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本編
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「ここだ」
話しているうちに目的の店へと到着したようです。
早速店の中に入ると、様々な宝石を使ったアクセサリーがショーケースの中に入っています。
そのどれもが一級品のように思えます。
「殿下、もう既にどれにするかは決めているのですか?」
「あぁ、前回来た時に、三つまでは絞ったのだが……。
そこからが、な」
そのようなことを話しているうちに、支配人の方が来て、私達は別室へと案内されました。
「殿下、フィーリン商会会頭殿、よくお越しくださいました。
ご要件は先日の……?」
「あぁ、頼めるか?」
「承知致しました。
すぐにお持ち致します」
支配人の方が私をフィーリン商会の会頭として扱ったのはこの国では、私は隣国の公爵家の令嬢、というよりもフィーリン商会会頭という立場の方が優先される、ということなのでしょう。
「お待たせ致しました」
支配人の方が持ってきたのは、三つの耳飾りでした。
サファイアのあしらわれた大人っぽい細工のものと、少々珍しいクンツァイトが使われた可愛らしいイメージのもの。
もう一つはコーラルです。
石言葉はそれぞれ、『高潔・崇高』、『寛大・優しさ』、『威厳・長寿』です。
「王妃殿下に贈るのでしたら、クンツァイトが良いかと。
家族として贈るのでしたら、コーラルでしょうか?」
殿下が私に意見を求めるような視線を送ってきたのでそう答えます。
サファイアの崇高ですが、王妃殿下は国母です。
崇高というよりも優しさの方が良いでしょう。
これが国王陛下へ、というのでしたら話は別ですが。
家族として贈る、というのでしたら『長寿を望む』という意味もありますし、その方が良いでしょう。
「クンツァイトとコーラルか……。
エリスはどちらの方が母上に似合うと思う?」
「それは、私ではなく殿下ご自身が選ぶべきだと思います。
殿下の方が王妃殿下のことをよく知っていますから。
それに、私よりも殿下が選ばれたほうが王妃殿下もお喜びになると思いますもの」
私が微笑むと、殿下は少し頬を赤くそめ、私から視線を外しアクセサリーへ目を向けます。
照れているのでしょうか?
よく分かりませんね。
「……よし、決めた。
これにしよう」
殿下が指をさしたのはクンツァイトの可愛らしい耳飾りでした。
ピンクのその石は王妃殿下のイメージなのでしょうね。
「あぁ、それともう1つ……」
殿下が支配人の方に何か頼んでいるようですが……。
何を頼んでいるのでしょうか?
ラッピングの要望、という様子でもありませんし。
支配人の方が出ていくと、殿下はソファーに座りなおしました。
「エリス、礼を言う。
いいものを選ぶことができた」
「殿下のお役に立てたのならよかったです」
ですが、この場にいたのが私ではなくルアンだったとしても、きっと私と同じことを口にしたでしょう。
ルアンも私と同じような教育を受けているはずですから。
……いえ、自分で決めろと言って突き放すかもしれませんね。
ですが、本当に困っていたのであれば助けてくれるでしょう。
「お待たせいたしました」
支配人の方が戻ってくると、その手にはローズクォーツの髪飾りがありました。
殿下はこれを頼んでいたのでしょう。
ですが、いったいどなたに送るのでしょうか?
殿下には婚約者がいらっしゃったのでしょうか。
そのような話は聞いたことがなかったのですが……。
「礼を言う。
……急に頼んだものだが、よくできているな」
殿下のおっしゃる通り、細かなところまで細工が施されています。
薔薇の形に削られたローズクォーツは、その髪飾りを付ける人物を引き立たせるでしょう。
そう思わされるほど、その髪飾りは綺麗でした。
「エリス、つけてみてくれ。
今日の礼だ」
「いただけません!
