王族なんてお断りです!!

紗砂

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本編

26

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品を受け取り店を出ると、私たちは次の店へと向かいました。
先程買ったものを持っていないのは、フォーリア公爵家へと届けてもらうように頼んだからです。
そうでなければ、後々に支障をきたしそうでしたから。


「次は、どこの店だ?」

「そうですね……クッキー、ロールケーキ、砂糖漬け……どれがいいでしょうか?」


クッキーでしたら、フィーリン商会でも取り扱っていますが、ロールケーキや砂糖漬けと言われると他の店へと行かなければありませんから。
フィーリン商会がロールケーキを作っていないのは、現在制作中のケーキにあります。
食用薔薇と紅茶を使用したケーキのレシピを制作中のため、ロールケーキの方へと回す暇がなかったのです。


「では、クッキーで頼む」

「でしたら、フィーリン商会でも取り扱っていますが、他の店も回ってみますか?」

「いや、フィーリン商会のものを頼む。
エリスのとこならば失敗はないだろう?」

「勿論です。
少なくとも、後悔はさせません」


商会のトップに立つ者として、それだけは言えます。
自分の商会ですから。
それに、私はお客様にお出しして恥ずかしいものを販売するような真似だけはしないと、フィーリン商会を立ち上げた際に決めましたから。


「ならば問題はないだろう。
それに、時間があれば行きたいところがあるんだ」

「行きたいところ、ですか?」

「あぁ」


アルは不意に笑うと、来た道を戻り、小さな店へと入っていきます。
私が少し躊躇っているうちに支払いを済ませたのか、アルは小さな白百合の花の髪留めを持っていました。
私が店の中に入ったのを確認すると、微笑んで近付いてきます。
そして、私に向かって手を伸ばしましました。


「……うん、よく似合っている」

「……え?」

「婚約者となるんだ。
このくらいはいいだろう?」


その言葉で、先程の髪留めが私への贈り物であったことに気付きました。
驚きと嬉しさの二つの感情が私の中で渦巻きます。
ですが、やはり……。


「ありがとうございます、アル。
大切にします……」

「あぁ」


その後、私達は屋敷に戻ると、晩餐に向けての支度をします。
とはいえ、私がやることはデザートと、それに伴いお客様へとお出しするお茶の選択です。
お茶に関しては、アルのエリンスフィールへのお土産を買う際に購入したお茶があるので、そちらを出してもらう予定です。

アルに関しては、お客様という扱いになっているため、ルアンやカイン様と共に部屋で待っていてもらいます。


「ルエル、お客様にお出しするお茶はこれを出すようにしてください。
ケーキは既に一切れごとに切ってありますから、それを使用してください」

「承知しました!」


それから厨房で指示をした後、自分の支度のため自室へと戻りました。
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