王族なんてお断りです!!

紗砂

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本編

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私は馬車に揺られ、アルとアリス、カイン様と共にエール王国へと向かっていました。

その原因はエールの本店から送られてきた一通の手紙にあります。
近いうちに、ルベルコートの王子がフィーリン商会へと来る、という報せに、会頭である私にできる行動は1つしかありませんでした。


「そういえば、ルアンに会うのも久しぶりな気がするな。
ルアンは、やはり公爵の手伝いをしているのか?」

「いえ、今は王宮で働いているはずです。
ルースベル公爵からも色々と教えていただいていると聞いています」

「ルースベル公爵か……。
となるとかなり幅広く教わっているのだな」

「そうですね。
私もルースベル公爵から教わったことがありますが、かなり有意義な時間となったのを覚えています。
きっとルアンもルースベル公爵から色々と教わっていると思います」


ただ、ルースベル公爵は教える側へと回ると大変困ったことに、色々と詰め込もうとしすぎてこちら側の頭が持たなくなることがあります。
しかも、時間が無いということが分かっている分、早口でまくしたてるため、メモを取るにも苦労するのです。
それに加え、しばらくたった後に抜き打ちでテストをするので大変なのです。
その分、様々なところで役立つのですが。


「まさか、エリスまで教わっていたとは思わなかった」

「王妃教育の一貫だと言われ、様々なことを教わりましたし、交渉の場へと連れられたこともあります」

「王妃教育の一貫、か」

「建前としてはそう仰っていましたが、いつも私を連れ出す時は
『あんな奴のためにそんな頑張らなくとも良い』
と口にしていましたが」


思えば、その頃から既にルースベル公爵は王家を見限っていたのかもしれませんね。
いえ、ここは王家というよりもキース様を、というべきでしょう。


「それは、良いのか?」

「その時には既にバカ王子と呼ばれていましたから」

「……そうか」


やはり、アルは同じ王族として、再従兄弟として思うところがあるようです。

そんな時、アリスがふと思い出したように口を開きました。


「そういえば、ルースベル公爵がフィーリン商会の本店移動を発表した際、真っ先に王家を見限ると公言したとお聞きした覚えがあります」

「確かにありましたね。
まさか、そこまで気に入っていただけているとは思っていませんでしたが」

「それは、なんというか凄いな」


既にアルは苦笑気味です。
それはそうでしょう。
公爵家が王家を見限るなどということは、本来ならばありえないのですから。

そう考えると、その『本来ならばありえないこと』を実行させたキース様が凄いですね。
ある意味感嘆します。
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