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王都にて、王子と多重人格者
時代を担う王達の休日?
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これでいいのだろうか、いつも私は迷っていた。
母から貴方は王の息子だと、そう言い聞かされていた時も迷っていた。学校で首席を取り、流石は王の息子だと言われた時から、ずっと迷っていたのだ。師匠に剣を教えて頂けると聞いた時もずっと悩んでいた。何故私なのだろう。
私は、何も、持っていなかった。
だから努力した、勉学も、剣も、自分の力で努力して手に入れたものだ。だがそれだけでいいのだろうか。
彼......第1王子、ベリアスは自分の執務室でそう悩んでいた。側には暇なのかと言うばかりに、この国の騎士団長であるルーカンと、その息子のアロンが護衛としている。この国最高峰の騎士と、我が国にたった1人...おっと、先程その2人目の神器使いと話をしたばかりだったな、ともかく神器使いがいる。間違いなく私がこの国で一番安全だろう、まぁ、父上も弟もそうではあるのだがな。
あの神器使いは、劇薬だ、素性もよくわからぬので、側に置いておくのも危険だと言うのが騎士団の面々の意見ではあった。アストルフは信用できるとは言っていたが、会ってまだ3ヶ月ほどだと言う、信用しきれないところもあるだろう、いつもより歯切れが悪い。話をしてみて、少しでも彼の人となりをつかもうと努力しているのだが、どうにも彼がつかめない。私が人付き合いがあまり得意ではないせいでもあるのだがな。
学校時代ですら、話相手と言えば帝国の姫君ぐらいのものか、他のものは私を恐れて近寄っても来なかった。人がやって来ない孤高な王。回りからの期待に後押しされて、今のように王を目指すと言ったものの、果たして私にそれが勤まるのだろうか。
そう思うと、ベリアスはため息が出るのを抑えられず、ルーカンとアロンを心配させるのであった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
王子は孤独である、しかしまた王というものも孤高でなくてはならない。ベリアス王子の横で彼の仕事を見守るアロンは、そう思っていた。
アロンが王子と初めて会ったのは、ヘリン将軍に連れて来られて王城に行った日である、同い年の剣の相手が見つからなかったので呼ばれたのである。王子は既に剣の才能を発揮しており、全く勝てず、神器を思わず使おうとしてしまいヘリン様に止められてしまったということもあった、恥ずべきことだ。
子供の頃より剣にかけては神童と言われ、10を超える歳になるとその辺の騎士には負けないくらい強くなった。神器なしでである。それが負けてしまった。自分の高い鼻っ柱は叩き折られた。しかし、勝ってもベリアスは驕らず、勉学でも、剣でも、何で勝っても嬉しそうな顔をすることはほとんどなく、いつも物憂げな表情をするのみであった。
皆、王子を恐れている。魔法局も、貴族たちも、騎士団でさえ、王子の本心を見抜いているものは少ない。付き合いこそあまりないが、この方こそ次代の王でいい、アロンはそう確信していた。アロンは見守る、自分が次の王と信じて疑わないその男を。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『.........では、今日はこの辺りで失礼しよう、皆の者報告ご苦労であった。また明日も頼むぞ!』
そう言うと、第2王子、ライト王子は自分の執務室に入って行く、中に入ると、既に自分の親友であるウルフィアスが紅茶を飲んでいた。
すると、隣で私と貴族の相手をしていた妻のエマが怒り始めた。
