脇役だったはずですが何故か溺愛?されてます!

紗砂

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プレゼント

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あの計画を立ててから2日たち、私は清水と共にドイツの街を歩いていた。
真城への誕生日プレゼントを買うため…という名目ではあるが、もうすぐ紫月と奏橙の婚約パーティーがあるので一度向こうに帰るのだ。
その時、何か手土産を持っていかなければいけないし、どうせならこっちのペアグッズなどを天也と……。


「咲夜様、顔が赤くなっていますよ。
もしや、天也様の事を?」

「~っ!!
違いますわ!」


清水に当てられ、恥ずかしくなり思わず叫んでしまった。
そのせいで周りの注目が集まってしまい余計恥ずかしい思いをするハメになった。



「咲夜様、真城には何をお渡しするおつもりですか?」

「ショコラにしようかと思っているのだけど……」


実は真城、あぁ見えてかなりチョコ好きだ。
そのため、ドイツにある珍しい店のショコラをあげようと思うのだ。

こういう時は消えもの一択だろうし。
まぁ、私と違って清水はちゃんとした物を買った方がいいと思うけど。


「それならアレも喜ぶと思います」

「それならいいけれど……」

「咲夜様からでしたら何だって喜びます」


それはそれでなんか嫌だけど。
何でもいいって言われてるみたいだし。

だがまぁ、気持ちは分からなくもない。
私だって天也に貰うものなら何だって嬉しいし。
……いや、別に天也に限った事じゃないけどね!?
あれだよ、物よりも気持ちが嬉しいとかってやつ!!


「……ここですわね」


細く息を吐いてから、私は店内へと足を踏み入れた。

店内に入るとショコラの甘い香りがふわりと香る。

その香りに私は目を細めると奥へと進みケースに入ったショコラを見る。

塩やピスタチオなど少し珍しさのあるものから白ワインなどを入れた大人のショコラなどというものもある。
そしてやはり、ドイツと言えばシュトーレンだろう。
オシャレなそのシュトーレンはこの店内でもよく目立ち、それがこの店のオススメである事が伺える。

だが、私は敢えてそれをスルーし、ショコラを選び始めた。
ここの店では個別売りをしているらしく自分で選ぶ事が出来るのだ。

そこで、数ある中からコレというものをいくつか選び、それを2つずつ頼み隣のカフェスペースで試食をすることにした。


「清水、他に何か気になるものはあるかしら?」

「いえ、特には……。
咲夜様はシュトーレンを選ぶつもりはないようですので今お選びになられたので十分かと」


清水ならば真城の好みをよく理解しているだろうと思い尋ねてみれば問題ないとの声。
清水が言うのならば確実だろうと私は席を探し、適当な所へと座った。


「そう……?
なら、試食をしましょう」

「はい」


清水は少しだけ、口元に笑みを浮かべると私の正面に腰掛けた。

それを見てから私は普通のショコラに手を伸ばした。
ビターのショコラを口に運ぶとほのかな甘みとほろ苦さがある。
ショコラは既に溶けてしまっていたが、それでも口の中に残っているショコラの余韻。

まぁ、このショコラは確定だろう。


「っ……美味しいですね。
さすがはドイツの有名店……」


清水もお気に召したらしい。
可愛らしい清水の様子に私はクスリと笑うと、次のショコラ……ナッツ入りのものへと手を伸ばした。

ナッツの香ばしい香りが口いっぱいに広がり、それをショコラ本来の甘さが引き立てる。
サクッとしたその食感が面白い。
このショコラもナッツに合わせたからなのだろうがショコラの甘さが控えめになっていた。

クランチかナッツかどちらかにしようと決める私だった。

それから、クランチ、紅茶、ベリー、ピスタチオ、塩、キャラメル……と食べ進め、バランスを確認してから入れるものが決まった。


私が選んだのは、ビター、ミルク、ナッツ、ピスタチオ、塩、白ワイン、赤ワイン、チーズだ。


チーズは物珍しさもあり良いだろうとの判断だ。
ちなみに、ビターとミルク、ナッツ、赤ワインは2個ずつの12個入りにした。

それとは別に生チョコを2箱買って真城への誕生日プレゼントは終了した。


次は奏橙と紫月の婚約祝いのプレゼントだ。
これは簡単に決まった。

フレーバーティーと名入りのボールペンだ。
紫月と奏橙をイメージした色にそれぞれの名前を刻んで貰うように頼んだ。
来週には出来上がるとの事でまた取りに行く事になっている。


「咲夜様、お次は……」

「その前に……よりたい所があるのだけど……いいかしら?」

「はい、問題ありません」


清水がOKを出したので私は目的の店へと入っていく。

低価格で品質の良いものを置いている店なのだ。
ここなら清水でも問題ない価格のものが置いてある。


「清水、ここでは別行動にしましょう。
私も色々と見て回りたいし……」

「……承知いたしました」


渋々ではあるが認めてくれた清水に笑顔を向けると、私はお菓子作りのコーナーへと移動した。


「あったあった。
コレ欲しかったんだよねぇ……」


思わず素が出てしまったが気にしない。
私が手にとった目的の物、それはクッキーの型だった。
ただ、珍しい楽器型だ。
クラリネットとトランペット、サックスの3つをカゴに入れると他の物を見て回る。

そして、そんな中目に付いたのはブックカバーとしおりだった。
私も本は嫌いではないし、天也も意外と読書家だ。

そして、目の前には色違いになっているブックカバーとしおり。
……手に取らないはずがなかった。

オシャレなそのデザインも色でガラリとイメージが変わる。

天也のイメージでもある黒であれば大人っぽいデザインに見え、私の瞳と同じような蒼は大人っぽいというよりも綺麗だ。
緑は優しげに見え、黄色は豪華っぽい感じがする。

私はフッと微笑むと黒と蒼を選びカゴの中にいれた。
しおりも同じくだ。


それ以外に特に欲しいと思う物は無く、レジで支払いを済ませると共にブックカバーとしおりのラッピングを頼む。

つい勢いで買ってしまったが……まぁ、いいだろう。
だが、次の店へ行く理由が無くなってしまった。

私はラッピングの済んだものを受け取るとぼんやりと考えた。

……2人の婚約パーティーだが……いつかのように黒のアクセサリーを身につけておきたい。

……だが、流石に我儘が過ぎるだろうか?


「咲夜様、遅くなってしまい申し訳ありません……」


清水の声でハッと現実へ引き戻される。


「問題ありませんわ」


清水の手にある真城へのプレゼントだろうものを見て微笑む。
そして、アクセサリーはやはり以前と同じものでいいだろうと思い、辞めることにした。
何せ、天也に貰ったものだしね。


「清水、今日はありがとうございます」


帰りの車の中で、私は最初に行った店の生チョコを清水に渡した。


「いえ……!!
咲夜様のお傍に居られるだけで私は…!!」

「清水、受け取ってください。
清水のために折角買ったんですから」


と口にすると、恐る恐るではあるが清水は受け取ってくれた。
その様子に苦笑を隠しきれないでいると、清水は嬉しそうに微笑んだ。


「咲夜様のお傍に居られて、私は幸せです。
ありがとうございます、咲夜様」


などと言われれば私はぷいと顔を背けた。
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