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越後動乱編
変な顔してた?
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「ご隠居様...」
後ろから幸村の声が聞こえてくる、ちらりと気づかれないように後ろを見たが、心配してくれているようだった。
はて、私は変な顔をしていただろうか?
ずかずかと春日山城を歩いている間、ずっと変な顔をしていたとなれば風聞に触る。
変な顔をして無かったか気になるなぁ、とは言え鏡とか無いしなぁここ...諦めよう。
謙信殿に割り振られた部屋につき、旅の疲れを取ろうと肩を叩く。
「ご隠居様、私がやりましょうか?」
「すまんな、頼む。」
幸村がこちらへ来て肩ももみ始める、うん。良い気持ちだ。
戦争が始まる、その意味を今一度噛み締めていた。
人が死なない方法を考えて生きていきたかったんだが、よもや人を殺す命令を出さねばならないなんてな。
私とて戦国の習いは知っている、今更人が死ぬのは嫌だだの戦争は悪だなどと乳臭いことを言うつもりは無い。
それは人々の平和を願い戦に励んだ日本の武家に対する侮辱だ、だが少し辛いのは事実だな。
「これからどうなさるのですか?」
「無論、部隊を率いて一戦交えねばならんだろうな。」
「ですが、一揆勢とは和睦をする手筈になっている筈です。」
幸村がそう言うのに、私も頷いた。
そうなんだよなぁ、私がその間に入る手筈だったのだがなぁ。
「本当に、一揆勢との和睦が成立すると思っていたのか?ちび助?」
「どういう意味でございますか慶次殿?」
背後でほくそ笑んでいた慶次が口を開き始めた、そういやこの男後ろでずっとほくそ笑んでいたな。
なんかまた変なこと考えて無い?
そんな私の思いとは裏腹に話は進んで行く。
「戦争は始まる前に終わっている...一揆勢の首魁との会談、先ほどの立ち振る舞い。ご隠居様の手管の一端を見せて頂いただけでもこの旅に参加した意義はあります。」
「慶次、幸村にもわかるよう説明せぇ。」
全くわからない、頼む説明してくれ・・・・
幸村がわかって無いように目を白黒とさせていたからその話を促すが、私も幸村と同じくらいの歳ならば同じ顔をしていただろう。
「はっ、まずご隠居様はお藤殿が作った越後までのルートから外れ申した。そして一揆軍の首魁と会いました、これも偶然ではありませんよね?」
全くの偶然だが?
「次に一揆軍の首魁と和睦の手筈を整えました、当然の話ですが一揆軍も講和にはならないでしょう。」
「講和に...応じないのですか?」
「そりゃそうだろ、坊主どもはあそこで一向宗の奴らを率いてやりたい放題だ。そんな利権を手放すわけが無いだろう?ご隠居様の目的は奴らの頭である千代殿と部下たちの思考を引き裂くのが目的だったんだよ。」
「それを証拠にご隠居様は上杉様とお会いになった際に講和のこの字もお出しにならなかった、千代の居場所を見つけ出してどうやってたどり着いたかまでは不明ですがそれはご容赦下さい。」
そう言うと、慶次はこちらに向けてぺこりと頭を下げる。
私は続きを促すように小さく会釈した、慶次もそれに乗って話を続ける。
「一揆勢は象徴的な意味で千代殿、武力的頭では杉浦玄任を頂いて活動してあるようです。その中を引き裂けば戦力の低下は必定、相手を弱らせるという一手を越後に着く前に行う。これぞ兵法と言うものでしょう。」
「そして、上杉様と面会した際にご隠居様は危ういと仰いました。」
「あれを聞いておったのか?」
すごい小声だったんだけどな、他の人には聞かれて無いよな?