『ちょっと、ウル!それ私が大事にしていた紅茶!わざわざお爺様に頼んで地元から持ってきてもらったのに!先に飲むなんて!』
『おっと、これはこれは失礼しましたエマ様、では私が新しく入れさせて頂きましょうか?』
おどけた様子でウルフィアスは言う、こいつはいつもそんな感じだ。室内には私と私の妻、エマとウルフィアスしかいない、1日の仕事が終わったのだし、いつものように寛いでおくか。そう思うとライトは上着を脱ぎ、自分の椅子にどっかりと座った。イスと同じくらいの高さにある机に足をかける。エマからはいつも行儀が悪いと怒られるのだが、まぁこのぐらいは勘弁してほしい。父上からの仕事がやっと終わったばかりなのだから、ウルフィアスは私の側に紅茶を置いて言う。
『ライトもどーぞ、エマの故郷のお茶だってさ、あまり詳しくない私でも良いものだと言うことはわかるよ!』
『ちょっと!何も知らないのに貴重なお茶をガバガバ飲んでたの!許さないわよ!』
この日常もいつも通りである。3人は学園からの腐れ縁だ。私達は幼年学校の時に出会った。魔力持ちの第2王子、辺境伯の娘、魔法の才能に期待されている中級貴族の息子。すぐに意気投合した。魔法に関しての研究をしている私とウルフィアスを、エマによく世話を焼いてもらったものだ。勉強も好きではなかったし、どうやら私には歳上の兄がいるようだと知らされていたので、私は王ではなく研究者になろうと研究に没頭。自分の魔法『治癒魔法』を、流行病の1つへの対抗策として治療法を確立させ、国民を救った。また新しい魔法局の案である魔道ゴーレムの初期版を作ったのも私とウルフィアスだ。でかいゴールムが動いた時は、学校にいた生徒全員で喜んだものだ。
しかし学校を卒業した後から、貴族達からの俺への擦り寄りは加熱した。まぁ兄上が下級貴族の息子で、不満もあるのだろうと言うのもあながちではなかった。母上も、私を時期王にと強く推していたし、母方の貴族からの叱咤激励も相当なものになった。私は学園生活の頃が懐かしかった。今はただひたすらに貴族達の相手をし、味方は増えていき、継承戦は有利になっていくものの、心は休まらなかった。
唯一の救いは、このおちゃらけた男が以外にも出世しており、王子の前に出ても何も咎められないほどになったと言うことか。ウルフィアスも苦労しているだろうが、こうして3日に1度は顔を見せに来る。
兄上には1人の人間としてならとても敵わないが、別にそれでも王になれると思っている。王が最も優れているものでなければならない道理はない。武では私にはウルフィアスが、知なら妻のエマがいる。味方は多いのだ、この継承戦も無事終わるだろう。
安心したら眠くなってきたな。
ライト王子は急な眠気に襲われて、ベッドにも入らずに、目を閉じた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『おやおや、寝てしまったようだね、このだらしがない男が貴族のリーダーライト王子とは!仕方がない、ベッドまで送ったあげるよ』
そう言うとライトは呪文を唱え始めて、ライトは消えた、多分今頃自分の寝室で寝ているだろう。
ねぇ、そうエマは言う、ウルフィアスがなんでございましょうかとおどけて執事のごとく礼を見せた。
ライトには随分と苦労させているわね、とポツリと言ってしまった。元々私があの人を頑張らせてしまっているのに。あの人は学園では自由な人だった。研究や体を動かすのがとにかく大好きだったあの人は、よく私とウルフィアスと一緒に学校を抜け出して、ダンジョンや怪奇現象が噂されている屋敷に遊びに行ったわ。ダンジョンでは死にかけたわ!ライトがへんなスイッチを押しまくるせいで、ダンジョンにあった罠が全部起動してしまったんですもの!!
