が振り返って不思議そうに見ていた。


「いえ……先日から天也や奏橙に鈍感と言われてしまっているので……。
私はそんなに鈍感なのでしょうか……?」


その男子は苦笑していた。
意味が分からない。


「海野さんはそのままでいいと思いますよ?
……まぁ、少し鈍感すぎるところもあると思いますが」


えぇぇぇ……。
名前もしらない男子からも鈍感って言われた……。
って、よく考えたらよくこの男子は私の名前を知ってるよね。
あ……最初に自己紹介したからか。

それからの授業も私は上の空で天也や奏橙から言われた事を気にしていた。
そのせいかいつもよりも少し当てられる回数が多かった。


「……海野、この問題解いてみろ」

「え、はい……」


これで何度目になるだろうか、とうんざりしつつも前に出て問題を解き始めた。
数学はあまり得意じゃないんだけどなぁ……。


「終わりました」


私はチョークを置くと席に戻る。


「なっ、なっ……」


先生の様子がおかしいがどうかしたのだろうか?
席につき、首を傾げていると、後ろの席の天也が教えてくれた。


「咲夜、あの問題だが……。
最初に先生が大学レベルって言ってたぞ?」


……マジすか。
いや、確かに多少難しいなぁって感じたには感じたけどさ!!
まさか大学レベルとは思って無かったんだよ!!
うわぁ……どうやって誤魔化そう……。
兄に教えてもらっているって言ったら納得してもらえるだろうか?

………というか、高一に大学レベルの問題を解かせるなよ。


「……海野、何故解けた?」

「お、お兄様に教えていただきましたし、前回の内容までの数式の応用で解ける内容でしたので……」


使っている数式は前回までの内容でやったものだ。
つまりこの問題は複数の数式を合わせただけのもの。
なら、出来てもおかしくはないはず!!


「……それが出来るのがおかしいんだがな」


後ろから天也が呆れたような声が聞こえた。

……ご最もで。
まぁ、私は前世の記憶があるからなぁ……。
その分、他の人達よりも楽に解けるのだ。


「……まぁ、いい。
あぁ、先に言っておくが……海野がおかしいだけだ。
他のものはちゃんと復習するように」


酷くないか!?
私は何もおかしくないのに!!
……いや、ちょっとはおかしいかもしれないけど!
おかしいのは高一の私に大学レベルの問題を解かせようとする先生なのに!!

それと、何人か頷くのやめて欲しい!!


そして、休み時間。


「咲夜、お前大丈夫か?
いつもならあの問題、間違えていただろう」


……何で天也に気付かれているのだろうか?
そんなに分かりやすいだろうか、私?
自分ではそんな意識していなかったのだが。


「なんで気付いてるかっていうと、お前があんなとこでミスるわけないって思ってるからだな」

「エスパーか何かですか?
とりあえず、私の思考を覗くのやめてください。
さすがに引きますよ?」


私の考えていることを読み取るとか辞めてほしい。
このエスパーめ。


「違うからな!?
お前が特別わかりやすいだけだって……というか、思考覗いてないからな!?
引くなよ!?」


天也の言葉に私はピタリと固まった。
後半部分はまぁ、スルーするとして……。


「私、そんな顔に出てますか?」

「出てるな」


……嘘だ!
私は完璧に隠してきたと思ってたのに!!
顔に出てるとか!
ハッ……もしや兄の不可解な反応は私の表情のせいだったのか!?
なら納得が……。


「1人で百面相するな」

「してません!!」


相変わらず失礼な奴め。
こんな奴には愛音は渡さん!!

……そういえばずっと忘れてきたけど愛音は誰のルートなんだろう?
天也とかは性格的にも大変そうだなぁ。
兄、はないな。
白鳥先輩とかはありそうかも。
まぁ、私は誰であろうと愛音を応援するけど。

それにしても、恋愛かぁ……。
私とは縁のない言葉だなぁ。
何より私の恋を邪魔してきそうな兄がいるし、友人も少ないし何より私自身あんまりなぁ……。
不器用で何も出来ないし、可愛くないし、面倒な兄がいるし。

はぁ……考えれば考える程自分の魅力が無いや。
あるとすればちょっと勉強ができるくらい?


「咲夜、どうかしたのか?」

「いえ……天也はどなたか好きな方はいますか?」


いたら相手がいないのは私だけかぁ……。
今更だけど、紫月と奏橙は婚約したんだよなぁ……。
愛音は来年には相手が出来るだろうし……。
私だけボッチとかは悲しいんだよなぁ。


「なっ、なっ……いきなりどうした!?」


うん?
天也の狼狽えよう……まさか、いるのかな?
付き合ってるなんて噂は聞いたことがないから片思いってとこかな?
うわぁ……天也に似合わないなぁ……。

まぁ、それでも一応は友人の初恋?
だろうし、応援はするけどさ。


「いるようですわね。
応援しますわよ?」

「……あぁ、分かった。
もういい」


何で落ち込むのだろうか?
そんなに私にバレたくなかったのかな?


