転生したら守護者?になり称号に『お詫び』があるのだが

紗砂

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裏切り

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ついに、リューク達との別れの日になった。
リューク達を見送るのは勿論、俺一人だけだ。
というより、俺の魔法で送還するんだが。


「カイ、またすぐに会おうぜ」

「おう。
リューク、お袋達にこれ、渡しといしてくれねぇか?」


そう言って取り出したのは小さな水晶だった。


「……言伝の水晶か。
分かった。
キーは?」

「お袋か親父の声だ」

「ん、了解。
必ず渡す。
ってわけで、転送先は村にしてくれ」

「……いいのか?」


別にもう少し遅くても良かったんだが……と言いかけて俺は口を噤んだ。
それがリュークなりの優しさだったと思い出したからだ。
ならば、ここは好意に甘えておこう。


「……カイ、また、暫く会えなくなるのね」

「カリン……大丈夫だ。
公式な場では会えないだけで別に非公式な場なら会える。
カリン、後ろを向いてくれ」

「え、えぇ……これでいいのかしら…?」

「あぁ」


俺は懐から魔石を使ったネックレスを取り出すと、そのままカリンに付けた。
カリンをイメージして作らせた特注品だ。


「カイ、これ……っ!!」

「あぁ、これで婚約を申し込まれる事はないだろう」


この世界で特に相手のイニシャルが入ったアクセサリーは婚約の証となる。
そして、今回カリンに渡したものにはちゃんと俺とカリンのイニシャルが入っている。
……まぁ、2人ともKなんだが。


「ありがとう、カイ」


嬉しそうにネックレスに触れ、笑顔を見せるカリンに顔が赤くなるのを感じた。


「っ……おう。
それ、魔石使ってるから魔力を流しながら話しかければ俺に通じるようになってる。
何かあった時はその魔石を砕けば俺が駆けつける。
だから、肌身離さず持ってろよ」

「えぇ、ありがとうカイ……。
婚約を公表出来る日を楽しみにしているわ」

「出来るだけ急がねぇといけねぇな……」


などと、2人で話している傍ら、リナを初めとした他の者達は……。


「……また、無駄に高性能な物を……」

「……付き合い始めた途端にこれか……」


などと呆れの色を見せていた。


「んじゃ、送るぞ」

「あぁ、またな」

「またっすよ!」

「気を付けろよ」

「頑張ってください」

「……元気でね」


俺は5人を俺とリュークの故郷へと送った。
そして、魔法が発動すると、ほんの少しだけ寂しさを感じながらもいつもの仕事に戻った。


◇◇◇


「……ここが、カイとリュークの故郷っすか?」

「あぁ。
何もないが、いいところだぞ」


俺は、久しぶりに帰ってきた故郷を眺め、そう口にした。
……昔は、何も無くてつまらないところ、などと思っていたが。


「あら、リューク?
帰ってきたの?
カイ君はどうしたの?
その人達は?」

「……カイはちょっと、な。
こいつらは同じクラスの奴。
で、カイから伝言預かってんだけど……」

「あぁ、今は家にいるはずよ」

「んじゃ、行ってくる!」


相変わらずの母さんに苦笑をもらさずにはいられなかったが、何処か安心した自分もいた。


「おばさん、おじさん、いる?」


カイの家へ行くと、おばさんが出てきて中へ入れてくれた。
お茶を出してくれようとするが、それを止め、俺はカイから預かった水晶を前に出した。


「カイから、キーは2人の声、だってさ」

「……そう、あの子から」

「そうか……」

2人がそれぞれ反応を示した瞬間、水晶は発動した。

カイの姿が映しだされ、そのまま録音した声が聞こえる。


『あー、これで大丈夫か?
んー、まぁいいや。
お袋、親父、悪ぃけど、まだ暫く帰れそうにねぇや。
俺、今魔界にいるんだけど、ここでやることが出来たんだ。
こっちにさ、見捨てられねぇ奴がいるんだ。
そいつ、昔のリュークそっくりでさ……。
なのに、魔族の命を全部1人で背負ってるんだ。
俺はそいつを助けてやりてぇし、争いたくねぇ。
だから、まだ帰れそうにねぇ。

……自分でも、身勝手だって理解してるさ。
でも、これだけは曲げられねぇんだ。
俺は、あいつを受け入れちまったから。
だから、次会う時は両種族で同盟が結ばれた時になる。

それと、俺、婚約したから。
じゃあな、お袋、親父。
元気でな』


プツリ、と切れてからしばらくして……。


「…………はぁぁぁぁぁぁ!?」

「……あの馬鹿息子!!」


2人がようやく反応した。


「魔族にでもなったんじゃないでしょうね、あの子」

「絶対にやったな」

「「……はぁぁぁぁぁぁ」」


流石両親と言うべきか、カイの行動をよく理解している。
ピンポイントで当てた。


「……ねぇ、リューク君、カイの言っていた婚約者ってどんな子か分かる?」

「あぁ、それなら……」


俺が視線を向けると、カリンは少し恥ずかしそうに立ち上がり、挨拶をした。


「カリン・エンデールと申します。
カイの婚約者、です……」

「まぁ、まぁ……!!
あなたがあの馬鹿の婚約者!?
あの馬鹿も偶にはやるわね」


かなり興奮気味のようではあるがまぁ、大丈夫だろう。
カリンを気に入ったようだしな。


「あら……でも、貴族かしら?」

「実家は公爵家ですが…父の許可はとりつけました」

「まぁ、まぁ!!
本当に、あんなのでいいの?」

「カリンさんにはもっといい男がいると思うが……」

「カイが良いです!
カイ以上の人はいませんもの」


どんだけカイの事が好きなんだよ……。
ってか、流石カイの両親。
貴族ってとこあんま気にしてねぇな。


「でも、カイと結婚すれば今までの生活が変わっちゃうのよ?
あの子は平民だし……」

「あぁ、それなら……カイは今魔界のナンバー2だから問題ないと思う」

「まぁ、カイだからな」

「そうねぇ……」


魔界のナンバー2と言ってもこの冷たい言葉。
基本放任主義と言っても限度というものがあるだろうに。
というか、俺達と同じ理由で納得してるな。


「あぁ、そう言えば……カイは魔族になったんだな?」

「……はい」


緊張が極限まで高まる中、カイの両親はおもむろに力を抜いた。


「やっぱりね……。
そうだと思っていたわ~」

「アレが魔族にならないはずがないからな。
リューク君、悪いがしばらくここを留守にしたいんだが……いいだろうか?」

「何処に?」

「カイに会いに行く」


当然のようにサラッと口にした2人に俺達は口を開けた。
そんな俺達を見て、2人は面白そうに話している。


「ふふっ、これでも腕に自信はあるのよ?」

「今はこんな事をしているが……昔は高ランクの冒険者だったからな」


と、父親の方は大剣を、母親の方はロッドを持って家を出ていった。
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