彼にプロポーズされた時にも言ってしまったわね
『私はこの国の王の妻になると決めています。貴方であってもそれは変わりません。』
『じゃあ、僕が君を世界の王の妻にしよう』
そう言った。多分彼は義理で動いている。本当は自分の大好きな魔法の研究がしたいのに、今ではそのことも一言も言わないで、あーやって疲れて寝るまで働くのをやめない。私への義理、母への義理、自分を慕ってくれている貴族達への義理。努力して自分に会いに来てくれたウルフィアスへの義理。それが彼を縛っている。
『良いんじゃないかな?アイツがやりたいようにやらせてあげようよ。いいんじゃない?僕かエマがいればアイツはアイツらしくいれる場所があるんだから。』
そう言いながらもウルフィアスは笑った。
『てか君の方が過激だよね?!僕の部下に勝手に命令して、アルノ領で反乱起こさせて貴族潰そうとするとかさ!とんでもないよね!逆に!まぁもう部下は謹慎させてるけど』
あら、そんなことしたかしら、フフッだってあの人が頑張ってるんだもの。私も少しは色々やらないとね。ちょっと脅そうとしただけなのよ、まぁあの神器使いさんに止められちゃったけど。
あの神器使いさんは自由そうね、なんの縛りもなく、どこにでも行けて。
いつか、ライトにもあんな自由をあげたい。
そう思いながら、紅茶を飲みつつエマは笑った
母から貴方は王の息子だと、そう言い聞かされていた時も迷っていた。学校で首席を取り、流石は王の息子だと言われた時から、ずっと迷っていたのだ。師匠に剣を教えて頂けると聞いた時もずっと悩んでいた。何故私なのだろう。
私は、何も、持っていなかった。
だから努力した、勉学も、剣も、自分の力で努力して手に入れたものだ。だがそれだけでいいのだろうか。
彼......第1王子、ベリアスは自分の執務室でそう悩んでいた。側には暇なのかと言うばかりに、この国の騎士団長であるルーカンと、その息子のアロンが護衛としている。この国最高峰の騎士と、我が国にたった1人...おっと、先程その2人目の神器使いと話をしたばかりだったな、ともかく神器使いがいる。間違いなく私がこの国で一番安全だろう、まぁ、父上も弟もそうではあるのだがな。
あの神器使いは、劇薬だ、素性もよくわからぬので、側に置いておくのも危険だと言うのが騎士団の面々の意見ではあった。アストルフは信用できるとは言っていたが、会ってまだ3ヶ月ほどだと言う、信用しきれないところもあるだろう、いつもより歯切れが悪い。話をしてみて、少しでも彼の人となりをつかもうと努力しているのだが、どうにも彼がつかめない。私が人付き合いがあまり得意ではないせいでもあるのだがな。
学校時代ですら、話相手と言えば帝国の姫君ぐらいのものか、他のものは私を恐れて近寄っても来なかった。人がやって来ない孤高な王。回りからの期待に後押しされて、今のように王を目指すと言ったものの、果たして私にそれが勤まるのだろうか。
そう思うと、ベリアスはため息が出るのを抑えられず、ルーカンとアロンを心配させるのであった。
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王子は孤独である、しかしまた王というものも孤高でなくてはならない。ベリアス王子の横で彼の仕事を見守るアロンは、そう思っていた。
アロンが王子と初めて会ったのは、ヘリン将軍に連れて来られて王城に行った日である、同い年の剣の相手が見つからなかったので呼ばれたのである。王子は既に剣の才能を発揮しており、全く勝てず、神器を思わず使おうとしてしまいヘリン様に止められてしまったということもあった、恥ずべきことだ。
子供の頃より剣にかけては神童と言われ、10を超える歳になるとその辺の騎士には負けないくらい強くなった。神器なしでである。それが負けてしまった。自分の高い鼻っ柱は叩き折られた。しかし、勝ってもベリアスは驕らず、勉学でも、剣でも、何で勝っても嬉しそうな顔をすることはほとんどなく、いつも物憂げな表情をするのみであった。
皆、王子を恐れている。魔法局も、貴族たちも、騎士団でさえ、王子の本心を見抜いているものは少ない。付き合いこそあまりないが、この方こそ次代の王でいい、アロンはそう確信していた。アロンは見守る、自分が次の王と信じて疑わないその男を。
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『.........では、今日はこの辺りで失礼しよう、皆の者報告ご苦労であった。また明日も頼むぞ!』