「ハハハッ……さすが咲夜。
上げて落とすのが上手いね。
しかも、素でやってるとか。
悪気がないから余計に……。
でも、さすがにちょっと天也が可愛そうになってくるからやめてあげて」


奏橙が腹を抱えて笑っていた。
無性に蹴り飛ばしたくなってくるのは何故だろうか?
まぁ、淑女の私はやらないけど。
頑張って誘惑に負けずに耐えるけど!!


「上げて落とすなんて……私、何かやりましたか?」

「あぁ……うん。
やっぱりいいや。
咲夜は気にしなくていいよ。
ヘタレな天也も悪い、のかもしれないしね」


……本当になんだろう?
まぁ、いいか。
私には関係ない事だろうし。
というか、天也はヘタレだったのか。


「それで、天也が好きな人はどんな方なのですか?」

「……優しくて面白くて、可愛いし面倒見もよくて頭がよくて料理も出来る。
しかも綺麗だし、誰に対しても平等に接してるように思う。
守ってやりたいと思うような奴だ。
時々、ぼうっとしていたり面倒事に首を突っ込んだりもしているが、芯がまっすぐしていて妥協を許さない努力家でもある。
強がっているところがあって心配な所もあるが……。
それと、鈍感なところもあるな。
そこもまた可愛いと思うが。
あぁ……あと、目が綺麗だな。
吸い込まれるような綺麗な色なんだ。
芯の通った、強い意思が感じられる」


ふむ……。
話を聞く限り凄くいい人っぽいな。
さすがあの天也の初恋相手。
だけど、鈍感ってこの頃よく聞くなぁ。

それと、天也が本当にその人のことが好きだって事は分かった。
だって、嬉しそうだもん。
その人のことを話す時。

自然と笑みが零れている天也を見て、そんなことを思った私だった。


「天也の事ですし、誰かは教えてくださらないのでしょうから私は陰ながら応援することにしますわ」

「天野って勇気あるよなぁ……」

「あそこまで言われて気付かない海野さんって……」

「……あれ、海野先輩のせいじゃないか?」


なんかクラスメイトから散々なことを言われている気がするが……いいとするか。


「天也、もう諦めたら?」

「奏橙、真剣に考えている天也に対してそれは酷いと思うのですが……」

「「「「「海野さん(咲夜)がそれをいう?(おっしゃいますか?)」」」」」


クラス全員の声が揃った。
どうやら全員聞いていたらしい。
まぁ、私達4人はたしかに、このクラスの中では目立つ位置にいるので仕方の無いことかもしれないが。

だが、これだけは言わせてほしい。

クラスメイト全員に言われるのって、地味に辛い!!

私1人だけ除け者にされたような気がして精神的にくるのだ。


「……理不尽ですわ」

「当然だと思いますよ?」

「理不尽って……辞書、貸してあげようか?」


私がボソッと呟いた言葉に対して奏橙と愛音の2人は呆れたような表情で言葉を返してきた。

2人とも酷くない!?
特に奏橙!!
理不尽の意味くらい知ってるし!!
というか、辞書持ち歩いてるの!?
ある意味尊敬するよ。
よくそんな重いものを持ち歩けるよね。
私には到底出来ない。
しかも電子辞書じゃなくて紙の辞書とか。


「……咲夜、何か変なこと考えてない?」

「……そのような事はありませんわ。
きっと、勘違いだと思いますわよ?
それより、少しくらい教えてくれてもいいと思うのですが……」


エスパーはここにも居たようだ。
しかも、天也よりもタチの悪いエスパーが。
腹黒さんがエスパーとか本気でやめて欲しい。

それにしても、ヒントの1つくらいくれてもいいと思うんだ。


「まぁ、頑張ってよ」


投げやりに言われた言葉だった。
……放り投げられた感が半端ないんだが。


「天也も頑張ってよ」

「あぁ……。
頑張ってはみるさ。
……どうやっても無理な気がしてくるがな」


会話を聞いていると、やはり奏橙や私以外のクラスメイトは天也の好きな人が誰なのか知っているのだろう。
多分、愛音は誰かと勘違いしているんだろうけど。

だって、私の知る限りだとさっきの天也の言葉に合う人って愛音しかいないし。


「大丈夫です!
私も応援してますから!」


私がそう言うと天也は落ち込んだように机に伏せてしまった。

……私は何か不味い事をいっただろうか?
あぁ、恥ずかしいのか。
それとも、愛音に自分の想いを知られるのが嫌だったとか?
ならば悪いことをしてしまった……。


「……咲夜、しばらく天也の恋愛関係については何も言わないであげて」

「……うぅ、納得いきませんが、分かりましたわ……。
たしかに、人の恋愛事情に興味本位で首を突っ込んでしまうのはいけませんし……」


私が言うとこうなるんだもんなぁ。
相手はなんとなく、というか愛音だろうってのは分かってるけどさ。
本当、納得いかない。
妙にハブられた感があるんだよね。


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