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本編
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しおりを挟むお母様が異常なのは分かりました。
だからこそ、なのでしょうが、お母様の実家に行くのはやはり抵抗がありますね。
ですが、今はそれよりもやるべきことがあります。
「お母様、お父様、あの方がフィーリン商会の従業員であるミリスさんに手を出しました。
なので、本格的に潰しにいこうと思うのですが、よろしいでしょうか?」
「あらぁ……」
「ほぅ……」
お父様とお母様は、私の言葉にスっと目を細めました。
一応笑み浮かべてはいますが、目は笑っていませんし、何か冷たいものを感じます。
「屋敷の者を全員集めろ!」
「確実に殺りましょう?
ふふっ……」
お父様が叫ぶと、事情を察知した者が慌てて出てきます。
そして話を聞くと笑顔で頷きました。
お母様は何やら恐ろしいことを口にしています。
……気持ちは分からなくもありませんが。
数分後、屋敷の者全員が庭先へと集まりました。
やはり、こういう時の団結力は凄いですね。
「よろしいですか?
お嬢様を害する我等が敵を葬りさります。
何か質問はありますか?」
「はい」
「なんでしょう?」
「お嬢様を害する者ならば、もっと苦しませた方が良いかと思うのですが……」
「本来であればそうするのですが、今回はお嬢様のご友人にまで手を出した輩が相手ですのでこれ以上害をなす前に始末しておいた方が良いでしょう」
「お嬢様のご友人にまで……。
承知致しました。
早急に始末しましょう!」
庭先でする会話ではありませんね。
というよりも、その発想が怖いのですが。
その辺の考え方は、フォーリア公爵家らしいですね。
「私達の分もちゃんと残しておくのよ?」
「承知しております、奥様」
お母様も便乗しました。
いえ、一番お母様が乗り気だったようですし、便乗した、というよりは釘をさしたの方が当てはまっているような気がしますね。
「お母様、ミリスさんにはこちらで過ごしていただいても良いでしょうか?
少し、不安が残りますので」
「えぇ、もちろんよ。
シャールちゃんもウチで過ごすのでしょう?
ふふ、楽しくなるわねぇ」
楽しそうで何よりです。
これでミリスさんとシャールは大丈夫でしょう。
さて、では残った問題……あの方の件を片付けましょうか。
お母様とお父様、それに屋敷の者達までやる気になった今、どうなるかはわかりきっていますから。
「あぁ、遅くなってしまいましたが、ようやくお返しが出来ますね」
気付けばそんな言葉が漏れていました。
これでも、私はキレているのです。
百歩譲ってキース様との婚約破棄は良いでしょう。
ですが、アリスを傷付け、私を害するためだけにミリスさんを巻き込んだこと、到底許せるはずもないのですから。
私、今回ばかりは許せそうにありません。
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