そう言うと、第2王子、ライト王子は自分の執務室に入って行く、中に入ると、既に自分の親友であるウルフィアスが紅茶を飲んでいた。
すると、隣で私と貴族の相手をしていた妻のエマが怒り始めた。
『ちょっと、ウル!それ私が大事にしていた紅茶!わざわざお爺様に頼んで地元から持ってきてもらったのに!先に飲むなんて!』
『おっと、これはこれは失礼しましたエマ様、では私が新しく入れさせて頂きましょうか?』
おどけた様子でウルフィアスは言う、こいつはいつもそんな感じだ。室内には私と私の妻、エマとウルフィアスしかいない、1日の仕事が終わったのだし、いつものように寛いでおくか。そう思うとライトは上着を脱ぎ、自分の椅子にどっかりと座った。イスと同じくらいの高さにある机に足をかける。エマからはいつも行儀が悪いと怒られるのだが、まぁこのぐらいは勘弁してほしい。父上からの仕事がやっと終わったばかりなのだから、ウルフィアスは私の側に紅茶を置いて言う。
『ライトもどーぞ、エマの故郷のお茶だってさ、あまり詳しくない私でも良いものだと言うことはわかるよ!』
『ちょっと!何も知らないのに貴重なお茶をガバガバ飲んでたの!許さないわよ!』
この日常もいつも通りである。3人は学園からの腐れ縁だ。私達は幼年学校の時に出会った。魔力持ちの第2王子、辺境伯の娘、魔法の才能に期待されている中級貴族の息子。すぐに意気投合した。魔法に関しての研究をしている私とウルフィアスを、エマによく世話を焼いてもらったものだ。勉強も好きではなかったし、どうやら私には歳上の兄がいるようだと知らされていたので、私は王ではなく研究者になろうと研究に没頭。自分の魔法『治癒魔法』を、流行病の1つへの対抗策として治療法を確立させ、国民を救った。また新しい魔法局の案である魔道ゴーレムの初期版を作ったのも私とウルフィアスだ。でかいゴールムが動いた時は、学校にいた生徒全員で喜んだものだ。
しかし学校を卒業した後から、貴族達からの俺への擦り寄りは加熱した。まぁ兄上が下級貴族の息子で、不満もあるのだろうと言うのもあながちではなかった。母上も、私を時期王にと強く推していたし、母方の貴族からの叱咤激励も相当なものになった。私は学園生活の頃が懐かしかった。今はただひたすらに貴族達の相手をし、味方は増えていき、継承戦は有利になっていくものの、心は休まらなかった。
唯一の救いは、このおちゃらけた男が以外にも出世しており、王子の前に出ても何も咎められないほどになったと言うことか。ウルフィアスも苦労しているだろうが、こうして3日に1度は顔を見せに来る。
兄上には1人の人間としてならとても敵わないが、別にそれでも王になれると思っている。王が最も優れているものでなければならない道理はない。武では私にはウルフィアスが、知なら妻のエマがいる。味方は多いのだ、この継承戦も無事終わるだろう。
安心したら眠くなってきたな。
ライト王子は急な眠気に襲われて、ベッドにも入らずに、目を閉じた。
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『おやおや、寝てしまったようだね、このだらしがない男が貴族のリーダーライト王子とは!仕方がない、ベッドまで送ったあげるよ』
そう言うとライトは呪文を唱え始めて、ライトは消えた、多分今頃自分の寝室で寝ているだろう。
ねぇ、そうエマは言う、ウルフィアスがなんでございましょうかとおどけて執事のごとく礼を見せた。
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『良いんじゃないかな?アイツがやりたいようにやらせてあげようよ。いいんじゃない?僕かエマがいればアイツはアイツらしくいれる場所があるんだから。』
そう言いながらもウルフィアスは笑った。
『てか君の方が過激だよね?!僕の部下に勝手に命令して、アルノ領で反乱起こさせて貴族潰そうとするとかさ!とんでもないよね!逆に!まぁもう部下は謹慎させてるけど』
あら、そんなことしたかしら、フフッだってあの人が頑張ってるんだもの。私も少しは色々やらないとね。ちょっと脅そうとしただけなのよ、まぁあの神器使いさんに止められちゃったけど。
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