脇役だったはずですが何故か溺愛?されてます!

紗砂

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「海野さん、天也、悪いけど買い出し行ってきてくれない?
レースのシートを3つお願いしたいんだ。
それと、出来ればだけど芳香剤とか花とかそういったものも」

「分かりましたわ」

「分かった」


私と天也の2人を買い出しに行かせたクラスの皆に色々なものを感じながらも了承の返事をすると、資金を私達に渡して彼、神乃君は自分の仕事に戻っていった。


「咲夜、どうかしたのか?」

「いえ、何でもありませんわ。
行きましょう」


私は天也に笑みを浮かべると、その手を取って歩き出す。
すると、単純な……と言える天也は顔を赤くし、私から顔を背ける。


「可愛いすぎだろう……。
クソっ……」


なんて、ボソッと聞こえてきた言葉に私まで恥ずかしくなる。
そんな事を言っておきながらも、繋いだ手を離そうとすると、先程よりも強い力で握ってくる。


「店はいつものデパートでいいか?」

「えぇ、勿論ですわ」


清水を呼んだ私は、天也と共に乗り込むといつものデパートに向かってもらう。


 「咲夜様、お気をつけて」

「えぇ、ありがとう清水。
忙しいのに申し訳ありませんわ」


私は無理を言って清水を呼び出してしまったことに罪悪感を覚えながらもお礼とお詫びの言葉を口にした。


「私は咲夜様のメイドです。
咲夜様に頼っていただけることこそ私の喜びです。
ですから咲夜様、私には勿論、真城にもそのような言葉は不要です」


相変わらず清水は忠誠心というか、そんなものが強い。
私が嬉しいを通り越して呆れる程には。
だが、それでもやはり『主』と認められるのは素直に嬉しいと思う。
偶にやりすぎるところがあるのが問題ですが……。


「それでも、ですわ。
清水、帰りもお願い致します」

「っ……はい!
畏まりました」


嬉しそうに微笑む清水に私もつられて微笑んだ。
そして、天也に名前を呼ばれると、清水に背を向けて歩き出す。


「咲夜、レースからでいいか?」

「いいと思いますわ」


買う物のリストを片手に私と天也はレースショップへ向かう。
数ある中から1番シンプルなものを選ぶと、それを言われた通りに3つ買い、次の店に向かう。


「芳香剤か花……か。
どっちにする?」

「6テーブルのうち2つをスティック式のものにして4つは花……という風に分けますか?」

「そうだな。
コロンから見ていくか」

「えぇ」


芳香剤を売っている店につくと、まず形から決め始める。

学校の文化祭という事もあり、そんな高額なものはやめておき、小さめの可愛らしいものを選んだ。


「……思ったよりも種類があるな」

「そうかもしれませんわね」


ローズ、ラベンダー、グレープフルーツ、石鹸、ムスク、ジャスミンなどというものがあった。
無難なもので選ぶとすればローズ、ラベンダー、石鹸だろうか。


「無難なものから選ぶか……」

「ですが、ラベンダーは少し強すぎますわね……」

「ローズか石鹸か……」


少し考えたところでやはり一択だろう、と決めた。
それは天也も同じだったようだ。


「「石鹸ですわね(だな)」」


2人で合った答えにクスリと笑うと2つだけ買い、花屋に向かった。
まぁ、花に関してはすぐに決まったが。

先に買ったスティック式の芳香剤に合わせると簡単に決められたのだ。
全て買い終わると、天也は神乃君に電話をかけた。


「終わったが……は?
っ……いいのか?
あぁ、分かった、用意しよう。
神乃、礼を言う。
あぁ、またな」


天也が私を見て微笑んでいるが……何なのだろうか?
まぁ、天也につられて私まで何もわからないまま微笑んでいるのだが。


「今日は戻らなくて良いらしい」


……それであの表情に繋がるのか……。


「天也、まさかとは思いますが……」

「今回は俺じゃない」

「……分かりましたわ」


まぁ、多分神乃君だろう。
もしくは、またクラス全員が協力をしているのか。
どちらにせよ余計なお世話……と言いたいところだがそう悪い事だけでもないので私は穏やかな笑みを浮かべた。


その後、私達は1時間程カフェでゆっくりするとそれぞれ車を呼んで自宅に戻った。


今更ではあるが、天也の事をどんどんと好きになっていく自分にこれからのゲームストーリーを考えると少し気が重く感じた。
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