こんな高価なものは……!」
まさか私に渡すものだったとは思ってもいませんでした。
勿論、お断りいたしますが。
こんなに高価なものはいただけませんし、ローズクォーツなどをいただいてしまえば噂になってしまいます。
ローズクォーツは恋愛の石と呼ばれていますから。
その相手が殿下であるのならなおさらです。
「私はエリスに受け取ってほしいんだ」
微笑んで言われても、私には受け取る気はありません。
これが婚約者からであればまた違ったのですが……。
「殿下、こういうものは私ではなく好きな方にお渡しするべきだと思います」
「もう少し……だな」
「殿下?」
もう少し、とは何でしょうか。
よくわかりませんね。
殿下も自分の世界に入ってしまったようですし。
「申し訳ありませんが、下げていただけますか?」
「承知いたしました」
私は、支配人さんにお願いして髪飾りを下げてもらいました。
殿下が自分の世界に入ってしまっているうちに行動しておいたほうがいいでしょうし。
ルアンに言わせると、私は押しに弱いようですから。
話しているうちに目的の店へと到着したようです。
早速店の中に入ると、様々な宝石を使ったアクセサリーがショーケースの中に入っています。
そのどれもが一級品のように思えます。
「殿下、もう既にどれにするかは決めているのですか?」
「あぁ、前回来た時に、三つまでは絞ったのだが……。
そこからが、な」
そのようなことを話しているうちに、支配人の方が来て、私達は別室へと案内されました。
「殿下、フィーリン商会会頭殿、よくお越しくださいました。
ご要件は先日の……?」
「あぁ、頼めるか?」
「承知致しました。
すぐにお持ち致します」
支配人の方が私をフィーリン商会の会頭として扱ったのはこの国では、私は隣国の公爵家の令嬢、というよりもフィーリン商会会頭という立場の方が優先される、ということなのでしょう。
「お待たせ致しました」
支配人の方が持ってきたのは、三つの耳飾りでした。
サファイアのあしらわれた大人っぽい細工のものと、少々珍しいクンツァイトが使われた可愛らしいイメージのもの。
もう一つはコーラルです。
石言葉はそれぞれ、『高潔・崇高』、『寛大・優しさ』、『威厳・長寿』です。
「王妃殿下に贈るのでしたら、クンツァイトが良いかと。
家族として贈るのでしたら、コーラルでしょうか?」
殿下が私に意見を求めるような視線を送ってきたのでそう答えます。
サファイアの崇高ですが、王妃殿下は国母です。
崇高というよりも優しさの方が良いでしょう。
これが国王陛下へ、というのでしたら話は別ですが。
家族として贈る、というのでしたら『長寿を望む』という意味もありますし、その方が良いでしょう。
「クンツァイトとコーラルか……。
エリスはどちらの方が母上に似合うと思う?」
「それは、私ではなく殿下ご自身が選ぶべきだと思います。
殿下の方が王妃殿下のことをよく知っていますから。
それに、私よりも殿下が選ばれたほうが王妃殿下もお喜びになると思いますもの」
私が微笑むと、殿下は少し頬を赤くそめ、私から視線を外しアクセサリーへ目を向けます。
照れているのでしょうか?
よく分かりませんね。
「……よし、決めた。
これにしよう」
殿下が指をさしたのはクンツァイトの可愛らしい耳飾りでした。
ピンクのその石は王妃殿下のイメージなのでしょうね。
「あぁ、それともう1つ……」
殿下が支配人の方に何か頼んでいるようですが……。
何を頼んでいるのでしょうか?
ラッピングの要望、という様子でもありませんし。
支配人の方が出ていくと、殿下はソファーに座りなおしました。
「エリス、礼を言う。
いいものを選ぶことができた」
「殿下のお役に立てたのならよかったです」
ですが、この場にいたのが私ではなくルアンだったとしても、きっと私と同じことを口にしたでしょう。
ルアンも私と同じような教育を受けているはずですから。
……いえ、自分で決めろと言って突き放すかもしれませんね。
ですが、本当に困っていたのであれば助けてくれるでしょう。
「お待たせいたしました」
支配人の方が戻ってくると、その手にはローズクォーツの髪飾りがありました。
殿下はこれを頼んでいたのでしょう。
ですが、いったいどなたに送るのでしょうか?
殿下には婚約者がいらっしゃったのでしょうか。
そのような話は聞いたことがなかったのですが……。
「礼を言う。
……急に頼んだものだが、よくできているな」
殿下のおっしゃる通り、細かなところまで細工が施されています。
薔薇の形に削られたローズクォーツは、その髪飾りを付ける人物を引き立たせるでしょう。
そう思わされるほど、その髪飾りは綺麗でした。
「エリス、つけてみてくれ。
今日の礼だ」
「いただけません!
こんな高価なものは……!」
まさか私に渡すものだったとは思ってもいませんでした。
勿論、お断りいたしますが。
こんなに高価なものはいただけませんし、ローズクォーツなどをいただいてしまえば噂になってしまいます。
ローズクォーツは恋愛の石と呼ばれていますから。
その相手が殿下であるのならなおさらです。
「私はエリスに受け取ってほしいんだ」
微笑んで言われても、私には受け取る気はありません。
これが婚約者からであればまた違ったのですが……。
「殿下、こういうものは私ではなく好きな方にお渡しするべきだと思います」
「もう少し……だな」
「殿下?」
もう少し、とは何でしょうか。
よくわかりませんね。
殿下も自分の世界に入ってしまったようですし。
「申し訳ありませんが、下げていただけますか?」
「承知いたしました」
私は、支配人さんにお願いして髪飾りを下げてもらいました。
殿下が自分の世界に入ってしまっているうちに行動しておいたほうがいいでしょうし。
ルアンに言わせると、私は押しに弱いようですから。
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