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本編
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しおりを挟む晩餐用のドレスに着替えると、丁度外にエンドルース家の馬車が止まったのが見えました。
「お嬢様、お客様がお見えになりました」
「えぇ、今行きます」
私は下へ降りていくと、エンドルース家の者だけではなく、ルースベル家の方々もいらっしゃっていました。
「ようこそおいでくださいました。
既に準備は出来ております。
こちらへどうぞ」
「エリス嬢、ここには我らしかいないのだ。
そう固くならずとも良い」
「何れ、我等が王となるのだからな」
現公爵のお二人はまるで、私が王となることが決定しているかの様な口ぶりで言いました。
どうにも話が通じませんね。
私はお二人には毎回、王となるつもりはないと言っていたと思うのですが。
「エリス、久しぶりだな」
「ラルフ……久しぶりですね。
元気そうで何よりです」
「エリスこそ、大丈夫で良かった。
あいつ、バカだとは思ってたけどここまでだとは思ってなかったぞ。
まさか、エリスと婚約しておきながら、破棄を宣言するなんてな……。
俺があの場にいたなら絶対ぶん殴ってたのに……」
キース樣も、ラルフにバカと言われるとは……。
いえ、それよりもラルフです。
「一応、あの時点では王族だったのですから殴ってしまえば罪に問われますよ」
ラルフはそこまでしないと思いますが。
「そうだな、ラルフ。
やるならやるで社会的にやれ。
物理的にやるだけだと生温いだろう」
「あー、そっか。
それもそうだな。
んじゃ、フレイが社会的にやった後で俺が物理的にやるってのは?」
「ならいいだろう」
「全くもって良くないと思うのですが」
この幼馴染達は、私に甘いと常々思うのです。
ですが、それはどう考えてもやりすぎでしょう。
社会的にも物理的にもやっていいのは貴族のみです。
平民に落ちたキース様にそんなことをしてしまえば、奴隷落ちになる前に死んでしまう可能性だってあります。
「せめて、奴隷落ちまでです」
「えー、それ物理的に出来なくね?」
「物理的にと言いますが、ラルフがやれば殺しかねませんから」
「え、そのつもりだったんだけど」
「駄目です」
この二人を止めてくれる人は居ないのでしょうか?
……公爵方も、笑って見ていないで自分の子供を止めていただきたいのですが。
私のその想いが通じたのか、公爵方はお二人を止めました。
「エリス嬢のいないところでやりなさい、フレイ」
「ラルフもだ。
エリス嬢に仕えるのならばそれくらいやらぬか」
「はい、父上」
「分かった」
……私が止めて欲しかったのは、私の前でやることではなく、キース様を殺さないこと、なのですが。
……晩餐が始まる前にも関わらず、疲労感が溜まったきがします。
ですが、そうですね。
私の前でやらない限りは知らぬ存ぜぬで通せることですしいいとしましょうか。
これ以上やっては、私の身が持ちそうにありませんから。
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