王族なんてお断りです!!

紗砂

文字の大きさ
59 / 70
本編

レスト

しおりを挟む


『ついに、エリス様が行動に移されます。
そのため、王都までお連れしろ、とのことです』


という、師匠、ハーネスさんの言葉に、歓喜で胸が打ち震えた。

ようやく、ようやくだ。
このエリス様を傷付け、侮辱した女と共にいる必要はなくなり、その大きな罪を償わせることが出来る。

この時をどれだけ待っていたことか。


「お嬢、そろそろ王都に行ってもいい頃じゃないか?」

「えぇ、そうね。
あの女もそろそろ……だし。
いいわ、行くわよ」


あの女もそろそろ?
まさか、こいつはエリス様に何かしたというのだろうか?
いや、それは師匠がいるのだから有り得ないだろう。

とすると、エリス様の周りの人物を?
だとすれば、エリス様は大変お怒りのはず……。
不味い、エリス様がお怒りになられているとなると師匠だけでなく、アリス殿やルーファス殿も……。
ただでさえフォーリア公爵家まで出てきているというのに。

いや、だがエリス様を傷付けたのだからそれくらいは当然だ。


「ふふっ、これが終わったら、あなたを正式に雇ってあげるわ」

「そりゃ、光栄だ」


あぁ、吐き気がする。
この女に、よりによってエリス様を傷付けた奴に雇われるだと?
それならばまだ、死を選ぶに決まっている。

私にとって至上のお方はエリス様ただ一人。
こんな奴と共に旅をしているのも全てエリス様のためだからこそだ。
にも関わらず雇ってあげるだと?
はらわたが煮えくり返るとはこういうことを言うのだな。


「あぁ、やっと帰ることが出来る……」


この旅の中で、何度エリス様を想ったことか。
ラーグヴィスの生まれでなければ、エリス様とお会いすることすら叶わなかっただろう。
エリス様とお会いし、あの方のお傍で仕えると決めてからこれ程のことは無かった。


「私の主はただ一人……」


王都へと向かう道のりで、私はエリス様のことを想い、そう口にした。


しおりを挟む
感想 49

あなたにおすすめの小説

 怒らせてはいけない人々 ~雉も鳴かずば撃たれまいに~

美袋和仁
恋愛
 ある夜、一人の少女が婚約を解消された。根も葉もない噂による冤罪だが、事を荒立てたくない彼女は従容として婚約解消される。  しかしその背後で爆音が轟き、一人の男性が姿を見せた。彼は少女の父親。  怒らせてはならない人々に繋がる少女の婚約解消が、思わぬ展開を導きだす。  なんとなくの一気書き。御笑覧下さると幸いです。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

侯爵夫人のハズですが、完全に無視されています

猫枕
恋愛
伯爵令嬢のシンディーは学園を卒業と同時にキャッシュ侯爵家に嫁がされた。 しかし婚姻から4年、旦那様に会ったのは一度きり、大きなお屋敷の端っこにある離れに住むように言われ、勝手な外出も禁じられている。 本宅にはシンディーの偽物が奥様と呼ばれて暮らしているらしい。 盛大な結婚式が行われたというがシンディーは出席していないし、今年3才になる息子がいるというが、もちろん産んだ覚えもない。

【完】はしたないですけど言わせてください……ざまぁみろ!

咲貴
恋愛
招かれてもいないお茶会に現れた妹。 あぁ、貴女が着ているドレスは……。

離婚した彼女は死ぬことにした

はるかわ 美穂
恋愛
事故で命を落とす瞬間、政略結婚で結ばれた夫のアルバートを愛していたことに気づいたエレノア。 もう一度彼との結婚生活をやり直したいと願うと、四年前に巻き戻っていた。 今度こそ彼に相応しい妻になりたいと、これまでの臆病な自分を脱ぎ捨て奮闘するエレノア。しかし、 「前にも言ったけど、君は妻としての役目を果たさなくていいんだよ」 返ってくるのは拒絶を含んだ鉄壁の笑みと、表面的で義務的な優しさ。 それでも夫に想いを捧げ続けていたある日のこと、アルバートの大事にしている弟妹が原因不明の体調不良に襲われた。 神官から、二人の体調不良はエレノアの体内に宿る瘴気が原因だと告げられる。 大切な人を守るために離婚して彼らから離れることをエレノアは決意するが──。

里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります> 政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・? ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

処理中です...