王族なんてお断りです!!

紗砂

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本編

レスト

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『ついに、エリス様が行動に移されます。
そのため、王都までお連れしろ、とのことです』


という、師匠、ハーネスさんの言葉に、歓喜で胸が打ち震えた。

ようやく、ようやくだ。
このエリス様を傷付け、侮辱した女と共にいる必要はなくなり、その大きな罪を償わせることが出来る。

この時をどれだけ待っていたことか。


「お嬢、そろそろ王都に行ってもいい頃じゃないか?」

「えぇ、そうね。
あの女もそろそろ……だし。
いいわ、行くわよ」


あの女もそろそろ?
まさか、こいつはエリス様に何かしたというのだろうか?
いや、それは師匠がいるのだから有り得ないだろう。

とすると、エリス様の周りの人物を?
だとすれば、エリス様は大変お怒りのはず……。
不味い、エリス様がお怒りになられているとなると師匠だけでなく、アリス殿やルーファス殿も……。
ただでさえフォーリア公爵家まで出てきているというのに。

いや、だがエリス様を傷付けたのだからそれくらいは当然だ。


「ふふっ、これが終わったら、あなたを正式に雇ってあげるわ」

「そりゃ、光栄だ」


あぁ、吐き気がする。
この女に、よりによってエリス様を傷付けた奴に雇われるだと?
それならばまだ、死を選ぶに決まっている。

私にとって至上のお方はエリス様ただ一人。
こんな奴と共に旅をしているのも全てエリス様のためだからこそだ。
にも関わらず雇ってあげるだと?
はらわたが煮えくり返るとはこういうことを言うのだな。


「あぁ、やっと帰ることが出来る……」


この旅の中で、何度エリス様を想ったことか。
ラーグヴィスの生まれでなければ、エリス様とお会いすることすら叶わなかっただろう。
エリス様とお会いし、あの方のお傍で仕えると決めてからこれ程のことは無かった。


「私の主はただ一人……」


王都へと向かう道のりで、私はエリス様のことを想い、そう口にした。


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