「無論にございます、その意味するところは上杉方の士気が高すぎることにあるのです。」
「士気が高いのはいけないことなのですか?」
「高いのは悪くない、だが高すぎるのは問題だ。手柄を争って統率が取れなくなり敵の策に嵌るなど冗談では無い。先程のご隠居様の顔を見ただろう?あの鬼をも見紛う顔で春日山城を歩き回った、将は落ち着きを取り戻して冷静になる一助になる筈だ。」
「ご隠居様は一揆勢を完膚なきまでに叩き潰すつもりなのは最早疑いようも無い事実、故に一揆の頭を内通し、味方にも気遣いを入れる。これぞ一流の兵法家で無くてなんと呼ぶでしょう。」
そこまで言うと慶次は平服する。
「私が見えたのはこの程度でございます。」
「う、うむ。慶次も色々と考えているようだな、精進せよ。」
「はっ!」
「私はご隠居様のお考えに少しも気づきませなんだ、申し訳ありません...」
幸村が自らを恥じるように頭を下げる、いや私も何も考えて無いし...
言いそびれただけだし、そもそも鬼のような顔で上杉方の武将を萎縮ってどうやってやるんだよ。
誰か教えてくれよ、あんな鬼のような奴らを萎縮って私どんな顔してたんだ?
私の顔はあまり美丈夫では無いが、厳つい顔でも無いつもりだぞ。
「気にすることは無い、何か質問や疑問があれば慶次や私に聞くが良い。答えられることならば答えよう。」
「はい、ありがとうございます!」
明るく言う幸村、こいつも16になる。そろそろ嫁とかの問題もあるんだよなぁ...一旦家に返さねばならんのだが。
1週間ほど経った後、上杉勢は上越後へと出発した。総数は4万、兵を3万と1万に分けての行軍である。
1陣、総大将・上杉謙信
軍師 宇佐美定満
大将 斎藤朝信、色部勝長、北条高広、直江兼続、直江景綱
2陣、総大将・今川輝宗
大将 鬼小島弥太郎、柿崎影家、甘粕景持、河田長親
余談だが、この知らせを聞いて「補佐じゃないのぉ!?」と言う叫びがどこからか聞こえたとか、聞こえて無いとか。
後ろから幸村の声が聞こえてくる、ちらりと気づかれないように後ろを見たが、心配してくれているようだった。
はて、私は変な顔をしていただろうか?
ずかずかと春日山城を歩いている間、ずっと変な顔をしていたとなれば風聞に触る。
変な顔をして無かったか気になるなぁ、とは言え鏡とか無いしなぁここ...諦めよう。
謙信殿に割り振られた部屋につき、旅の疲れを取ろうと肩を叩く。
「ご隠居様、私がやりましょうか?」
「すまんな、頼む。」
幸村がこちらへ来て肩ももみ始める、うん。良い気持ちだ。
戦争が始まる、その意味を今一度噛み締めていた。
人が死なない方法を考えて生きていきたかったんだが、よもや人を殺す命令を出さねばならないなんてな。
私とて戦国の習いは知っている、今更人が死ぬのは嫌だだの戦争は悪だなどと乳臭いことを言うつもりは無い。
それは人々の平和を願い戦に励んだ日本の武家に対する侮辱だ、だが少し辛いのは事実だな。
「これからどうなさるのですか?」
「無論、部隊を率いて一戦交えねばならんだろうな。」
「ですが、一揆勢とは和睦をする手筈になっている筈です。」
幸村がそう言うのに、私も頷いた。
そうなんだよなぁ、私がその間に入る手筈だったのだがなぁ。
「本当に、一揆勢との和睦が成立すると思っていたのか?ちび助?」
「どういう意味でございますか慶次殿?」
背後でほくそ笑んでいた慶次が口を開き始めた、そういやこの男後ろでずっとほくそ笑んでいたな。
なんかまた変なこと考えて無い?
