転生したら守護者?になり称号に『お詫び』があるのだが

紗砂

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裏切り

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リューク達が居なくなった後、俺はまた仕事に取り掛かる。
この短期間で溜まった仕事は結構多い。
至急やらなければいけないものは終わらせてはいたものの、それでもやはり、魔界のナンバー2なだけあり、仕事は多い方なのだ。


「冬夜、仕事は……って、おい!?
どうしたんだ!?」


冬夜は全身が汗だくで焦点も合っていないようだった。
ぐったりと力無く倒れる冬夜の様子に俺は声をかけ続ける。


「冬夜、冬夜っ……!
くそっ……!!」

「……ん、り、りょ……う?」

「冬夜!!
良かった……お前、どうしたんだよ?」

「あぁ、悪い。
涼、仕事を……」

「……お前、冬夜じゃねぇだろ?
誰だよ、テメェ」


明らかに冬夜とは違う雰囲気を出すソレに俺は冷たく言い放つ。


「くくっ……もうバレるか。
それに加え、これの血を含んでおきながら我の干渉を拒むとは……」

「干渉……?
テメェ、何言ってやがる……」


その得体のしれぬものに対する不信感が益々高まる。


「…まさか、無意識か?
だとすれば……ふっ……我の加護を受け入れるだけあるか」

「加護……?」


俺の加護は転生神のジジイと守護神、そして魔神だ。
転生神と守護神には会った事がある。
つまり、だ。
残るは魔神、これの正体も自然と……。


「…冬夜は?」

「とっくに消えたさ。
とはいえ、この我が何百年もかかるとは思わなかったが……」


それで、か。
冬夜はずっとこの魔神に襲われていたのだろう。
そのせいであぁも存在が小さく感じた。
ならば、冬夜の親友として、許すわけにはいかない。


「兄さん、時間はあるか?」


そう入ってきたのはフェイルだった。
その声に、魔神はニヤリと笑みを浮かべ、フェイルを殺そうと動き出す。


「くそっ!!
フェイル!
逃げろ!!」

「ん?
カイ、どうし……」

「がっ……あぁ、クソっ。
冬夜、悪ぃ……絶対助ける」


フェイルを守りながらでは分が悪い。
それに、俺はさっきので怪我を負った。
これでは負けるのが確定している。
そう判断した俺は、冬夜の事を気にかけながらも逃げるという選択をとった。


「おい、カイ!」

「フェイル、後で説明をする。
だから、悪い……レラルクっつう村に、頼む……」


思っていたよりも出血がやばい。
傷の治りが遅いことからみて何か細工を施していたのだろう。
俺は遠くなる意識の中、フェイルにそう頼んだ。






















俺が目を覚ました時、そこは村のはずれにある懲罰牢だった。
とは言っても木で作られた簡易的なものだが。


「ぐっ……フェイル、悪い……」

「カイ、目が覚めたのか……。
大丈夫か?」

「おう、問題ねぇ……」


俺が落ち着いたのを見計らい、フェイルが俺に質問を投げかけた。


「アレはなんだ?
兄さんではないだろう」

「……あぁ。
魔神だ。
冬夜の体を乗っ取ったらしい。
冬夜の意識は多分、まだ残っているが……封印と変わらないだろうな」


逆に、その方が有難い。
しばらくはまだ猶予があるということだからな。


「……そう、か。
兄さんがあんな疲れていたのは……」

「十中八九、魔神のせいだろうな」

「……で?」

「まぁ、今のままじゃ助けられねぇし、放置だな。
冬夜なら大丈夫だ。
っつう事で……壊すっ!」

「はっ!?」


フェイルが戸惑っている間に俺は思いっきり懲罰牢を殴りつけ、壊すと外に出た。


「さーて、んじゃお袋と親父に会いに行くか!
フェイル、何してんだ?
行くぞ」

「お、お前……!
いいのか!?」

「んぁ?
問題ねぇよ」


俺はいつも通りに壊して出てきただけだ。
……とはいえ、ここを壊すのは俺とリュークかのどちらか、もしくは両方しかいないが。
それを知っていてここにいれたんだろうしな。


「お、おい!?
壊れたぞ!」

「村長を呼んでこい!!」

「戦士達を……」


などと、慌てている者が居る中、コツンと音が響く。
じいちゃん……村長の杖の音だ。


「その必要はない。
……本物のようじゃな、カイ」

「よっ!
じいちゃん、意外と元気そうじゃんか!」


周りの事など気にせず、明るく声をかけた訳だが……。


「この馬鹿者が!!
どれだけ心配したと思っておる!!
その上婚約者じゃと!?
しかも貴族の可愛いらしいお嬢さんではないか!!」

「お、おう……じいちゃん?」

「なんじゃ、この馬鹿者が!」

「わ、悪ぃ……?」


あまりにも理不尽な怒られ方に戸惑っていたが、そのうちようやく落ち着きを取り戻したらしいじいちゃんがポツリと零した言葉に俺は目を見開き顔を引き攣らせた。


「……カイの両親は魔界に行った後じゃが」

「……じいちゃん、何で止めなかったんだよ!?」

「おい、カイ。
今すぐに助けに行くぞ」

「あ、あぁ……お袋と親父に冬夜を殺されかねねぇ……」

「……は?」

「じいちゃん、フェイルを頼む!!
俺は探しに行ってくる!」


背中から漆黒の翼を出すとそのまま大空へと飛び立った。
そして、全速力で魔界の入口付近まで向かい、そこからお袋と親父の2人を探す。
あの二人のことだ。
色々とやらかしているはずなので目立つだろう。


「カイを出せと言っているのが……分からないのか!!」

「いくわよ……」

『神大魔法、紅……』

「ちょっと待てぇぇぇぇぇ!?」


神大魔法、そう呟いたのはお袋だった。
危ねぇ……ってか、何神大魔法放とうとしてんだよ!?
いや、よれより、神大魔法なんて使えたのかよ!?


「あらあら、カイ、どうしたの?」

「そんな慌ててどうしたんだ?」

「……どうした、じゃねぇぇぇぇぇ!!
何やってんだよ!?
こんなところまで来てんじゃねぇよ!?」


久しぶりにあった息子にかける言葉か!?
しかも、俺を出せ、とか言ってたくせに「どうした」はないだろう!


「ふふ、もう……冗談よ~?」

「か、カイ様……お、お逃げ、下さい……」

「うるさいわねぇ……」

「感動の再会に水をさすな」


……無念、名も知らない魔族よ。
お袋と親父はかなり危険だったな……。
なんか申し訳なく思えてくるが……俺には止められねぇんだよな。

と、俺は青い空を仰いだ。
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