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裏切り
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しおりを挟む「お……カリンか?
遅かっ……カイ!!
お前何で……!!」
リュークの家へ行くとすぐに飛び出してきた。
ったく……少しは落ち着きを持てっての。
「リューク、全員揃っているか?」
「あぁ、いるぞ。
とりあえず、俺の部屋に来いよ」
「おう」
ということで、リュークの部屋に移動すると全員に驚かれた。
特にティードはうるさかった。
思わず俺も顔を顰めた程だ。
「さて……んじゃまぁ、説明始めっか。
まず、魔王は分かるな?」
「あれだよな?
カイを魔族にしたやつ」
リュークのその覚え方には何やら毒がある気がするが……まぁリュークだしな。
きっと気の所為だろ。
「あぁ。
そいつが魔神に体を乗っ取られた。
んで、そっから俺はフェイルと逃げてきた。
以上」
「つまり、アレだな。
ぶっ飛ばすのが魔神に変わった?」
「おう」
リュークには通じたようだ。
まぁ、リューク用に特別わかりやすい説明にしたからな。
これで分からなかったら逆に心配する。
「いやいやいや、何で分かるっすか!?」
「馬鹿同士だからだろうな」
「え、えっと……」
「あら、私は分かったわよ?」
どうやらカリンにも通じたらしい。
ティード、レクト、リナには通じなかったのか。
いや、通じなかったというより理解出来ないといった感じか。
「あー、詳しく説明するとだな……。
俺とディナート……魔王には魔神の加護ってのがあったんだ。
で、その加護を通じて魔王を操ろうとしていたらしい。
かなり前からだったみてぇで、遂に限界を迎えた魔王の体をあの魔神のヤローが乗っ取った。
んで、魔王の血が混じってる俺も魔神に操られる可能性があるって言っていた。
まぁ、今は何ともないけどな。
これからどうなるかは分かんねぇ。
まぁ、んなわけで……魔神を殺すのを協力して欲しいんだ。
でもって、俺がアイツに操られたらその時は……俺を殺してくれ。
ま、簡単に操られる気はねぇけどな」
その2つができるのは、俺の知る限りだとリュークかリヴィアだ。
だが、今は多分、リヴィアよりもリュークの方が強い。
そして何より……俺はカリンやリュークと一緒に居てぇからな。
そんな理由でリューク達のもとを選んだ俺だが特に問題はないように感じる。
「あぁ、ついでに言うと、こいつ……フェイルは魔王の弟で俺の友人な。
ツンデレだがかなり面倒見がいいやつだぞ」
「誰がツンデレだ!
大体、お前がもっとしっかりしていれば俺も……」
長々と続きそうだったので適当に聞き流すことにする。
……フェイルはかなり説教が長いからな。
俺は付き合いきれん。
「カイ、その魔神とやらはどの程度の実力なんだ?」
「んー、そうだな……魔王より少し強いくらいだとは思うが多分、いざとなれば魔王が邪神の邪魔くらいはするだろうからな。
魔王と同等、程度に考えていればいいと思うぞ」
「魔王と、か……。
それより強いと考えたほうが良さそうだな……」
「あぁ。
ちなみに、あいつの本気の攻撃は俺がギリ受けられるかどうか、くらいだな。
タイミングを間違えば確実に死ぬだろうな」
と、軽く口にした俺の言葉に、リューク達は固まった。
フェイルの方はどこ吹く風だ。
「兄さんは、実力で魔王の地位にまで上り詰めたからな。
そう簡単に負けるはずがないだろう」
あいつは前世から努力家だったからな。
しかも、そのくせ天才といわれる部類の人間だ。
それは多分、この世界でも変わらなかったのだろう。
それが今は仇となっているのだが……。
「カイ、期限は?」
「精々3年、ってとこだな。
あいつの事だから多分もう諦めているだろうしな。
最悪5年はいけるが……そこまで時間が経つと多分、魔神の方が動き出す」
「……なら、3年、だな。
その間に力の底上げと、人脈作りをするか。
カイはどうするんだ?」
これからのことは色々と考えていたのだが、俺がリューク達と行動を共にするのは無理だろう。
顔バレしているし、フェイルもいるからな。
「どっかの山にでも篭って修行するさ」
「……悪いが、兄さんの元に戻ることにする」
「なっ……フェイル!?
お前、何で……」
「1人くらいは連絡要員が必要だろう。
それに、あの状態の兄さんを放っておくわけにはいかないからな。
そして、向こうに戻り次第、カイがスパイだったと広めよう」
「……そういうこと、か。
リヴィアに手伝ってもらえばいけるな。
俺を守るために一旦裏切ったフリをして、その後向こうでスパイとして活動していた……で通せばいいだろう。
魔族化については、スパイ活動のためにやむおえなかった」
うわー、リュークがこの短期間でこんな、こんな黒に染まるなんてなぁ……。
色々複雑なんだが。
というか、こんなこと考えられるようになったんだな……。
良かったのか悪かったのかよく分かんねぇけど。
まぁ、とりあえず俺はまた、リューク達と共に居ることになった。
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