そんな私の思いとは裏腹に話は進んで行く。
「戦争は始まる前に終わっている...一揆勢の首魁との会談、先ほどの立ち振る舞い。ご隠居様の手管の一端を見せて頂いただけでもこの旅に参加した意義はあります。」
「慶次、幸村にもわかるよう説明せぇ。」
全くわからない、頼む説明してくれ・・・・
幸村がわかって無いように目を白黒とさせていたからその話を促すが、私も幸村と同じくらいの歳ならば同じ顔をしていただろう。
「はっ、まずご隠居様はお藤殿が作った越後までのルートから外れ申した。そして一揆軍の首魁と会いました、これも偶然ではありませんよね?」
全くの偶然だが?
「次に一揆軍の首魁と和睦の手筈を整えました、当然の話ですが一揆軍も講和にはならないでしょう。」
「講和に...応じないのですか?」
「そりゃそうだろ、坊主どもはあそこで一向宗の奴らを率いてやりたい放題だ。そんな利権を手放すわけが無いだろう?ご隠居様の目的は奴らの頭である千代殿と部下たちの思考を引き裂くのが目的だったんだよ。」
「それを証拠にご隠居様は上杉様とお会いになった際に講和のこの字もお出しにならなかった、千代の居場所を見つけ出してどうやってたどり着いたかまでは不明ですがそれはご容赦下さい。」
そう言うと、慶次はこちらに向けてぺこりと頭を下げる。
私は続きを促すように小さく会釈した、慶次もそれに乗って話を続ける。
「一揆勢は象徴的な意味で千代殿、武力的頭では杉浦玄任を頂いて活動してあるようです。その中を引き裂けば戦力の低下は必定、相手を弱らせるという一手を越後に着く前に行う。これぞ兵法と言うものでしょう。」
「そして、上杉様と面会した際にご隠居様は危ういと仰いました。」
「あれを聞いておったのか?」
すごい小声だったんだけどな、他の人には聞かれて無いよな?
「無論にございます、その意味するところは上杉方の士気が高すぎることにあるのです。」
「士気が高いのはいけないことなのですか?」
「高いのは悪くない、だが高すぎるのは問題だ。手柄を争って統率が取れなくなり敵の策に嵌るなど冗談では無い。先程のご隠居様の顔を見ただろう?あの鬼をも見紛う顔で春日山城を歩き回った、将は落ち着きを取り戻して冷静になる一助になる筈だ。」
「ご隠居様は一揆勢を完膚なきまでに叩き潰すつもりなのは最早疑いようも無い事実、故に一揆の頭を内通し、味方にも気遣いを入れる。これぞ一流の兵法家で無くてなんと呼ぶでしょう。」
そこまで言うと慶次は平服する。
「私が見えたのはこの程度でございます。」
「う、うむ。慶次も色々と考えているようだな、精進せよ。」
「はっ!」
「私はご隠居様のお考えに少しも気づきませなんだ、申し訳ありません...」
幸村が自らを恥じるように頭を下げる、いや私も何も考えて無いし...
言いそびれただけだし、そもそも鬼のような顔で上杉方の武将を萎縮ってどうやってやるんだよ。
誰か教えてくれよ、あんな鬼のような奴らを萎縮って私どんな顔してたんだ?
私の顔はあまり美丈夫では無いが、厳つい顔でも無いつもりだぞ。
「気にすることは無い、何か質問や疑問があれば慶次や私に聞くが良い。答えられることならば答えよう。」
「はい、ありがとうございます!」
明るく言う幸村、こいつも16になる。そろそろ嫁とかの問題もあるんだよなぁ...一旦家に返さねばならんのだが。
1週間ほど経った後、上杉勢は上越後へと出発した。総数は4万、兵を3万と1万に分けての行軍である。
1陣、総大将・上杉謙信
軍師 宇佐美定満
大将 斎藤朝信、色部勝長、北条高広、直江兼続、直江景綱
2陣、総大将・今川輝宗
大将 鬼小島弥太郎、柿崎影家、甘粕景持、河田長親
余談だが、この知らせを聞いて「補佐じゃないのぉ!?」と言う叫びがどこからか聞こえたとか、聞こえて無いとか。
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